( 294665 )  2025/05/28 07:15:19  
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兵庫県の斎藤元彦知事の側近である井ノ本知明元総務部長が、元県民局長の私的情報を県議会議員に漏洩した疑いが持たれ、第三者委員会の報告書が公表された。

報告書では、井ノ本氏が漏洩行為を斎藤知事と副知事の指示を受けた可能性が高いと結論づけられた。

この件で井ノ本氏は停職3か月の懲戒処分が下され、斎藤知事も自らの処分を検討している。

しかし、斎藤知事は漏洩に関する指示はしていないと主張している(要約)。

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兵庫・斎藤元彦知事 

 

 兵庫県の斎藤元彦知事の疑惑を告発した元県民局長の“私的情報”について、県と第三者委員会は27日、斎藤知事の“側近”だった井ノ本知明元総務部長が元県民局長の私的情報を県議会議員3人に漏洩したと結論付けた報告書を公表しました。報告書では、漏洩行為について「斎藤知事と副知事の指示を受けた可能性が高い」としています。 

 

 調査結果を受け、県は井ノ本氏を停職3か月の懲戒処分にすると決定。井ノ本氏の処分について、斎藤知事は「組織の長として深く責任を感じている」として自らの処分を検討していると明かす一方、「漏洩の指示はしていない」と改めて主張しました。 

 

第三者委員会の会見(27日) 

 

 報告書によれば、井ノ本氏は県議3人に対し、私的情報の一部を紙に印刷して見せ、一部を口頭で述べるなどしたとしています。 

 

 当初、井ノ本氏は私的情報の漏洩を全面的に否定していましたが、その後の聞き取り調査で、「県議に対し、私的情報を情報共有の意図で口頭で伝えたことはあるが、具体的な資料は開示していない」とした上で、「斎藤知事及び片山元副知事の指示によるものである」と話したということです。 

 

 また、他の職員も委員会の聴取に対し、去年4月上旬に知事から「私的情報があったことも含めて、根回しというか、議会の執行部に調べておいたらいいんじゃないかという趣旨と理解できる発言があった」と話したということです。 

 

 一方、斎藤知事は「処理に関して何か指示をしたことはない」と否定し、元総務部長の判断であると主張。片山元副知事は「知事から直接の指示を受けたことはない」としつつ、他の職員から私的情報を議会と共有するよう知事から指示があった旨を聞いたとして「根回しをするよう指示したが、具体的内容は指示していない」と話したということです。 

 

 第三者委員会は結論として、井ノ本氏の漏洩は「知事及び元副知事の指示を受けた可能性が高いことに加え、口頭でその概要を抽象的表現で述べるとともに、紙に打ち出された資料の一部を提示するにとどまった」としました。 

 

 

 第三者委員会は27日の会見で、「一般的な情報共有すら否定する知事の証言は不自然」と指摘した上で、元裁判官でもある工藤涼二委員長は「中立公平な第三者委員会として判断した。最大のステークホルダーは県民であり、知事ではない。出てきた証拠に基づいて判断した」と語りました。 

 

 この問題をめぐって、斎藤知事の疑惑を調査していた百条委員会が県議2人に対して行った聞き取り調査では、告発された後の去年4月、議員控室で井ノ本氏が県議2人にプリントアウトした私的情報を見せた上、口頭で元県民局長が作成した告発文書が「信用に値しない」旨の説明をしていたことが明らかになっています。 

 

 一方、去年10月の百条委員会の証人尋問で、井ノ本氏は漏洩について「守秘義務違反の嫌疑を受ける可能性がある」として、証言を拒否していました。 

 

 県は、第三者委員会の調査結果や、知事からの指示があったとする主張、人事課を所管する総務部長という高い倫理観が求められる立場を踏まえ、井ノ本氏に対し、27日付で『停職3か月』の処分にすることを決定。井ノ本氏は県の聞き取りに対し、「知事と元副知事の指示に基づく正当な業務行為であり、外部通報に該当するため不利益処分は認められない」と話しているということです。 

 

 これに対し、斎藤知事は27日、「総務部長という要職にあった県職員が、懲戒処分に該当するという状況になり、県民の皆さんの信頼を損なうものであり、組織の長として、誠に申し訳なく思っている」と謝罪し、自らの処分を検討していることを明らかにする一方で、井ノ本氏への指示の指摘については「漏洩に関する指示はしていないという認識に変わりはない」と改めて否定しました。 

 

 

 
 

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