( 294915 )  2025/05/29 07:01:35  
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野党3党からの追及を受けた小泉農水相のコメ戦略について、スピード重視の破綻を指摘する声がある。

小泉大臣は随意契約で備蓄米を流通させる取り組みを進めており、その効果を期待している。

しかし、備蓄米の配布には課題もあり、その品質や価格破壊について懸念が表明されている。

町のコメ店なども異なる視点からこの取り組みを見つめ、改善が求められている。

(要約)

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日テレNEWS NNN 

 

野党3党のトップらから追及を受けた小泉農水相のコメ戦略。町のコメ店店主は「その都度その都度で対処対処でやっていくと必ずしっぺ返しが来ます」と、スピード重視の戦略の“綻び”を指摘しました。 

 

       ◇ 

 

“備蓄米戦略”を推し進める小泉大臣は28日午後。 

 

小泉農水相 

「随意契約でつくっているルートは、今までのが一般道だとすると、これは高速道路をつくってるわけです。この高速道路でどんどん流していきたい。しかも高速道路なのに安いわけですから。こういった形でご協力をいただくのが一番わかりやすいのではないかと」 

 

随意契約による備蓄米を優先的に行き渡らせたい意向を示しました。 

 

この直前には―― 

 

小泉農水相 

「今日は大変お忙しいところありがとうございます」 

 

中野国交相 

「連日お疲れ様です」 

 

小泉農水相 

「とんでもない」 

 

中野国土交通相と意見交換。備蓄米を早く行き渡らせるよう協力を呼びかけました。 

 

日テレNEWS NNN 

 

小泉農水相 

「私としてはすごく勇気づけられた、そんな思いでいっぱいです」 

 

その後、コメの卸売業者などで組織される団体とも面会。 

 

小泉農水相 

「今までの通常ルートから、随意契約という形で、まず小売りに。こういったことをやったことで、卸のみなさんからしても、ものすごくやりやすいと。私はおのずとマーケットの変化がみられるのではないかなと、そういうふうに期待している」 

 

小泉大臣が目指す“コメの価格破壊”に一歩前進か…。 

 

随意契約を申請した企業では準備が着々と―― 

 

5000トンの備蓄米を申請したホームセンター「カインズ」。精米は取引先と連携をして進め、できるだけ早い時期での販売を目指しています。 

 

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お客さん 

「(備蓄米を)試しに買いたい。その値段でどういう味なのか、1袋買ってみたい」 

 

また、備蓄米を「玄米」のまま販売することも検討中だということです。 

 

カインズ広報部・鈴木ゆう子さん 

「ご自身でお持ちの精米機をお使いいただいたり、敷地内に精米機を備えているお店もある。活用していただくのも想定」 

 

備蓄米の随意契約は申し込み殺到のためスタートから1日余りで一時休止。およそ70社から申請があり、2022年産のコメが上限の20万トンに到達する見込みだといいます。 

 

ただ、ここで終わりではなく―― 

 

小泉農水相 

「あさって金曜日から随意契約の受け付け開始になります」 

 

小泉大臣は新たな随意契約を30日から開始すると発表。対象は町のコメ店や中小のスーパーに拡大されます。販売されるのは2021年産のコメ10万トンで、店頭価格は5キロ1800円程度になるということです。 

 

 

日テレNEWS NNN 

 

小泉農水相 

「コメ農家さんのことを思うからこそ、この価格高騰をなんとか抑えていくことで消費者のみなさんのコメ離れを防ぎたい」 

 

新たな随意契約、町のコメ店はどうみているのか。 

 

山菊米穀店・雨間瑞秀店主 

「小泉進次郎さん的には、スピード感をもって対処したい気持ちはすごくわかるんですけど、コメ屋としては…対症療法でしかないかなと。現物を見てみない限りは、なんとも言えない状況です」 

 

年間100トンほどを扱う都内のコメ店。新たな随意契約には手をあげないといいます。 

 

理由は“2021年産のコメ”であること。 

 

山菊米穀店・雨間瑞秀店主 

「厳重に保管されていたようなので、品質的に大きな劣化はないかもしれないですが、確実に考えられるのは“古米臭”といって、古いコメ特有の臭いがあるが、これを取り除くのが大変。見た目でも違う場合も結構ある。表面がかさかさになっていたり」 

 

日テレNEWS NNN 

 

新たに放出される備蓄米は「見た目」や「香り」に違いが出る可能性があるということです。 

 

また、小泉大臣の“スピード感”には危機感も抱いています。 

 

山菊米穀店・雨間瑞秀店主 

「空っぽになった備蓄米をどう補てんしていくのか。この最中に災害があったときに、どうそれを補うのか。また問題がどんどん出てくると思うので。難しいバランスを取って政策を考えていかないと。その都度その都度で対処対処でやっていくと、必ずあとでしっぺ返しが来ます」 

 

“スピーディーな対応”だけで終わることは許されません。 

 

 

 
 

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