( 294935 )  2025/05/29 07:23:25  
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来年4月に道路交通法が改正され、自転車を追い抜く際のルールが厳しくなる。

バイクや車が自転車の右側を通過する際は、安全な距離や速度を守らなければならなくなる。

さらに、自転車にも罰金が導入され、自動車やバイクが違反する場合もある。

自転車には新たな「青キップ」が導入され、自転車の違反にも反則金が科される。

また、道路交通法の改正により、17歳6か月から四輪免許の仮免許が取得可能になる。

これは、早生まれの高校生に配慮した措置で、教習所に通う時期を遅れさせず、就職活動にも有利になることを狙っている。

(要約)

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道路交通法が来年4月に改正される 

 

道路交通法が来年4月に改正され、バイク&クルマで自転車を追い抜く時に、幅寄せなどを行うと違反になる予定。今まで以上に気を付けて走る必要がありそうだ。また、自転車に青キップが導入されるほか、17歳6か月から四輪免許の仮免許が取得可能になるなど、様々な改正が予定されている。 

 

文/Webikeプラス 沼尾宏明 

 

2026年4月1日に道路交通法が大幅に改正され、新たな違反が導入されることになる予定。このたび具体的な反則金や違反点数などが示され、5月25日まで警察庁が一般からパブリックコメント(意見募集)を実施している。 

 

主に自転車に関するルールで変更があり、これに関連してバイクにも新しい罰則が設けられる。それが、自転車の保護を目的とする「歩行者等側方通過義務違反」。バイクやクルマで、自転車(電動キックボードなど特定小型原付を含む)・歩行者等の右側方を通過する際、安全な間隔や速度で通過しなかった場合に違反となる。 

 

また、狭い道路や障害物がある場合で、自動車と自転車の間に十分な間隔がない時は、安全な速度で進まなければならない。 

 

違反点数は2点で、反則金は次のとおり。 

二輪車=6000円 

原付=5000円 

普通車(四輪)=7000円 

大型車(四輪)=9000円 

 

具体的な間隔の距離が示されておらず、違反に問われるかは現場での判断によるだろう。特に違反として考えられるのが、自転車が車道の路側帯を走っている際、バイクやクルマで不意に近寄って追い越したり、幅寄せしたりするケース。今までも自転車の横を注意して通過するライダーは多いだろうが、従来以上に気を付けて走りたい。 

 

バイクやクルマだけ違反が新設される……わけではなく、同様に追い越される自転車側にも罰則が設けられる。自転車が自動車に追い越される際、できる限り道路の左側端に寄って通行しなければならない。これに違反すると今後は「被側方通過車義務違反」として反則金5000円が科される。 

 

また、道路左側の路面に駐車車両や障害物があったり、路面が荒れている場合、自転車はなるべく左側を走行する必要がある。こうした状態の自転車に対し、不用意にバイクやクルマで近づきすぎると、もちろん自動車側が違反になる。 

 

自転車は軽車両に分類され、車道を走るのが原則。中にはフラフラしていたり、中央線側に寄って走る自転車も存在し、バイクやクルマで抜きにくい場合もある。これは、路側帯が狭かったり、自転車レーンの整備が今一つ進んでいないことも要因。こうした課題も何とかしてほしいものだ。 

 

 

さらに2026年4月以降、自転車にも「青キップ」が導入される予定だ。現行で自転車には罰則のない警告が行われ、酒気帯び運転などの重い違反には罰金制度に基づく「赤キップ」が交付されている。これに加え、2024年の道交法改正で、自転車にもクルマと同様、反則金制度に基づく「青キップ」が導入されることが決定したが、このたび自転車反則金の額などが明らかになった。 

 

自転車の道路交通法違反に対する青キップの施行は、2026年4月1日を予定しており、反則金は現行の原付バイクに科せられる反則金と同額に。また、年齢は原付と同じ16歳以上が対象となる予定だ。 

 

自転車に特化した主な反則金は次のとおり(違反点数はなし)。 

自転車道通行義務違反=3000円 

並進禁止違反=3000円 

軽車両乗車積載制限違反(二人乗り等)=3000円 

自転車制動装置不良(ブレーキのないピスト自転車等)=5000円 

 

ながらスマホなどの「携帯電話使用等(保持)」=1万2000円、「指定場所一時不停止等」=5000円などの反則金は原付と同じだ。 

 

これら自転車に関する道交法改正は自転車の事故や危険運転を抑えるのが狙い。自転車の事故は2020年以降、7万件前後で推移しており、全ての交通事故件数における割合は23.2%を占める。また、自転車の危険運転が多いのも実状だ。交通ルールを知らない自転車運転者も多いだけに、今後は教育活動にも一層の力を入れてほしいものだ。 

 

また今回の改正で、普通自動車と準中型自動車の仮免許取得年齢が18歳から17歳6か月に引き下げられる。ただし本免許の取得年齢は、これまで通りと同じ18歳だ。 

 

たった半年だけ仮免許が取れることにどんな意味があるか……と言うと、「早生まれの高校3年生」に配慮することが目的。1~3月に生まれた早生まれの高校生が卒業までに免許を取得できるようにするのが狙いだ。 

 

これまで早生まれの高校3年生は、18歳の誕生日を迎えるまで仮免許が取得できなかったため、教習所に通い始める時期が遅れ、免許を取得する時期が進学や就職直前にズレ込む場合が多かった。これが原因で、他の同級生より免許取得が遅れ、就職などで不利になる可能性があったのだ。 

 

2026年度に18歳を迎える早生まれは約26万人もいるが、今回の改正で不公平がなくなり、人手不足に悩む企業にもメリットがある。 

 

沼尾宏明 

 

 

 
 

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