( 295478 ) 2025/05/31 06:35:45 0 00 玉川徹、農水省で「古古古米」試食&小泉大臣に直撃 老人ホームは苦渋のメニュー変更
中小のスーパーや町のコメ店を対象にした2021年産米の備蓄米、古古古米の随意契約の受け付けが30日から始まる。農水省で29日に試食会が行われ、小泉進次郎農水大臣(44)が試食をした。
29日、マスコミ各社を招いて令和3年〜6年産の備蓄米の試食会を行った小泉農水大臣。どれが何年産のコメか、分からない状態で試食を行ったが…。
「(Q.令和3年産(古古古米)だと思うのは?)他よりも少し硬さを感じたのは、この赤。正解を見ますね。合ってた」 「これは率直に、僕はどれを食べてもおいしくいただけます。これは中立性に欠けるので、どうか記者の皆さん食べてみて、ご判断いただきたいと思います」
古古古米の試食といえば、29日の放送で「古古古米」を試食したいと言っていた番組コメンテーター・玉川徹氏も、この試食会に参加。
玉川氏 「これが農水省が今回用意した令和6年産、5年産、4年産、3年産のそれぞれのおコメです」
令和6(2024)年産 「去年できた一番新しいおコメですね」 「うん、まあおいしいおコメ」
「古米」令和5(2023)年産 「(違いが)分からないです。においも違うとよく言われるんですけど、比べてみますねにおいを。分からないな」
「古古米」令和4(2022)年産 「分かんねえな。なんかこっち(古古米)のほうが若干さわやかな感じすらしますよ。僕は」
そしていよいよ「古古古米」の試食。
「古古古米」令和3(2021)年産 「比べてみれば若干においが違うかなと。それから味。若干うまみが少ないように感じますけど、僕にはそんなに違いが分からないです。正直いうと」 「だから本当におコメに敏感で、味に敏感な人だったら違いがきっと分かるんですけど、一般の食卓で日々食べるおコメとしての違いは、僕にはそれほど感じられませんでしたね」
「古古古米」試食の後、小泉大臣を取材。
玉川氏 「僕食べました。控室で。大臣はこれ(備蓄幕)食べ比べされました?」
小泉農水大臣 「しました。さっきここでしたんですけど、いかがでした?」
玉川氏 「まず私から言いましょうか?違いを感じることができなかったんですよ」
小泉農水大臣 「正直、僕もいただいて分かんなかったです。ただこれは人によると思うんです。違う感想を持った方もいました。うちの農水省の職員に炊き上がりの、炊飯器を開けた時の香りを聞いてみたんですが、やはりその香りはちょっとツーンとするとか、そういう感想を言う職員がいたのも事実です」
小泉農水大臣が意欲を見せている「農政改革」について、玉川氏はこのように問いかけた。
玉川氏 「今、総理大臣と農水大臣が(農政を)転換しようという局面に来ている。しかし、これ本当にできるんだろうかという若干疑う部分があるのは、自民党は今までそうじゃなかった。自民党の農政(農林族)は。いわゆる、言い方良いかどうか分からないが、抵抗勢力かもしれない。その抵抗勢力を前にして実際にできるのかってことなんですけど、どうですか?」
小泉農水大臣 「これはですね、よく二項対立を演出したい人もいっぱいいるでしょう。そこは思いは分かるんです。ただ、今この方向性で後押しをしてくれてるのも森山幹事長だったり、党の農林族という方だったり、今見ている方向は同じだと思います。この前向きな方向に転換を成し遂げることができるように、まずコメの高騰を抑えたい」
29日午後4時ごろ、横浜市の精米店では店主がパソコンの画面に注目していた。
農家産直米すえひろ 荒金一仁代表 「楽しみですね。どういうふうになるんだろう」 「(店に)コメがなくなっているので、少しでもお客様に安くて良いものを販売したい」
30日から受付を開始する中小のスーパーや町のコメ店へ向けた8万トンの備蓄米「古古古米」の売り渡しについて、農水省が開いたオンライン説明会。
売り渡しの対象は精米能力があるコメ店、もしくはコメの取り扱い実績が年間1000トン以上、1万トン未満の中小のスーパー。
農水省 担当 「精米能力を有する米穀小売店には原則、紙袋でお売りしたい。(トラックでの)最低引き渡し量の10トン、12トンですが、それが引き受けられるように共同購入を検討いただければ」
荒金代表 「10トンなんですね…」
引き渡し量は配送するトラックのサイズに合わせ10トン、12トンの倍数というルール。指定の場所まで農水省が負担して届けるということだが…。
「想定されているのは1トンと考えていた。私の仲間も1トンと考えていた。10倍となると置き場の問題もある。食味の関係もある。そう考えると町のおコメ屋さんではなかなか厳しい」 「(Q.共同購入は?)(精米店の)仲間がたくさんいるが、手をあげないところがほとんど。数少ない手をあげているところに分けても、この数字だとなかなか参入できない」
さらに都内のコメ店では、不慣れなオンラインの説明会に苦戦する姿も見られた。
植野屋 川島信行社長 「どうやるの、これ」
結局、情報はテレビや新聞から得ることに。
「コメ屋はコメしかないから、売れなかったら生活できないから、何が何でも仕入れる。今やっぱり異常だよ、高すぎるよ」
最低引き渡し量が10トンと分かると、このように話した。
「5000キロ、6000キロだったら、なんとかつぶせる(買える)かな。6000キロは100俵。それ以上になるときついかな」
そして、29日は大手小売業者による令和4(2022)年産の「古古米」をメインとした備蓄米のオンライン販売もスタート。正午ごろに楽天の通販サイトで備蓄米の販売が始まったが、10分も経たないうちにすでに売り切れになった。
さらにLINEヤフーは、送料無料で税込み5キロ1998円で備蓄米の販売を開始。こちらもあっという間に売り切れてしまった。
こうなると、懸念されるのが「転売」。小泉農水大臣は?
「今、事業者さんの中では、点数制限、数量制限や、また転売規制、こういったことも。ネットオークションに出すのは禁止こういった取り組みをすでに動いていただいている方々もいる」
LINEヤフーは「Yahoo!オークション」「Yahoo!フリマ」での政府備蓄米の出品を禁止。メルカリも、随意契約による政府備蓄米の出品禁止を発表。AIを使って監視を行っていくという。
備蓄米の放出が進むなか、28日の国会では小泉農水大臣にこんな質問があった。
立憲民主党 野田佳彦代表 「備蓄米というのは国有財産ではありますけれども、子ども食堂などへは無償提供が行われているんですね。その無償提供というのを拡大することができないかどうか」
小泉農水大臣 「思いとしては受け止めさせていただきたいと思います」
野党が子ども食堂や、介護施設などへ優先して備蓄米を届けるように要請。
東京・小平市にある特別養護老人ホームでは、コメ高騰のため、入所者に出している食事メニューの変更を余儀なくされたという。
これまで茶碗1杯のコメを24円で原価計算していたが、現在は1杯51円と倍以上に上がっている。
社会福祉法人 緑山会 セントラルキッチン事業部長 稗田悟さん 「1カ月で1500キロぐらいコメを購入。このまま手を打たず、何もせずという状況であれば、本当に数年以内に給食が回らなくなる」
節電など経費節減も行っているが、それだけではコメ高騰の不足分は埋められず、取った対策は麺である。
「週に1回、麺料理を提供することでコメの消費を少しでも抑えているような状況。『食べることだけが楽しみ』と言われる入所者の声をたくさん聞く。食事に関して、毎日楽しみにしているのは間違いない」 「(Q.心苦しい?)多少ありますよ」
この日の昼食は「三色丼」だった。入所者はこのように話す。
入所者(70代) 「おコメ好きだよ」 「(Q.どこがおいしかった?)このコメ、軟らかみある。おいしいと思うよ」
麺より、軟らかくて食べやすいコメが良いと話す入所者。味だけでなく、麺に変えることでスタッフの負担も増えるという。
介護施設スタッフ 「(麺の分量が)多いと、口の中で広がってしまい、誤嚥(ごえん)のリスクが高い。飲み込みの嚥下(えんげ)の部分、むせやすかったりするので、そういったところを見ながら介助しています」
他にも食べやすく麺を刻むなど、ご飯よりも対応することが多いという。
普段コメを仕入れている卸業者は今回始まった随意契約の対象外で、この施設では備蓄米放出前のブレンド米が使用されている。
稗田さん 「正直ちょっと残念な思いでいっぱい。この備蓄米の放出で少しは安く買えるかなと、正直ちょっと思っていたところがありましたので」
東京・板橋区にある「子ども食堂」、ここでは今まで、子どもたちに無料で食事を提供していたが…。
まいにちおいで子ども食堂 木崎美和子副理事長 「子どもは無料だったんですけど、今大人300円、子ども100円にしています」
コメを含む食費の高騰で、無料で提供していた食事を4月から100円に変更した。
「本当に(値上げを)やりたくなかったですね。やりたくなかった。苦渋の決断です」
コメは個人などからの寄付でやりくりしてきたが、コメ価格高騰の影響で在庫が減少している。
「やっぱりこのごろシビアに(ご飯の量を)量ります。おコメが足りなくなるといけないし、できる限り平等にという感じでね。今までいい加減だったんですけど」
一日に使用するコメの量はおよそ5キロ、1カ月で100キロにもなる。
「もし寄付なしに(コメを)買ったら、今のおコメの価格でいえば1年で100万円になる。うちの財政規模が(1年)300万円くらいですから、とてもじゃないけど負担できない」
企業などから寄付してもらった食料品を、子ども食堂や生活困窮世帯へ配るフードバンクでは、このような声が聞かれた。
全国フードバンク推進協議会 米山廣明代表理事 「団体によっては支援世帯に提供するおコメの量を、いつもなら5キロぐらいお送りしていたものを2キロに減らしたり、あるいは支援回数を月1回から2カ月に1回に変更したり、新たな支援要請を断らなくてはならない団体もいらっしゃいます」
農林水産省では今年2月、コメの高騰を受け、初めてフードバンクへ備蓄米の無償交付を開始。しかし…。
「800トン以上の備蓄米をフードバンクに提供していただいたんですけれども、国内のフードバンク全体で1年間に必要なおコメの量がおよそ3000トン程度となりますので、約4分の1に相当する量を提供していただいている。私たちフードバンク団体自身でもおコメの寄付は集めているんですけれども、それらを合わせても全体として必要な量には十分達していない」
(「羽鳥慎一 モーニングショー」2025年5月30日放送分より)
テレビ朝日
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