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2025年は昭和100年にあたり、日本の自動車業界において昭和、平成、そして令和の時代に登場した多くのクルマの中から、各メーカーを代表する1台を選ぶという試みが行われた。

片岡英明氏はトヨタの初代セルシオ、日産のR32型スカイライン、ホンダのN360、スズキの初代ワゴンRをそれぞれ選出し、これらの車両が各メーカーの歴史や技術面での重要性を象徴していると評価している。

(要約)

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 昭和元年から数えると、2025年は昭和100年にあたる年。そこで、昭和、平成、そして令和と、3つの時代に登場した多くのクルマの中から、「各メーカーを代表する一台」を選ぶという難しい試みを、片岡英明氏にお願いしてみた!! 

 

※本稿は2025年4月のものです 

文:片岡英明/写真:トヨタ、日産、ホンダ、スズキ ほか 

初出:『ベストカー』2025年5月26日号 

 

 今につながる日本の乗用車は、1955年に発売された観音開きのクラウンとダットサンに始まる。その後、多くのメーカーから魅力的なクルマが登場した。だから1メーカー1台に絞り込むのは難しい。だが、独断と偏見で衝撃を受けたクルマを選んでみた。 

 

 トヨタは3代目クラウンと悩んだが、初代セルシオを選んだ。欧米の老舗高級車メーカーを驚かせ、その後の高級車作りに大きな影響を与えたからである。 

 

 ウルトラスムーズなV型8気筒ハイメカツインカムとエアコンの作動音が気になるほど静かなキャビンに驚愕した。走りの実力に加え、空力性能もハイレベルだ。 

 

 レクサス LS400の名で海外市場にも打って出て、アメリカを中心に高品質というブランドイメージを植え付けたのもセルシオの功績である。木目パネルの模様合わせやブレーキの音にまでこだわった。 

 

 日産にも名車が多いが、セルシオと同じ1989年に鮮烈なデビューを飾ったR32型スカイラインが最高傑作と言えるだろう。 

 

 2Lエンジンを積む基準車から、ライバルを圧倒する走りのポテンシャルを見せ、運転するのが楽しいGT-Rを含め、開発陣の顔が見えるクルマでもある。また、ルックスもキュートだ。今でも惚れ惚れするほど美しい。 

 

 ホンダはSシリーズにも惹かれたが、商品としては成功しなかった。ホンダの知名度を一気に高め、4輪メーカーと認めさせたのは破天荒な軽自動車のN360だ。 

 

 FF車でキャビンは広く、高性能、そして価格もベラボーに安かった。大ヒットを飛ばし、軽自動車の流れを変えている。 

 

 スズキはクラウンと同じ時期に登場したスズライトと迷った末に、軽自動車のパッケージングの革命児、初代ワゴンRを選んだ。 

 

 軽ハイトワゴンブームの火付け役となったし、変則的な4ドアもユニークだった。シンプルだが、飽きのこないデザインも評価できる。 

 

 

 
 

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