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1993年に登場した初代トヨタ・エスティマは、"天才タマゴ"として称賛されるユニークなミニバンだった。

これまでの国産車とは異なる未来的なデザインと革新的なアイデアが詰まっていた。

その最大の秘密は、エンジンを異例の位置に搭載したミッドシップの設計であった。

これにより、エスティマは1つのボックスのワゴンでありながら、レジャー用途を中心に使う楽しさと走る楽しさを両立させることを可能にした。

この斬新な設計はハイエースワゴンの後継車として開発され、エンジン搭載位置をめぐる検討が始まった結果であった。

(要約)

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新時代を切り開くマルチサルーン。だれもがワクワクする天才タマゴ 

 

シリーズ:平成ミニバン白書 

天才タマゴ【1】 

1993年式 トヨタ エスティマ 4WD ツインムーンルーフ 

 

 「天才タマゴ」のキャッチコピーが記憶に新しい初代エスティマ。ここ30年、40年の国産車でこれほど独創的なクルマは他にはない。そう断言できるほど、近未来的なフォルムのなかには創意工夫が詰まっている。では、他のクルマではできなくて、なぜエスティマが「あの」タマゴ型を実現できたのか。そして、その狙いはどこにあったのか。 

 

 最大の秘密はエンジンとその搭載位置。エスティマは「床下」にエンジンを搭載するミッドシップで、後輪を駆動するという特殊なレイアウトを採用したのだ。この構想はなんと、デビューから8年も前の1982年頃には決まっていたという。もともとはハイエースワゴンの後継車として、次世代1ボックスワゴンの開発計画が立てられ、その検討がスタートしていたのだった。しかし、そもそもなぜ、こんな位置にエンジンを搭載する必要があったのか……。 

 

 従来の1ボックスワゴンは多人数が乗車できるなどレジャー用途を中心に「使う楽しさ」が主役。キャブオーバーの1ボックスは高いユーティリティー性が魅力だが、半面、運転感覚はいわゆる貨物車的。そこでトヨタは、1ボックスワゴンの「使う楽しさ」とスポーティーカーのような「走る楽しさ」を妥協せずに両立することを目指した。だからこそのミッドシップだったのだ。 

 

 

ハチマルヒーロー 2019年5月号 vol.53 

(記事中の内容は掲載当時のもの主とし、一部加筆したものです) 

 

Nostalgic Hero 編集部 

 

 

 
 

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