( 297753 ) 2025/06/09 06:11:21 0 00 新時代を切り開くマルチサルーン。だれもがワクワクする天才タマゴ
シリーズ:平成ミニバン白書 天才タマゴ【1】 1993年式 トヨタ エスティマ 4WD ツインムーンルーフ
「天才タマゴ」のキャッチコピーが記憶に新しい初代エスティマ。ここ30年、40年の国産車でこれほど独創的なクルマは他にはない。そう断言できるほど、近未来的なフォルムのなかには創意工夫が詰まっている。では、他のクルマではできなくて、なぜエスティマが「あの」タマゴ型を実現できたのか。そして、その狙いはどこにあったのか。
最大の秘密はエンジンとその搭載位置。エスティマは「床下」にエンジンを搭載するミッドシップで、後輪を駆動するという特殊なレイアウトを採用したのだ。この構想はなんと、デビューから8年も前の1982年頃には決まっていたという。もともとはハイエースワゴンの後継車として、次世代1ボックスワゴンの開発計画が立てられ、その検討がスタートしていたのだった。しかし、そもそもなぜ、こんな位置にエンジンを搭載する必要があったのか……。
従来の1ボックスワゴンは多人数が乗車できるなどレジャー用途を中心に「使う楽しさ」が主役。キャブオーバーの1ボックスは高いユーティリティー性が魅力だが、半面、運転感覚はいわゆる貨物車的。そこでトヨタは、1ボックスワゴンの「使う楽しさ」とスポーティーカーのような「走る楽しさ」を妥協せずに両立することを目指した。だからこそのミッドシップだったのだ。
ハチマルヒーロー 2019年5月号 vol.53 (記事中の内容は掲載当時のもの主とし、一部加筆したものです)
Nostalgic Hero 編集部
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