( 298191 ) 2025/06/11 04:26:42 1 00 「独身偽装」とは、既婚者が独身だと偽って未婚者と交際する行為であり、マッチングアプリやSNSの普及によりこのようなトラブルが増えている。
別の被害者であるマイコさんは、密な交際を経て相手が既婚者だったことが判明し、係争中である。 |
( 298193 ) 2025/06/11 04:26:42 0 00 独身偽装
既婚者が独身と偽り未婚者と交際する行為「独身偽装」。実は今、マッチングアプリやSNSの普及により、素性をよく知らない相手と出会い、交際する人が増加。独身偽装によるトラブルも相次いでいるという。
また、独身と偽ったとしても刑事罰はなく、示談金の相場は低額。訴えると相手のパートナーから慰謝料を請求される場合もあり、泣き寝入りしてしまうことも…。『ABEMA Prime』では、独身偽装された被害者に話を聞いた。
あーちゃんさん
今年4月に生まれたばかりの女の子。母親のあーちゃんさん(30)は、ある理由から、一人で子育てをしている。「付き合っていた人との間にできた子だが、既婚者ってことが分かって独身偽装されていた」。
あーちゃんさんが男性と出会ったのは去年のこと。飲食店で話しかけられ意気投合、交際が始まったという。「私は今年中に結婚したかったし、子供が欲しかったから、『そういうつもりがないなら付き合えない』って言ったら、『いや、俺も結婚したいとは思ってる』って感じだったので付き合った」。
その後、あーちゃんさんは妊娠、婚約をし、フォトウェディングまで撮影したが、「彼の知人が働いているバーに遊びに行ったとき、その方から『あいつは既婚者だよ』って聞いた。土日も遊んだり泊まりに来たり、お盆休みにデートしたりもしたから、まさか既婚者だとは思わなかった」と話す。
そのときは「頭が真っ白になった」といい、「そこから友だちが全部聞き出してくれて、子供がいることや、奥さんとの関係など、全部その知人が言っていたが、私は涙をこらえるのに必死でうつむいて、もうあまり覚えてない」と振り返る。
悩んだ末に出産したが、現在、相手男性は音信不通。相手の家に乗り込もうと思わないのか。あーちゃんさんは「めっちゃあったが、やっぱり相手にもお子さんがいるので、子どもに悲しい思いをさせられない」と答える。
また、「最初は『養育費払うから産みたかったら産んでもいい』って言われたが、ずっと無視が続いてて、結局裁判するしかないと思ってる」といい、自身の家族は「裁判して、痛い目に合わせよう」と協力的だそうだ。
一方で、「証拠がたくさんあるから勝てるとは思うが、裁判になると相場まで下がるので、勝てたとしてもそこまで金額が取れない」と難色を示した。
マイコさん
『独身偽装被害者の会』立ち上げメンバーのマイコさんも被害者のひとり。被害に遭った当時について、「独身者限定のマッチングアプリで、1ヶ月ほどメッセージでやり取りしてから、飲食店で初対面し、交際をした。プロフィールには『離婚者、彼女持ちお断り』と明示し、かなり慎重に確認していた」と振り返る。
それから、「4カ月ほどかなり密な交際をしていたが、いつも通りデートした翌日に、全ての連絡手段がブロックされた」といい、調査会社に依頼すると妻子持ちと発覚。現在は係争中だという。
相手の家については、「行ったことがなかった。少し遠距離気味で、お互いの中間地点で会うことが多く、東京に家を買うつもりだから一緒に住もうって言われていた。それまでは1人暮らしのワンルームマンションだから呼びづらいと言われ、信じてしまっていた」と後悔している。
慰謝料の金額
独身偽装の慰謝料について、天神ベリタス法律事務所の田中克幸弁護士によると、「民事裁判で慰謝料請求しても金額は数十万円」「裁判で100万円を超える可能性があるのは数年単位の長期交際や妊娠出産がある場合」と一般的には低額だという。
そうした現状を変えるべく、マイコさんらが立ち上げた『独身偽装被害者の会』について、「オンライン署名だと、すでに5000筆ほど集まっている。実は各地の議員の方ともお話を進めさせているのもあり、国として、行政としてどう対応していくのか。やはり結婚や養育の低下、少子化につながる問題だと強く思っている」と語る。
これまでは「友人や知人に話しても、『あるあるだよね』『早く忘れて次行きなよ』って言われた。私自身は『なんで気づかなかったんだ』『なんでこんな人を好きになってしまったのか』と自分をすごく責めた。正直、自殺を考えるまでみんな悩んでいる」。
今後の活動については、「社会全般が独身偽装を加害行為と広く知ってもらうことで、それが抑止に繋がってほしい。民事訴訟においては、高額判決が出ることを今目指してやっている。また、できることであれば刑事罰化をすれば、高額示談の材料、交渉材料にもなると思う」と主張した。
(『ABEMA Prime』より)
ABEMA TIMES編集部
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