( 298576 )  2025/06/12 06:22:26  
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小泉農水大臣がコメ市場に大量のコメを放出して価格を下げる方針を取っているが、農家や業者からは問題点が指摘されている。

農家らはコメの輸入反対を訴え、備蓄米の放出も制限的であることが分かった。

流通業者も販売に慎重で、精米能力の限界が指摘されている。

大手スーパーや小売業者からは物流の遅れも出ている。

小泉大臣の戦略がうまくいくかは不透明だ。

(要約)

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TBS NEWS DIG Powered by JNN 

 

コメを市場に「じゃぶじゃぶ」に流すと話し、さらなる備蓄米放出に踏み切った小泉農水大臣。ただ、現場にはひずみも出ているようです。 

 

「コメを守れ!コメを守れ!」 

 

きょう、農水省前に集まったのは、全国のコメ農家ら。 

 

埼玉食健連 柳重雄 会長 

「ちゃんとコメを作っても生活ができないという状況を作っておいて、輸入しますよというのは、本末転倒の話ではないか」 

 

コメの輸入反対を訴えました。また… 

 

農家 

「5年前のコメ、農家は絶対食べないよ。“古古古古”やろ」 

 

もう一つ問題視したのが、備蓄米の放出の仕方です。きのう、小泉大臣は… 

 

小泉進次郎 農水大臣 

「新たに令和3年産10万トン、令和2年産10万トンの計20万トンを売り渡すことといたします」 

 

▼江藤前大臣の時に31万トン、▼小泉大臣になってから30万トンの放出が決まった備蓄米。これに加えて、21年産の“古古古米”と20年産の“古古古古米”、あわせて20万トンの追加放出を発表しました。 

 

小泉進次郎 農水大臣(きのう) 

「私達としては、これはじゃぶじゃぶにしてかなきゃいけないんだと、そうじゃなかったら価格は下がらないと」 

 

市場を「じゃぶじゃぶ」にして、コメの価格を下げる狙いです。大臣の思い通りにいくのか。まず始まったのが、21年産の古古古米の販売。 

 

小泉進次郎 農水大臣 

「14時時点で合計71社、約4万トンということで、ニーズが非常にあるなという印象」 

 

流通大手のイオンがグループ内のディスカウント業態での販売を想定し、5000トンを申請。セブン-イレブンも50トン申し込みました。 

 

ただ、前回、先を争って販売を始めた各社は、今回、購入に慎重です。 

 

備蓄米のネット通販を行っている楽天は契約を見送りに。イトーヨーカ堂やドン・キホーテの運営会社、アイリスオーヤマもきょうの申請は見送りました。なぜなのか… 

 

アイリスオーヤマ 田中伸生 執行役員 

「今後、当社の精米能力が改善して、余力が出てくるようであれば、さらに追加っていうところは検討する可能性がある。現段階ではまだ未定」 

 

グループ内で精米工場をもつアイリスですが、8月までに売り切るのは難しいとみているようです。 

 

また、大手スーパーのために備蓄米を精米する卸業者も… 

 

ナカムラ米販 中村貞昭 社長 

「通常の仕事と一緒に備蓄米の委託精米の方でいっぱい、いっぱい」 

 

精米能力の限界を訴えます。 

 

課題はほかにもありそうです。 

 

記者 

「大々的に備蓄米を販売していたドン・キホーテですが、きょうはもう備蓄米の特設コーナーがなくなっています」 

 

備蓄米1万5000トンを購入したドン・キホーテの運営会社。実はまだ、そのうち300トンしか販売できていないといいます。 

 

ドン・キホーテの運営会社 

「備蓄米の入荷を待っている状況だ」 

 

別の大手小売りからも物流の遅れを指摘する声も出ています。 

 

小泉進次郎 農水大臣 

「目詰まりなく、切れ目なく提供していく、しっかりと価格高騰を抑えにいくには『今ここで流す』と判断をするのが一番良い」 

 

小泉大臣のじゃぶじゃぶ作戦は狙い通りになるのでしょうか。 

 

TBSテレビ 

 

 

 
 

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