( 298901 )  2025/06/13 07:07:04  
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コンビニのおにぎりが高騰しており、「200円時代」に入った。

材料の値上がりが原因で、セブンイレブンや他社が価格を引き上げている。

しかし、需要は衰えず、おにぎりはちょっとした贅沢品として選ばれている。

おにぎり市場は多様なニーズに応えるために進化し続けており、健康志向や差別化が図られている。

(要約)

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手軽におなかを満たせるおにぎりに今、異変が起きている(写真はイメージ)=ゲッティ 

 

 コンビニエンスストアの棚に並ぶおにぎり。気付くと「200円時代」に突入していた。かつては小腹をサッと満たすことができるお手ごろな食品だったが、コメ高騰の今、コンビニおにぎりはちょっとした「ぜいたく品」に変わりつつある。 

 

 ◇ノリもコメもアゲアゲ 

 

 「日本は30年近く物価も賃金も上がらない国でしたが、ようやく普通の価格に慣れる時代に入ったのだと思います」 

 

 消費経済アナリストの渡辺広明さんはそう語る。 

 

 セブンイレブンを運営するセブン&アイ・ホールディングス(HD)は4月、定番の「炭火焼熟成紅しゃけ」を199円から213円に値上げした(いずれも税込み)。ノリ価格の高騰が原因だという。1月にもコメ価格を原因におにぎりや弁当の価格を変更しており、相次ぐ値上げとなった。 

 

 コンビニ大手の他社では、ファミリーマートやローソンも2〜3月に50品目以上の価格を引き上げており、業界全体が高騰への対応を迫られている。 

 

 だが、渡辺さんによると、値段が上がってもおにぎりの売れ行きが鈍っているわけではないという。 

 

 「海外旅行に行けず、車も買えない。そんな中で、コンビニのおにぎりやスイーツがちょっとしたぜいたくとして選ばれている」と渡辺さんは分析する。確かに、イクラや炭火焼きのサケを使ったおにぎりは「高すぎる」とも言い切れない。 

 

 そんなこともあって近年では、具材がはみ出すように見せるおにぎりも人気だ。 

 

 ファミマは具材の一部をあえて見せる「チラ見せ戦略」を導入。150円超でも納得の値段として受け入れられているという。 

 

 おにぎりは、もはや単なる軽食ではなくなっている。 

 

 スマートフォンが普及し「ながらスマホ」で食事を済ませる人が増えた。「はしを使って食べる弁当ではなく、片手で食べられるおにぎりの需要はかつてより広がっている」と渡辺さんは分析する。 

 

 だが今、価格の上昇は避けられない。渡辺さんは言う。 

 

 「これからもコンビニのおにぎりは進化を続けていくでしょう。品質と価格のバランスをどう取るか。多様なニーズにどう応えるか。健康志向の商品や、家庭では再現できない調理、具材での差別化が図られるのではないでしょうか。各社の試行錯誤と工夫はきっと終わらないでしょう」【隈元悠太】 

 

 

 
 

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