( 299001 )  2025/06/14 04:13:34  
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自民党の佐藤正久氏は、参院外交防衛委員会で岩屋毅外相に対し、海外に設置されている慰安婦像や慰安婦碑の撤去に関する問題を追及した。

また、岩屋氏が反日的な内容を展示しているとされるカナダの博物館に抗議していないことについて批判し、「責任放棄に見える」と述べた。

更に、中国のプロパガンダを防ぐために米国務長官が行動する中、日本の外相が何も実行しないことについて疑問を投げかけた。

一方、岩屋氏は「適宜適切に対応していく」と述べるにとどめた。

(要約)

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参院外交防衛委員会で議論する自民党の佐藤正久氏(左)と岩屋毅外相=12日午後(参院インターネット審議中継より) 

 

外務省は12日の参院外交防衛委員会で、海外に設置されている慰安婦像や慰安婦碑について30カ所を把握しているとしたうえで、岩屋毅外相の就任後に撤去された例は「承知していない」と答えた。自民党の佐藤正久氏の質問に答えた。佐藤氏は岩屋氏に対し「なんの成果もない」と批判し、海外への働きかけを強めるよう求めた。 

 

■佐藤氏「責任放棄にみえる」 

 

佐藤氏は、カナダで中華系団体が建設を主導して開館した博物館の展示内容が「反日的」だとされる問題を巡り、岩屋氏を追及した。佐藤氏は「反日教育のプロパガンダの拠点になっている。多くの高校生が教育の一環で反日博物館を訪れている」と指摘。これまでにカナダの外相に抗議をしていないという岩屋氏について「日本外交の敗北だ。この1年、なんの成果もなかった。これからも多分ない。日本の名誉を守れないばかりか、カナダの子供たちが反日に染まっていくのを傍観している。責任放棄にみえる」と批判した。 

 

比較材料として、佐藤氏は中国政府による海外の中国語教育機関「孔子学院」が米国務長官の働きかけによって閉鎖された事例を尋ねた。外務省は「米会計検査院の2023年の報告書によると、一時は米国内に約100校設置されていた孔子学院は5校未満に減少した」と説明。佐藤氏は「中国のプロパガンダを防ぐために米国務長官が動いて、日本の外相は日本の名誉を守るために動かない。中国関連のもので申し入れると何か不都合があるのか」と迫った。岩屋氏は「あるわけない、そんなの」と語気を強めた。 

 

■岩屋氏「適宜適切に対応する」 

 

北米の公有地や私有地などに設置されている慰安婦像と慰安婦碑についても議論が交わされた。佐藤氏は昨年11月の岩屋氏の外相就任後に撤去された数を尋ねた。岩屋氏は「欧米、中国などで合わせて少なくとも約30カ所での設置を把握している。撤去や記載内容の変更を含む適切な対応を求めているが、働きかけを継続していく」と述べた。佐藤氏が「撤去された慰安婦像と慰安婦碑がいくつあるかという質問だ」と詰めると、事務方が答弁に立ち、「最近、撤去された事例があるとは承知をしていない」と述べた。 

 

佐藤氏は「外相が先頭に立たないと、歴史戦というのは絶対に動かない。担当者や大使に任せるのは全然だめだ。外相の熱量が人を動かす」と訴え、「反日」博物館についてカナダ外相に申し入れるよう繰り返し求めた。岩屋氏は「適宜適切に対応していく」と述べるにとどめた。 

 

 

 
 

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