( 299106 )  2025/06/14 06:14:53  
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政府が「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」を決定し、賃上げを重視して成長型経済を目指す方針を打ち出した。

最低賃金の引き上げなど具体的な施策も盛り込まれ、消費者の関心が高まる米価対策や財政健全化の目標も設定された。

また、新しい資本主義実行計画や地方創生2・0の基本構想も決定され、これらを基に与党は公約作りを進める方針だ。

(要約)

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経済財政諮問会議と新しい資本主義実現会議の合同会議で発言する石破首相(手前右)(13日午後、首相官邸で)=木佐貫冬星撮影 

 

 政府は13日、今後の重要政策の方向性を示す「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」を閣議決定した。「減税政策よりも賃上げ政策」と明記し、年1%程度の実質賃金の上昇を通じて「賃上げを起点とした成長型経済」の実現を強く打ち出した。 

 

 石破内閣での骨太の方針策定は初めて。13日の経済財政諮問会議(議長・石破首相)などの合同会議で、石破氏は「経済全体のパイを拡大し、賃金、所得が継続的に増える成長型経済の実現を目指す」と表明した。 

 

 7月の参院選を控え、野党を中心に消費税率の引き下げ論が強まる中、石破政権は「賃上げ重視」を前面に掲げ、けん制した格好だ。今月6日に示した骨太の方針の原案段階では、「減税より賃上げ」とより直接的な表現を使っていたが、減税を求める与党議員からの反発に配慮して文言を弱めたとみられる。 

 

 人口が減る中で成長を維持するには、安定的な物価上昇の下で年1%程度の実質賃金の上昇を実現し、個人消費や投資の拡大を図る必要があると判断した。最低賃金も、2020年代に全国平均で1500円に引き上げる方針を明記した。 

 

倉庫に積み上げられた備蓄米(5月30日、神奈川県内で) 

 

 消費者の関心が高まる米価対策を巡っては、「政府備蓄米を始めとする米の流通の円滑化」を進める姿勢を強調し、消費者に加え、生産者や流通業者を含めた総合的な対応に取り組む。事実上の減反政策となっている生産調整を念頭に「水田政策の見直しの具体化」にも言及した。 

 

 財政健全化では、国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス=PB)を黒字化する目標時期を、従来の「25年度」から「25~26年度を通じて、可能な限り早期」と、事実上後退させた。財政健全化を経済再生と両立し、「40年頃に名目国内総生産(GDP)1000兆円程度を視野に入れたい」(石破氏)との目標も示した。 

 

 政府は13日、骨太の方針のほかに、成長戦略「新しい資本主義実行計画」の改定版、「地方創生2・0」の基本構想なども併せて閣議決定した。7月の参院選に向け、与党はこれらを基に公約作りを進める。 

 

 

 
 

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