( 299181 )  2025/06/14 07:13:54  
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戸田蒼氏によると、中高年世代にとって「ごちそう」といえばステーキだったが、最近では若者の間でステーキ離れの傾向が強まっている。

Z世代の若者たちがステーキを避ける理由には、噛む回数が多いため疲れる、肉よりも鶏肉がヘルシーだと感じる、手間や労力がかかることを億劫に感じるなどが挙げられている。

一方で、自分が本当に食べたいものや好きな人と楽しめるものが「ごちそう」であり、健康志向の高まりから、自分に合った美味しさを選ぶ若者が増えているという。

このような変化は、健全なものだと受け取れると述べられている。

(要約)

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「“ごちそう”といえばステーキ」は今は昔になりつつある  ※画像はphotoAC 

 

 日々流行の最先端やニュースを追いかけるトレンド現象ウォッチャーの戸田蒼氏。そんな戸田氏が最近気になる外食の嗜好の変化について読み解く。 

 

 中高年世代に「ごちそうとは?」と聞けば、多くの人が「ステーキ」を思い浮かべるのではないでしょうか。昭和の時代、ハレの日の外食といえば分厚いビフテキが登場し、「今日は特別な日なんだ」と気分を高めてくれる存在でもありました。 

 

 しかし、時代は令和へと移り変わり、その常識が揺らぎ始めています。今やSNSを覗けば、《ステーキよりも焼き肉や寿司を食べたい》《ステーキ食べるおカネがあったらスイーツに使いたい》といった意見が多数寄せられているのです。特にZ世代と呼ばれる10代後半から20代前半の若者たちの間では、ステーキ離れの兆候が色濃く出ているように感じられます。 

 

 Z世代がステーキを苦手とする理由としては、「いっぱい噛まないといけないから疲れる」「脂っこくて胃がもたれる」「高いわりに満足感がない」といった意見が目立ちます。 

 

 また、健康志向が高まっていることから、「ステーキは不健康で食べにくい」「肉なら鶏肉のほうがヘルシーでいい」と感じる人も多いようです。 

 

 ではなぜ、Z世代の若者たちはステーキに魅力を感じなくなったのでしょうか。 

 

「Z世代の中には、子どもの頃から柔らかい食べ物に慣れすぎていて、噛む力が弱くなっていることから“もちもちした食感”を好む傾向にあります。そのため、噛む回数が多いステーキは単純に“疲れる食べ物”として敬遠されやすい。 

 

 また、厚切り肉をナイフで切り分けながら食べるという行為そのものが、彼らにとっては“面倒くさい”“非効率”と映るのかもしれません。味の問題よりも、手間と労力の“コスパ”が気になるというわけです。他にも、“脂っこさ”や“胃もたれ”といった身体的負担も挙げられ、“健康に良くないイメージがある”と避けられるケースが増えているようです」(グルメ誌編集者) 

 

 そんなZ世代にとっての“ごちそう”とは、もはや「高級な料理」や「見た目が豪華なもの」を意味するものではありません。「自分が本当に食べたいと思うもの」「好きな人と一緒に楽しめるもの」が、何よりの“ごちそう”。たとえそれが、コンビニのチキンや、カフェで食べるサンドイッチであっても、そこに自分の気持ちが宿っていれば、それは十分に“贅沢”というわけです。 

 

 自分の価値観に正直でいたい。無理して誰かに合わせたり、見栄を張ったりせず、「今の自分にちょうどいいおいしさ」を選ぶことに意義を感じる。そう考える若者が増えている現状は、ある意味でとても健全な変化とも受け取れます。 

 

 ステーキという伝統的な「ごちそう」に代わって、Z世代がそれぞれの「ごちそう」を見つけていく時代が、すでに始まっているのかもしれません。 

 

ピンズバNEWS編集部 

 

 

 
 

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