( 299291 )  2025/06/15 04:16:24  
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参議院外交防衛委員会での国民民主党の榛葉賀津也幹事長の質疑について、中国軍との異例の接近事案に危機感を示し、日本政府内で中国の認知戦に陥っている疑いを指摘した。

また、尖閣諸島周辺での情勢についても懸念を表明し、公務員の常駐を提案しました。

岩屋毅外相は反論しましたが、榛葉氏は日本と米国の連携の重要性を強調し、戦争を回避するための抑止力の構築を訴えました。

(要約)

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参院外交防衛委員会で質疑する国民民主党の榛葉賀津也幹事長(左)と岩屋毅外相=12日午後、国会内(参院インターネット審議中継より) 

 

国民民主党の榛葉賀津也幹事長は12日の参院外交防衛委員会で、中国軍戦闘機が海上自衛隊機に異常接近するなど「特異な」(中谷元・防衛相)事案が続く現状に対し「海から空にフェーズが変わった。相当危機感を持った方がいい」と強調した。その上で「政府の中に『先に日本が動いたせいで中国を誘発した』などと、まことしやかに言う人がいる。中国の認知戦に完全に陥っている」と指摘した。 

 

■「心に入ってくるのが認知戦」 

 

中国を巡っては5月3日に尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺で海警局艦船の艦載ヘリコプターが領空侵犯した。中国ヘリによる領空侵犯は初めて。6月7、8日には中国空母艦載機が海自哨戒機P3Cに45メートルまで接近した。中国軍機の異常接近は平成26年以来。 

 

前者の場合、日本の小型民間機が先立って尖閣に接近しており、中国側は「日本の右翼分子が操縦する民間機が釣魚島(尖閣諸島の中国側名称)の領空に侵入した」と主張。後者も「日本の艦艇や軍用機が中国の正常な軍事活動に対し接近して偵察していることが根本原因だ」などと正当化した。 

 

榛葉氏は同委で、質疑前日に「変な夢」を見たと語り始めた。 

 

中国のヘリが尖閣諸島上空を飛行中にエンジンが不具合を起こし、不時着─。「中国軍が人命救助を目的にババババっと尖閣に行って…」(榛葉氏)。そこで目が覚め、考え込んでしまって寝られなかったのだという。 

 

榛葉氏は、「極めて心配なのが与党。政府の中でも『日本の民間機による尖閣周辺での飛行が事態を誘発した』『先に日本が動いたせいで中国の領空侵犯を誘発した』と、まことしやかに言う人がいる。まさに中国の認知戦に完全に陥っている」と疑問視した。 

 

■尖閣に公務員常駐は「今こそやるべきでは」 

 

岩屋毅外相は「中国の認知戦のわなに陥っているとの指摘は当たらない」と反論したが、榛葉氏は「中国はサラミをスライスするように日本の心の中にも入ってくる」と重ねて訴えた。 

 

次に榛葉氏は「私の大好きな自民党」(榛葉氏)が、政権交代前後の平成24年衆院選、25年参院選で「尖閣諸島への公務員常駐」を掲げていたが、26年衆院選以降の公約から抜け落ちている状況を疑問視し、「今こそやるべきではないか」と促した。 

 

 

岩屋氏は当時、党安全保障調査会長を務めていたが、同委ではこう答弁するにとどめた。 

 

「尖閣を安定的に維持管理するため、さまざまな選択肢はあるが、どの方策が真に効果的なのか、戦略的観点から、総合的に判断していかねばならない」 

 

榛葉氏は公務員常駐も「選択肢の一つか」と尋ねたが、岩屋氏は「今それを採用するかは別にして、さまざまな選択肢の一つではある」と語った。 

 

■「絶対に戦争をさせない」 

 

榛葉氏は、尖閣有事も台湾有事も起こさせないためには、米国との緊密な連携が何よりも大事だと指摘し、「絶対に戦争をさせない。そのための抑止力をどう構築し、わが国が主体的にコミットしていくのか。自衛隊とともに、米国とともに考えていくべき」と述べた。(奥原慎平) 

 

 

 
 

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