( 301638 )  2025/06/23 06:20:35  
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お金をたくさん稼ごうとすることは、幸福に直結しない。

長時間労働や無理な仕事に没頭する代わりに、人生の楽しみや自由時間を失うこともある。

お金を稼いでも幸福度は必ずしも高まらない。

お金がないとできないことは少なく、昔と比べて生活水準は大きく変わっている。

無駄な浪費よりも、自分にとって幸せな時間を大切にし、ストレスのない仕事を見つけることが大切だと述べている。

(要約)

( 301640 )  2025/06/23 06:20:35  
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※写真はイメージです - 写真=iStock.com/masamasa3 

 

仕事を一生懸命こなせばお金はたまるのか。2ちゃんねる創設者のひろゆきさんは「お金の多寡と幸せは必ずしも相関しない。稼ぐことに必死で仕事に没頭してしまう人は、逆にお金が貯まらないことがある」という――。 

 

 ※本稿は、ひろゆき『貧しい金持ち、豊かな貧乏人』(徳間書店)の一部を再編集したものです。 

 

■お金を稼ぐことの代償 

 

 お金をたくさん稼ぐにはなんらかの代償がともなう。 

 

 長時間労働に明け暮れればそのぶん稼げるかもしれない。でも自由時間を失う。家族や友人との大切な時間はもちろん、趣味にかける時間もままならない。つまり人生の楽しみが損なわれるわけだ。 

 

 働き詰めで無理がたたり体調を崩せば元も子もない。運が悪ければそれで命を落とすことだってある。そんなのは馬鹿馬鹿しい。 

 

 お金なんてそんな代償を払ってまで得るものではないだろう。 

 

 必死に働いて稼ぎを増やしたところで幸福度が高まるわけでもない。いくら必死に働いても、そのがんばりに見合った給与アップにつながるわけでもない。そもそも労働者とは不当に搾取される定めにある。世のなかは、割に合わない労働を強いられるようにできているのだ。 

 

■「お金がないとできないこと」はほとんどない 

 

 だから無暗に稼ぎを増やそうとするのではなく、自分にとって幸せだと思える時間を増やすほうが得策だ。そのほうがだんぜん人生は豊かになるだろう。 

 

 僕らの日常生活において「お金がないとできないこと」はほとんどない。 

 

 だれでも冷蔵庫や洗濯機、電子レンジくらいは持っているだろう。数十年前であれば、そうした家電は高級品だった。でもいまは違う。お金持ちもそうでない人も、実のところ生活の質は大して変わらないのだ。 

 

 さらにいまや高速回線のインターネットも普及している。パソコンやスマホでいろんな娯楽を無料で楽しめる時代だ。 

 

 食事だって、インスタントラーメンはおいしいし、500円で牛丼が食べられるし、スーパーの弁当も安くて豪華だ。 

 

 ちょっとのお金でだれもがそれなりの生活を送れる。歯を食いしばって必死に稼ぐ必要はない。お金の多寡と幸せは別問題だ。 

 

 

■「お金が貯まらない人」の口癖 

 

 何日もかけて大変だった仕事をやり遂げた。充実感がこみ上げてくる。そんなとき「自分へのご褒美」と称してプチ贅沢をする人がいる。高級レストランで舌鼓を打ったり、ブランド品を買って自己満足に浸ったりするわけだ。 

 

 がんばった反動でテンションがマックスになってしまうのだろう。それは僕に言わせればムダ遣いそのものである。 

 

 自分へのご褒美で得られるのは一時的な快楽だ。憂晴らしと言ってもいい。衝動買いに走ったブランド品なんてなんの役にも立たない。せっかくのがんばりが水の泡である。がんばって働いたぶん浪費し、またがんばって働いて浪費する。そんな調子だとなんのために働いているのかわからない。 

 

 自分を労ってあげるのは大切なことだ。人はなによりもまず自分自身に優しくあるべきだと思う。でも「今月は大変だったから」とディナーを奮発するのはなんの労いにもならない。自分に優しい行為とは言えない。もちろん財布にも優しくない。 

 

 みずから目のまえにエサをぶら下げて自分の機嫌を取る。そうやってこなされる仕事とはなんだろう。 

 

■プチ贅沢をするくらいなら転職したほうがいい 

 

 知らず知らずのうちに、過酷なブラック労働を強いられているのではないだろうか。そうでないなら自分に向いていない仕事なのかもしれない。 

 

 もしプチ贅沢で自分をごまかして働いているのであれば転職したほうがいい。これまでさんざんがんばってきたのだ。それで培ったキャリアや実績を活かし、自分にふさわしいノンストレスな仕事に就く。それこそがいちばんのご褒美だろう。 

 

 「自分へのご褒美」は内なるSOS信号だ。そんな働き方はいつまでも続かない。じきに燃え尽きてしまう。 

 

 自分に向いた仕事に打ち込もう。そうすればバカらしい浪費はしないだろう。稼ぐことに追われず、もっと自由に生きられるのだ。 

 

■推し活にハマりすぎる人たち 

 

 2021年に流行語大賞にもノミネートされた「推し活」。いまやすっかり人々の娯楽として定着した感がある。アイドル、俳優、アニメキャラ、スポーツ選手。僕は推し活にまったく興味はないが、それで日々が潤うというのはなんとなくわかる。推し活仲間とあれこれ語り合うのも楽しいだろう。僕が友だちとわいわいテレビゲームに熱中するのと一緒である。 

 

 でも、たまに推し活にハマりすぎて見境をなくしている人がいる。見ていて心配だ。推し活もゲームもほどほどに楽しむからいいのだ。血眼になってしまえば生活に支障をきたす。推しのライブ遠征や投げ銭(デジタル課金)に湯水のごとくお金を使うような人はヤバい。推し活貧乏まっしぐらである。 

 

 推し活にはSNSコミュニティへの参加が不可欠だ。ライブや握手会の予定、あるいは最新グッズの発売。同じ推しを持つ人をたくさんフォローしておけば、それらのニュースを素早くキャッチできる。 

 

■同僚に話して「推し活の自己点検」を 

 

 でもSNSコミュニティは時として情報の「タコツボ化」も招く。似たり寄ったりの価値観のなかにどっぷり浸かっているとフラットな感覚が失われていくのだ。 

 

 するとどうなるか。チケットやグッズの争奪戦がエスカレートして高額転売されても受け入れてしまう。多額の投げ銭をすることが美徳と化してしまう。でもそんな自分のヤバさに気づかない。コミュニティではそれが普通だからだ。 

 

 推しのためにひたすら出費を重ねたさきに未来はあるのだろうか? ない。心の支えだったはずの推し活に生活を蝕まれて終わりだ。そんな悲惨な目に遭わないためには定期的に自己点検をしたほうがいい。たとえば、毎月どれくらい使っているのかを会社の同僚に話してみよう。それで目を丸くされたら、常軌を逸している証拠だ。 

 

 推し活は、推しのためにあるのではない。自分のためにある。どんな推しに対してもいつかその愛情は薄れる。冷めないスープはないのだ。健やかに楽しく、推し活に励もう。 

 

 

 

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ひろゆき(ひろゆき) 

2ちゃんねる創設者 

東京都北区赤羽出身。1999年、インターネットの匿名掲示板「2 ちゃんねる」を開設。2015年に英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。YouTubeチャンネルの登録者数は155万人。著書に『ひろゆき流 ずるい問題解決の技術』(プレジデント社)、『なまけもの時間術』(学研プラス)などがある。 

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2ちゃんねる創設者 ひろゆき 

 

 

 
 

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