( 302649 )  2025/06/27 04:28:10  
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若手官僚の離職が過去最多となり、国家公務員の人材確保が危機的状況にあることが報道されている。

退職者数が増加しており、特に若手キャリア官僚の辞職が深刻化していると指摘されている。

給与や労働環境への不満が離職の要因となっており、政治主導の強化も官僚のモチベーション低下につながっているとされている。

さらに、国会対応などの業務負担軽減や給与の向上などが提案されており、やりがいを感じさせるためには改革が必要との声があがっている。

(要約)

( 302651 )  2025/06/27 04:28:10  
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若手官僚の離職数も過去最多…“国家の危機” 

 

 内閣人事局は6月24日、中央省庁および地方勤務の6万人以上の国家公務員が回答したアンケート結果を公表した。継続して勤務したいと答えたのは48.2%だった。一方で「継続したいが不安がある」が29.3%、「数年以内に辞めたい」は9.5%という結果となった。 

 

 その中で、特に深刻化しているのが若手キャリア官僚の離職である。 

 

 国家公務員の志望者減少や離職増加への対策を検討してきた人事行政諮問会議の資料によれば、採用10年未満の退職者数は過去最多となっている。 

 

 若手職員への勤務継続意向に関する調査では、30歳未満の男性職員の14.7%が「3年程度のうち・1年以内に辞めたい」もしくは「すでに辞める準備中」と回答した。これは、実に7人に1人が離職を考えていることになる。 

 

 背景には給与水準や長時間労働への不満がある。「人手不足のため、手元の仕事で精一杯になっており、自分たちの仕事が何につながっているのか、ミッションやビジョンといった大きな絵が見えない」「社会から批判対象となることもある一方で、大変な仕事のわりに給与が低いなど哀れまれることもある。いずれもモチベーションの低下につながる」といった声も上がっている。 

 

 さらに「トップダウンや政治との関係等で納得できない決定や理不尽なことにさらされたときに大きくモチベーションが下がった」という意見も見られる。学生の志望者減少に加え、若手職員の早期離職が続き、国家公務員の人材確保は危機的な状況に陥っている。 

 

 このような事態の背景を、みずほリサーチ&テクノロジーズ主席エコノミストの河田皓史氏は以下のように分析する。 

 

「根本的に労働環境が良くない、激務薄給であることが一つだが、長期的な10年、20年の変化でいうと、やりがいが落ちてきているのではないかと思う」(みずほリサーチ&テクノロジーズ主席エコノミストの河田皓史氏、以下同) 

 

「こちらも長期的な傾向として、政治主導が強まってきている。民主主義という意味ではいいことだと思う一方で、政治主導でなかった時代は、官僚の人が政策形成のイニシアチブをかなり持っていたことが、『自分たちが国を動かしている』という誇りや、高揚感につながっていて、激務なども我慢できる部分があったのだと思う」 

 

 

元官僚芸人まつもと氏 政治家との関係で大変だったこと 

 

 さらに、元官僚芸人まつもと氏が「実際に政治家との関係で大変だったこと」として、「国会答弁の準備」を挙げた。 

 

 国会議員からの質問は本来、答弁の2日前までの提出がルールだが、締め切りが守られることはほぼ無く、前日の夜中に届くこともある上に、「国会は特殊業務のため別で自分の仕事が丸々ある」などの背景を明かす。 

 

 その上でまつもと氏は、「まず今の働き方は変えないといけない。さらに、もっと若手に裁量を下ろさないといけない。また、関係のない仕事、無駄な仕事が多い。『これは本当に世の中のためになっているのだろうか』ということをやっているため、国のためになっていることを実感できるようにすべき」だと主張した。 

 

河田皓史氏 

 

  

 

 では、若手キャリア官僚を増やすには、やりがいを感じさせるにはどうすればよいのだろうか。まつもと氏と河田氏は以下のように語った。 

 

「国のために働きたい、国を動かしたいと思って入ってきたことは間違いなくある。ただ、長い時間の間に心が折れてしまい出ていってしまうため、長く引っ張れるようになっていけばいいなと思う」(元官僚芸人まつもと氏) 

 

「本質的には、給料を上げるのが一番いいと思うがすぐにはできない。日々やっている雑務などが最後には政策につながっていることを、中間管理職が部下に伝えてモチベーションを喚起する。あるいは国会対応などでも、もう少しデジタルデバイスを導入するなどして作業負担を軽減するなどを積み上げていくことがまずは必要だと思う」(みずほリサーチ&テクノロジーズ主席エコノミストの河田皓史氏) 

 

(『ABEMAヒルズ』より) 

 

ABEMA TIMES編集部 

 

 

 
 

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