( 302729 )  2025/06/27 05:59:03  
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ニトリが家電市場で好調な理由は、相場より3〜4割安い価格設定や、自社製品の開発と小売りをグループ内で完結させることでコスト削減が可能な点が挙げられる。

消費者のニーズに合わせた製品開発と、価格を抑えた製品ラインナップが人気を呼んでいる。

また、日本の家電メーカーが力を失いつつある中、消費者が「ちょうどいい価格」を求める風潮が広がり、ニトリのような手頃な価格の製品に注目が集まっている。

(要約)

( 302731 )  2025/06/27 05:59:03  
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家具やインテリアなどでおなじみの「ニトリ」ですが、実はいま、“家電”が好調なんです。背景に何があるのでしょうか? 

 

■相場より3〜4割安い「ニトリの家電」 

 

出水麻衣キャスター: 

家具やインテリアでおなじみの「ニトリ」。現在、家電が好調なんです。きょう注目のお値段は「ニトリ家電 ドラム式洗濯機9万9900円」です。この10万円を切るお値段の秘密・裏側を伝えていきます。 

 

ニトリの「ドラム式洗濯乾燥機」は、標準洗濯容量は10キロ(標準乾燥容量は5キロ)、縦約60㎝×横約60㎝×高さ約86㎝と、通常の縦型洗濯機と比べてもコンパクトなサイズです。なおかつ、機能もしっかりしており、乾燥フィルター自動洗浄もついています。 

 

家電ジャーナリストの安蔵靖志さんによると、通常、ドラム式洗濯乾燥機の相場が17万〜18万円のところ、ニトリの製品は9万9900円と、約4割安く提供できているということです。 

 

他にも、ニトリでは、家電を500アイテムも展開しているんです。例えば、「65型4K対応 液晶テレビ」は9万9900円。「冷凍冷蔵庫 271L(2〜3人向け)」は6万9900円。相場に比べますと3〜4割安くなっています。 

 

洗濯機は前年比で約2倍の売り上げとのことですが、ドライヤーに関しても、前年比で2.5倍も売れているということです。 

 

■相場より安くて、人気の理由 社長が話す“2つのポイント” 

 

出水キャスター: 

なぜこんなに安くできるのか。その理由をニトリに聞きました。 

 

▼海外メーカーと共同開発体制を組んでいる。 

▼ニトリ独自の製造・物流・小売業など、全てを包括的にグループ内で完結している。 

 

こういったところで、開発日程が短縮でき、低価格を実現しているということなんです。 

 

TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん: 

ニトリの社長と時々話す機会があるんですけど、2つのポイントがあると言っていました。 

 

1つは、消費者のニーズがどうなのかをいつも気にしている。「こういう使い勝手の良いものがあるといい」といった消費者の声を、ある程度目指すということ。(もう1つは)少しうまくいかない、駄目なものが出てきたら、即刻やめると。 

 

そういう徹底した合理化みたいなことをやっているんでしょう。 

 

 

出水キャスター: 

ニトリ家電の人気のワケについて、家電ジャーナリストの安蔵靖志さんは「家具・インテリア・家電をニトリでトータルコーディネートできる」からと話しています。色合いや材質が似ているので、一体感があるようにコーディネートできますよね。 

 

また、「“ついで買い”により、家電販売への相乗効果が大きいのでは」とも話していました。 

 

■ブランドの安心よりも「ちょうどいい価格」の風潮 

 

出水キャスター: 

そんな中、私が注目したのは「ブランド信仰より“ちょうどよい”」という今の流れです。 

 

かつて日本には、白物家電を製造する企業がたくさんありました。ある種のブランド振興みたいなものがあったんです。 

 

しかし今、それがだいぶ薄れてきました。「シャープ」では、テレビ事業は継続しているものの、テレビ向け液晶パネルについて堺工場の生産停止。「パナソニック」では、テレビ事業の売却・撤退を検討しています。 

 

その結果、家電量販店の「エディオン」や「ヤマダ電機」などがプライベートブランドの家電を販売したり、「ドン・キホーテ」が冷蔵庫を作ったりしているということなんです。 

 

なお、ドン・キホーテが販売しているのは「情熱価格×ハイセンス 162L冷凍冷蔵庫」4万9390円(※価格は店舗により異なります)。 

 

この「ちょうどいい価格」に向けて、メーカーはどういった工夫をしているのか。家電ジャーナリストの安蔵靖志さんに教えてもらいました。 

 

例えば「ドラム式洗濯乾燥機」ですと、▼洗剤・柔軟剤の自動投入機能を無くす。▼乾燥機能の構造を簡素化する。そうして低価格に抑えている。 

 

「液晶テレビ」に関しては、▼液晶の画質を抑える。▼音質をコストダウンする。ということで、主に画質と音質を少しクオリティを下げることによって、価格を抑えているということです。 

 

いま、こうした「ちょうどいい価格」を欲している人が多いということです。 

 

TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん: 

ニトリのビジネスは国内だけではなく、海外でも展開している。その海外でうまくいったやつを日本にまた取り込むこともあるし、日本でうまくいったやつを海外に輸出することもあって、そこもうまく回っているポイントだと思います。 

 

 

出水キャスター: 

かつて日本のメーカーは家電も強かったですけど、プレイヤーが変わってきているという実態については、どうでしょう。 

 

TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん: 

確かに昔はブランドの安心があったけれども、どんどんリニューアルしていく力の方が、最近は重視されているのではないですかね。 

 

山本匠晃キャスター: 

液晶テレビでは、画質を抑えて、音質コストダウンして、価格を抑えた。画面は大きい方がいいという人は、その分大きいものを買える。選択肢が増えていいと思います。 

 

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<プロフィール> 

星浩さん 

TBSスペシャルコメンテーター 

1955年生まれ 福島県出身 政治記者歴30年 

 

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