( 302978 )  2025/06/28 05:15:32  
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都議選で3議席を獲得した参政党の神谷代表は、外国人に対する厳しい姿勢を主張し、日本人優先を訴えている。

都議選での結果を受けて注目を集めており、参議院選でも躍進する可能性があるとの見方がある。

参政党は既存政党に不満を抱く有権者の受け皿として存在感を増しており、地方議員を多く擁することで地盤作りに力を入れている。

ただし、スキャンダルや党内分裂のリスクもあり、今後の動向が注目されている。

(要約)

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都議選で3議席を獲得した参政党の神谷代表 

 

 Xに「参政党」と「外国人」という単語を入力して検索すると、興味深い結果が表示される。過激な投稿が多いので原文通りの引用は控えるが、「外国人の勝手にさせるわけにはいかない。参政党などの保守党野党で政権を取るべき」、「日本人ファースト! 外国人ばかりにいい顔をする政府はいらない。参政党応援しています」──という具合だ。 

 

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 参院選は7月3日に公示され、7月20日に投開票が行われる。担当記者は「参政党は参院選の公約を公式サイトなどで発表しています」と言う。 

 

「公式サイトは最初に『日本人ファースト』を大きく表示。公約として《3つの柱と9つの政策》を掲げ、その中の一つが《行き過ぎた外国人受け入れに反対》です。外国人政策の抜本的な見直しを主張し、外国人総合政策庁の新設、外国人による不動産購入の制限、外国人留学生の奨学制度の適正化などを訴えています。参政党は以前から《移民受け入れより、国民の就労と所得上昇を促進》を重点政策に掲げており、一貫して在日外国人に厳しい態度を取っていることが分かります」 

 

 6月22日に投開票された東京都議選で参政党は4人を擁立し、世田谷区、練馬区、大田区で3人が当選した。 

 

 そもそも参政党は3人の衆議院議員と1人の参議院議員を擁している。いわゆる“泡沫政党”とは全く異なるのだが、大手メディアは参政党が都議選で“躍進”したと驚きのトーンで報じた。 

 

「都議選で躍進と報じられたのは、これまでの参政党には若干、“トンデモ政党”の印象があったからでしょう。今でも反ワクチンは重要公約ですし、党代表の神谷宗幣・参議院議員が『天皇陛下に側室を持っていただいて、たくさん子供を作っていただく』と発言し、批判されたこともあります」(同・記者) 

 

 ところが都議選で参政党の在日外国人に対する厳しい主張がネット上で拡散すると、関心を示す有権者が増えていった。 

 

「都議選の結果を知り、在日中国人も参政党に注目しているようです。Xには『参政党は外国人敵視の政策で注目を集めている。非常に危険だ』、『自民党を応援したい』、『まず日本に帰化した中国人から団結して参政党に立ち向かうべきだ。しかし団結の苦手な中国人には無理かもしれない』など、中国語で書かれたポストも散見されます」(同・記者) 

 

 19世紀のフランスを代表する政治家、法曹家、歴史家であるアレクシ・ド・トクヴィルは「大政党は社会を覆すが、小政党は社会を扇動する」との言葉を残した──こう指摘するのは、政治アナリストの伊藤惇夫氏だ。 

 

「参政党は国会に複数の議席を持っています。今回の都議選で突然、ブームを巻き起こした新党でないことには注意が必要でしょう。都議選で大手メディアが注目したのは、既存政党に不満や不信感を抱く有権者の受け皿として存在感を増しているからです。トクヴィルの言葉通り、在日外国人に対して厳しい姿勢を取ることで社会を煽動。その結果、将来に対する漠然とした不安を抱えている有権者の支持を集めていると言えます」 

 

 

 アメリカのトランプ大統領は不法移民に厳しい政策を主張して大統領に返り咲いた。イタリアのメローニ首相はネオ・ファシズム系政党「イタリアの同胞」の党首であり、非ヨーロッパ系移民に対する規制の強化を進めている。 

 

 外国人排斥を訴える政治家は欧米で支持を集めている。ヨーロッパ流の極右政党のように、日本でも参政党が人気を集め、参院選で躍進を果たすのではないか──こう予測する識者も少なくない。 

 

「参政党が人気を集めているのはあくまでも受け皿としての役割であり、積極的な支持を得ているわけではありません。その一方で、参政党は100人以上の市会議員や20人の町会議員など、かなりの地方議員を擁していることは重要です。昨今の地方議員選は立候補者が少なく、当選のハードルが下がり続けています。実は参政党だけでなく幸福実現党も、地方議員選の状況を利用して議員を増やしているのです。いずれにしても参政党が地方の地盤作りに注力し、成果をあげているのは注目ポイントでしょう。日本維新の会が紆余曲折あっても依然として政界で存在感を失わないのは、関西の首長や地方議員を一定数、擁しているからです」(同・伊藤氏) 

 

 永田町でも参院選が近づくにつれ「怖い存在」という声が増している。まさにダークホースということなのだろう。 

 

「現在の参政党は小政党のメリットを最大限に発揮していると言えます。ただし、有権者の支持が集まるほど、正念場が近づいてくるのではないでしょうか。具体的にはスキャンダルの発生と党内分裂です。前者は維新が代表例ですが、党の規模が大きくなるほど不祥事を起こす議員も増えます。参政党の議員が深刻なスキャンダルを引き起こした場合、対処を間違えると有権者が一気に離反する可能性があります。後者の場合、党が伸長すると内紛のリスクも高くなるものです。最悪の場合は党が分裂して新党に割れ、議員数や党員数が減ってしまうことも珍しくありません」(同・伊藤氏) 

 

デイリー新潮編集部 

 

新潮社 

 

 

 
 

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