( 303483 )  2025/06/30 04:02:18  
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東京都議選で石丸伸二氏が率いる新党『再生の道』は惨敗し、獲得議席ゼロに終わった。

自民党は大敗を喫し、『都民ファーストの会』が第1党に返り咲いた。

『再生の道』は公約が不明確で統一感が欠如しているとの指摘があり、石丸氏の応援が不十分だったとも言われている。

選挙後、石丸氏は頑なな姿勢を崩さず、ネット戦略に重きを置いているが、メディアの関心が薄れていると指摘されている。

参院選に向けて新たな候補者を擁立するが、石丸氏自身は立候補しない見込みで、その戦略についての議論も続く。

彼は選挙をPRやリサーチの場として利用しているとの分析もなされている。

(要約)

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新党『再生の道』を立ち上げ都議選に挑戦した石丸伸二氏だが…… 

 

6月22日に投開票された東京都議選は自民党が大敗し、小池百合子都知事(72)が特別顧問を務める地域政党『都民ファーストの会』が31議席で第1党に返り咲いた。 

 

もう1つの注目点は新人42人を擁立した石丸伸二氏(42)が率いる『再生の道』。昨年7月の都知事選の勢いそのままに台風の目になると目されたが……、まさかの獲得議席「ゼロ」の惨敗を喫した。 

 

これを受け、ネット上では「オワコン」「メッキが剥がれた」などの声も聞こえてくる。敗因はどこにあるのか? 

 

現場取材した全国紙政治担当記者は 

 

「党としての公約は『都議の任期は2期8年』ということのみ。それ以外は候補者の自主性に任せていたため、統一感がなくバラバラ。他党が子育て支援や減税で議論する中、インパクトのある政策を打ち出せなかった。また、世田谷区などでは複数候補を擁立したことで“食い合う”部分もあった」 

 

と指摘する。 

 

選挙戦では石丸氏も応援にかけつけたが 

 

「万遍なく回った印象。競っている選挙区に重点的に入れば1議席は取れたかもしれない。この辺りは石丸氏というより、選対に問題がある」 

 

と話す。都議選がスタートした6月13日、石丸の第一声のために集まった聴衆は40人あまり。他党関係者は 

 

「石丸伸二は完全にピークアウトしている」 

 

と、ほくそ笑んでいた。それでも石丸氏は強気な姿勢を崩さない。 

 

惨敗と見る向きには 

 

「目標は都議選に候補者を擁立すること。再生の道としてやるべきことはやった」 

 

と反論。都議選を参院選の前哨戦と位置づけたNHKには 

 

「すさまじく違和感を覚えていました」 

 

「NHKともあろう局がそのような表現をすべきでない、まずあらためて強く批判をしておきます」 

 

と嚙みついた。日本経済新聞の記事についても、言葉尻をとらえ 

 

「日経新聞ともあろう新聞社が情けない限りです」 

 

と苦言を呈した。 

 

別の取材記者は昨年の都知事選では見られなかった“異変”について次のように語る。 

 

「マスコミの熱量も冷めていた。石丸氏とバチバチやり合っていたテレビ朝日は会見にすら来ず。日テレもいなかったと思う。質疑応答でもそこまで深い質問は出なかった。石丸氏のパフォーマンスに利用されるのをみんな嫌がっていた」 

 

石丸氏はSNS戦略に重きを置いており、再生の道の候補者オーディションでも再生回数を気にしていた。しかし、今回の選挙戦でユーチューブやX(旧ツイッター)の情報を「参考にしなかった」と回答した人は61.5%で、「参考にした」の35.7%を大きく上回った(時事通信調べ)。 

 

6月23日更新の『日テレNEWS』に出演した石丸氏は、そこで 

 

「議席を狙いにいけば手に入ったかもしれない。数字の上では可能性はあったと思います。しかし、それをやるんだったら、他の党とあまり変わらない」 

 

と語り、議席よりも都議選の本質を都民に気づかせることが狙いだったと抗弁した。 

 

さらに、同じ23日配信の『リハック』でも 

 

『再生の道どうだった? 代表が話します』 

 

と題した動画に出演。石丸氏は同チャンネルのプロデューサー・高橋弘樹氏と社会学者・西田亮介氏らの質問に時折笑みを浮かべながら答えていた。 

 

『再生の道』の候補者のあるスタッフは 

 

「影響力のあるメディアに出るならば、選挙前か選挙期間中に出てくれよ。終わったあとに『あれはこうだった』と言われても意味がない。結局、彼は候補者と同じ目線ではなく、1つ上の場所からプロデューサーのように選挙戦を眺めていたのでしょう」 

 

と吐き捨てる。 

 

◆選挙は石丸氏にとってPRとリサーチの場 

 

世田谷区から立候補していた鳥海彩氏は6月24日、今後も政治活動を続けるとした上で『再生の道』からの離脱を表明。理由については 

 

「石丸氏の一部のファンの方からのバッシングが精神衛生的にマイナスであること」 

 

を挙げた。 

 

7月に入れば、3日公示、20日投開票の参院選が控えている。再生の道からは、激戦の東京選挙区に新人の吉田あや氏を擁立。ほかに9名が比例出馬する。石丸氏は現時点で立候補しない見込みだ。 

 

果たして、参院選で石丸新党は巻き返すことはできるのか? 政治評論家の有馬晴海氏は、 

 

「『再生の党』は政策がなく政党の体をなしてないので、石丸“同好会”という存在なんです。つまり“石丸好き”な人が集まって立候補したと。ただ、石丸さんを応援している人は多いけど、石丸さんが推す人を応援するという形にまではなっていなかった。ですが、石丸さんの人気がなくなったというわけではない。石丸さんというバックがいるだけで、そこそこの票を獲れていますからね」 

 

と都議選を振り返る。7月の参院選については、 

 

「今回も石丸氏は立候補する予定はなく、そうなると注目度も含めて厳しい戦いになるでしょう。ただ、都知事選のときには全国からボランティアが駆け付けたので、一定数の支持者は日本中にいる。今度の参院選で比例で1議席でも獲れば、これはまた大きなアピールになる。ただ、石丸さんの本心は国会で何かするというより、やはり3年後の東京都知事選を狙っているのでしょう。 

 

小池百合子氏も75歳になり、出馬しない可能性もある。そうなれば、石丸さんの勝機は十分にあるでしょう。ですが、あと3年間何もしないで待っていては、さすがに石丸さんのことは忘れ去られてしまう。そのため、新党を作って自分は立候補しないものの、新党を作り候補者を立てれば話題になる。選挙ってメディアも多く取り上げますし、すごくいいPRの場なんです。どれだけ票を取れるのかリサーチもできますからね。そういう意味では、石丸さんは候補者を何とか当選させようというより、自分のために上手く選挙を利用しているなと思いますね」 

 

と分析する。 

 

前大阪市長の松井一郎氏はユーチューブで石丸氏に触れ 

 

「参議院に向けて、この都議選で一定の支持を固めていこうと。議会選挙でどの程度票を取れるか、彼はそういうところも知りたかったのではないかなと思います」 

 

と分析してみせた。したたかな石丸“戦略”で、参院選で“風”は吹くのか――。 

 

FRIDAYデジタル 

 

 

 
 

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