( 304188 )  2025/07/03 02:53:40  
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静岡・伊東市の田久保市長は7月2日の会見で、自身の学歴詐称疑惑について謝罪し、経緯を説明した。

市長は自身が大学を卒業していないことが確認され、除籍だったと認めたが、選挙中の経歴については公職選挙法上問題はないと主張した。

議会で示した文書が卒業証書であったかどうかについては曖昧な説明に終始し、詳細な説明ができていない状況であると述べた。

市長は今後の進退については言及を避け、怪文書への調査を続けていることを明らかにした。

(要約)

( 304190 )  2025/07/03 02:53:40  
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田久保市長 

 

 7月2日、静岡・伊東市の田久保真紀市長が自身の学歴詐称疑惑について会見で説明した。 

 

 田久保市長は冒頭「この度は私の経歴にまつわることで市民の皆様にはご心配とご迷惑を大変おかけしたということで、まずはその点に関して深くお詫びを申し上げたい。誠に申し訳ございませんでした」と謝罪した。 

 

 経緯については「まず、議会、市議会議員の皆さんに怪文書が届けられた。その内容に、私が大学を卒業していない。『中退どころか除籍である』と書かれていた。その点を確認するために、6月28日土曜日に、卒業証明書を取りに(東洋)大学の窓口に私自身が行った。申請手続きを行ったところ卒業は確認できず除籍であることが判明した。しかし、私自身が大学を卒業しているという経歴については、選挙中も自ら公表はしていないので弁護士ともよく確認をしたところ、公職選挙法上問題はないという結論になった」と述べた。 

 

田久保市長と弁護士 

 

 会見の大きな“山場”となったのは田久保市長が議会で提出したとされる“卒業証書と見られるもの”についてだ。 

 

 記者は「あれは卒業証書じゃなかったとしたら何だったのか。場合によっては本物でないとしたら偽造になってしまう」として市民への信頼という観点においても説明を求めた。 

 

 これに対し田久保市長は「現状でしっかりと事実として担保できる証明書等が今手元にない。まず今の時点で私が伝えたいのは、私自身の立場のことよりも市民の皆さんが本当に勇気を出して1票1票入れてくれた、その票に関しては公職選挙法上問題がないということだ。本来であれば全てのものがしっかり揃った状況でするのが筋と思っていたが、どんどん話も大きくなっており、市民の皆さんの方からも心配の声も大きくなっている。だからまずは今日、私自身が選挙中に公表した経歴については問題がないということをしっかりお知らせをして、そこについての説明をさせていただきたいと思っている」と答えた。 

 

 記者は「つまり、議長や秘書課にちらっと見せてすぐに引っ込めてしまった“あれ”は、皆さん卒業証書という認識だったようで一部の記者にも見ている人はいるが、“あれ”は卒業証書として示したという、僕らは記者会としても市としても議会でもそういう認識だ。書類が整ってるか以前に卒業証書として渡したものは何だったのか、見せたもの、今日お持ちいただいているか?」と聞いた。 

 

 田久保市長は「卒業を証明するものであろうと思ったので私も他の方にお見せしたが、残念ながら卒業を証明するものとしては機能しなくなってしまったというか、実際には卒業していないということだ。一度卒業という扱いになって、今どうして除籍になっているのかについては、きちんと事実関係に基づいてというか、確認した部分に基づいていかないと、私自身も、一体どういう経緯で、いつ、どのようになったのかというのが今きちんとそういった証拠に基づいて説明ができない。そこをしっかりと確認ができ次第、そういったもので示していくしかないと思っている」と述べた。 

 

 だが、この説明に記者は納得できず「そういうことではなく、議長とかに見せた書類は何だったのか? 卒業したかのように勘違いさせるようなものを提出していたとすると、信頼関係がやはり失われるのではないか? みんな、あれは卒業証書が渡されたという認識だ」と確認。 

 

 田久保市長は「そこについて、むしろ私の方に確認できる範囲でしっかり確認しなければいけないと思っている。今調べている最中で」と答えた。 

 

 これに記者「ご自身が提示したわけですよね? ご自身が提示しているとしたら、きちっと今説明できる話ですよね」と追及した。 

 

 田久保市長は「提示をしていることを言っているのではなく、私としては、これで自分の経歴が分かっていただけるかなという意味でお見せした」と答えた。 

 

 記者は「つまり経歴が違ったわけですよね。卒業したかのように勘違いさせるような書類とは何を提示したのか。それは、卒業証書でなかったら、自分で作った、例えば、紙なのか、そこはもう信頼関係として、じゃあ“あれ”は何だったんですかと思うのは当然だ。それをなぜきちんと説明できないのかは疑問だ」と確認。 

 

 田久保市長は「おっしゃることはもちろんであると思うが、私の方で、議長、副議長がいて提示したのが確か6月の初頭だったと思うが、その時はそれで私の経歴がきちんと証明できる証明書として機能する卒業の証書であると認識はしていたが、土曜日に大学に行って確認したところ、示されたものが除籍という事実だった。どうしてこういう経緯になっているのは今確認中というところまでしか、今持っている材料ではお話ができないというのが現状だ」と述べた。 

 

 さらに記者は「さっきから同じことを言っているが、そこには東洋大学卒業と書いてないものをさも卒業したかのように見せたということか?」と質問。 

 

 田久保市長は「私の中では全くそういった認識はございません」とした。 

 

 記者は「何を見せたのか? みんなちょこっと見せて『確認したい』と言ったが見せてくれなかったと議長も、もう皆さん、公にインタビューした時もそう言っている。それは市長自身が見せたものであるし、それは東洋大学を卒業したという証明になるようなものなんだという認識のもとで見せたとしたら、それは何を見せたのか? そして、それが卒業証書でなかったとしたら、それは本来あってはならないことではないか?」と聞いた。 

 

 田久保市長は同席した弁護士に相談した後、「卒業証書であると私は意識をして提示はしているが、その時にきちんと見せてくれなかったとか、そういったことは別としても、私はそれで一定の説明ができるものとその時点では思って見せた。土曜日に行った時には除籍であるという事実が出てきたので、時系列的に一体どうしてそういうことになっているのかということについては、今確認をしている。本当に申し訳ないが、確認してみないと、私も一体どのような経緯で、要するに卒業していないで除籍になっているのがわからないので、そこはしっかり確認ができてから発言というか説明をさせていただきたい。これ以上のちょっと混乱ですとか情報の錯綜というものがあってはいけないので、そこは申し訳ないがご理解をいただければと」と説明した。 

 

 ここでこの議論は終わるかと思われたが、別の記者が“参入”し以下のように確認した。 

 

「そこはすごく重要で、田久保市長の手元にあるのは卒業証書だと田久保市長が思っているものが手元にあるわけだ。『それを議長たちに見せました』と。なぜ除籍なのにそれを持っているのかを聞いている」 

 

 田久保市長は弁護士に相談し「要するに、除籍という事実しか今確認が取れておらず、一体どのような理由、例えばいつということが全然情報にないので、そこを確認しないと、私の方からあまり推測でものを申し上げるのは、今の状況では余計混乱を招いてはいけないと思う。本日のところは、きちんと得ている情報で説明できるのはそこまで。本当に申し訳ないが、そこまでという形になる」と答えた。 

 

 会見においては「この大学を出たという学歴とかで皆さん票を取りたいとか、そういった意識が全くなかった」と語り涙ぐむ場面も見られた。 

 

 今後の経歴については田久保市長は「お恥ずかしいが、もう除籍であるとここでしっかりと認めて皆様に示すことで、除籍でありましたということになると思う」とした。 

 

 また、今後の進退について「明言を避けたい」。怪文書への対応としては「調査を行っており検討中」とした。 

(ABEMA NEWS) 

 

ABEMA TIMES編集部 

 

 

 
 

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