( 304233 )  2025/07/03 03:47:10  
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参政党の代表である神谷宗幣議員が発言した党首討論会で、参政党の支持が急速に上昇していると報じられています。

参政党は最近の選挙で議席を獲得し、国会議員要件を満たしました。

支持率が上昇中で、特に「外国人受け入れ反対」などの政策が共感を得ているとの分析もあります。

他の政党の支持が低迷する中、参政党は選挙戦術やイメージ戦略に成功し、政治的存在感を増しつつあります。

この流れにより、参院選では複数の議席獲得の可能性が指摘されています。

自民党内では危機感が漂い、政局の流動化が懸念されています。

(要約)

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党首討論会で発言する参政党の神谷代表 

 

「参政党バブルが一気に押し寄せてきた。国民民主党を上回るパワーだ」 

 

 こう話すのは、自民党幹部のA氏だ。 

 

 6月22日の東京都議選で、参政党は議席ゼロから3議席を獲得した。また6月15日の兵庫県尼崎市、愛知県西尾市、福井県あわら市の3つの市議選では、参政党候補がトップ当選。これで全国の地方議員は150人に達した。国会でも、維新を離党した梅村みずほ参院議員が参政党入りして、「国会議員5人以上」の国政政党要件を満たした。メディアへの露出も増え、一気に参政党の名前が知られるようになっている。 

 

 参政党が国会で存在感を示したのは昨年の衆院選。小選挙区・比例代表あわせて95人を擁立し、小選挙区では全員が落選したが、3人が比例復活当選した。7月3日に公示される参院選でも、全45選挙区と比例区に候補を擁立し、「最低6議席確保」の目標を掲げている。 

 

 この目標は無謀とも言えない。朝日新聞が6月14・15日に実施した世論調査では、参政党の支持率は3%で、維新(2%)、共産(2%)を上回った。読売新聞が6月27~29日に実施した世論調査では参政党の支持率は5%に達し、国民民主(5%)に並び、立憲民主(6%)にも迫っている。他メディアの世論調査でも、参政党の支持率はぐんぐん上昇中だ。 

 

「うちの代表の名前はほとんどの人が知らない。けど、参政党の党名とシンボルカラーのオレンジは、売れてきた」 

 

 こう手ごたえを語るのは、参政党の関東地方の支部長B氏だ。 

 

 参政党の代表は神谷宗幣参院議員で、国会議員としては2022年の参院選比例区で初当選したばかり。それ以前は07年から大阪府の吹田市議を務め、10年に若手の地方議員らの団結を目指す政治グループ「龍馬プロジェクト」を設立して、会長となった(22年に退任)。12年の衆院選では大阪13区から自民党公認で出馬し、落選。20年4月に参政党を結成して実質的な代表として党勢拡大を進め、23年8月から正式に代表に就任した。 

 

 

■党内では「神谷氏ファースト」 

 

 参政党のキャッチフレーズは「日本人ファースト」。アメリカのトランプ大統領の「アメリカファースト」をそっくりちょうだいしたようなコピーだ。 

 

 極右的と指摘されることもある政策では、減税や米の確保と並んで、「行き過ぎた外国人受け入れ反対」や、憲法をゼロからつくることなどを唱えている。 

 

 先のB氏はこう話す。 

 

「日本人ファーストを掲げていますが、党内でいえば神谷氏ファーストですね。まず、神谷氏に絶対ついていくぞ、参政党のためには24時間戦えますという人の集まり。他の政党の党員と比較すれば、本気度が違うというところだと思います。ポスターのコピーはちょっと前は『政治はロックだ!』でした。ちょっとダサそうに見えるが、有権者からの受けは抜群。そういう、ネットやイメージ戦略の効果が急上昇を後押ししていると思います」 

 

■「外国人政策が共感を得ている」 

 

 政治評論家の田村重信氏は神谷氏が初当選した22年の参院選から、「参政党は数年後、一気に伸びてくる」と予想していた。今の躍進についてこう語る。 

 

「参政党が急上昇しているのは、低迷する自民党、特に安倍晋三元首相を支持した右派の支援者が流れているためです。それにつられて、無党派層の支持も増えている。コロナ禍後、日本に外国人が急増している。このままだと外国人に乗っ取られてしまうような印象を持っている人が多い中で、まずは日本人を大事にしようという参政党の外国人に対する政策が共感を得ているように思う。あと、選挙戦術がうまい。全国に支部を設立して底辺を広げてから国政に、という手法がズバリあたっている」 

 

 自民党や公明党関係者によると、党が行った参院選の情勢調査で、参政党は全国比例区で複数の議席を獲得する公算が大だという。また、東京選挙区(定数6プラス1)、大阪選挙区(定数4)など、選挙区でも議席を確保する可能性があるという見方だ。 

 

 自民党の東京選出の衆院議員は危機感を募らせる。 

 

「現場でやっている肌感覚では、公明、立憲民主、共産、国民民主に加え、参政党がそれぞれ1議席をとりそう。自民党は政権与党として2人の候補者を出し、2議席獲得を目指しているが、非常にきつい戦い。上位当選は難しいが、なんとか1議席はいけそう、2つ目はきついという印象だ」 

 

 

■「国民民主が敵失でしぼんだのに…」 

 

 冒頭の自民党幹部A氏も厳しい表情で話す。 

 

「勢いがあった国民民主党が、参院選直前に“山尾ショック”という敵失でしぼんでいった。そこへ参政党が来るとは予期していなかった。小泉進次郎農相の『小泉米』の効果もそろそろ天井を打ち、次の手がない」 

 

 そしてこう続ける。 

 

「参政党の躍進で、参院も与党が過半数割れする可能性も十分、考えられる。そうなると自公プラス、どこかの党との連立交渉となる。衆議院を考えるなら、維新を政権に引き込むか立民との大連立でしょうか。石破首相が総理についたのが昨年の秋。ちょうど1年で、局面を打開するための解散・総選挙にも追い込まれかねない。参政党の旋風で、政局は一気に流動化しそうです」 

 

(編集部・今西憲之) 

 

今西憲之 

 

 

 
 

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