( 304373 )  2025/07/03 06:27:25  
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くら寿司は、中国本土の全3店舗を年内に閉店することを発表した。

初の店舗である「上海龍之夢中山公園店」は6月30日に閉店。

中国市場ではスシローやはま寿司が先行しており、くら寿司は集客に苦戦していた。

閉店の理由には、日本産水産物の輸入停止や風評被害、さらには中国の不景気が影響したとされている。

くら寿司は再度戦略を練り直し、完全撤退ではなく出店計画を見直す方針を示した。

(要約)

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回転ずし大手のくら寿司は2日、中国本土の全3店舗を年内をめどに閉店することを明らかにした。2023年6月に出した中国本土1号店「上海龍之夢中山公園店」(上海市)は今年6月30日に閉店。残りの2店舗は年内での閉店を見込む。中国本土では同業の「スシロー」や「はま寿司」が先行しており、知名度不足から集客に苦戦していた。ただ現地法人は存続し、出店計画を再検討する方針を示した。 

 

「スタートがうまく切れなかった」。くら寿司の取締役は閉店の要因について、進出直後の23年8月に中国が日本産水産物の輸入を停止したことなどを挙げた。 

 

中国本土の店舗では当初から食材の8割は中国産を使い、現在はすべて中国産だが、風評被害もあり知名度を上げる販促が打てなかった。出ばなをくじかれたことに加え、中国の不動産不況による不景気が追い打ちかけ、思うように客足が伸びなかったという。 

 

くら寿司は当初20年に中国本土へ進出し、10年間で100店舗まで増やす目標を掲げていた。しかし、新型コロナウイルス禍で延期を余儀なくされ、23年6月にようやく1号店出店にこぎつけた。その後2カ月間で2店舗を立て続けに出店したが、この2年間で客をうまくつかめなかった。 

 

日本の回転ずしチェーンの中国本土進出はゼンショーホールディングスのはま寿司が14年、フード&ライフカンパニーズ(F&LC)のスシローが21年と先行し、両ブランドの現地での知名度はくら寿司に勝る。F&LCの広報担当者は中国事業について「業績は回復に転じている」とし、エリアを厳選して出店を続ける方針を示す。 

 

店舗数もはま寿司が台湾を含め96店舗(今年3月末時点)、スシローが香港を含めて91店舗(同5月末時点)と多く、いずれもくら寿司が攻めた上海が中心ではなく、香港や中国内陸部にある。 

 

くら寿司は「同業他社と中国本土での商圏は重なっていない」と強調。回転ずしは日本と異なり中国ではやや高級とみなされており、「不景気が続いたことで回転ずしではない割安な外食に客が流れた」と説明した。その上で「もう一度戦略を練り直す」とし、完全撤退ではなく現地での出店計画を見直すとした。(田村慶子) 

 

 

 
 

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