( 304560 ) 2025/07/04 03:54:36 0 00 財務省=東京都千代田区
財務省が2日発表した2024年度の一般会計税収は、昨年11月の補正予算編成時から約1.8兆円上振れた。
財務省は税収増の流れは続くと見ており、政府・与党は25年度の上振れ分を、国民1人当たり2万円の給付の財源に充てる方針だ。ただ、トランプ米政権の高関税政策の影響は未知数。国内景気が減速すれば、税収は伸び悩み、財源確保策は絵に描いた餅となりかねない。
自民、公明両党は参院選公約で物価高対策として、国民に一律2万円を給付し、子どもと住民税非課税世帯の大人には2万円を加算する方針を明記した。必要となる3兆円台半ばの財源について、石破茂首相は「赤字国債には依存しない」と表明。税収上振れや歳出の不用額、基金の返納金などの税外収入をかき集めて、捻出する方針だ。
財務省は、25年度税収について予算段階で77.8兆円と見積もっているが、今回計算の土台となる24年度税収が底上げされたため、さらに1.8兆円程度上振れると想定する。これに加え、市中金利が想定金利よりも低く推移する中、国債の利払い費の不用額などで1兆円程度、税外収入で0.7兆円程度を確保できると見込む。
もっとも、税収上振れには、見積もりの前提となる政府の経済見通しに沿った経済成長が不可欠だ。昨年末公表の見通しでは、25年度の実質GDP(国内総生産)成長率を前年度比1.2%と想定。しかし、策定時には、トランプ政権の高関税政策の影響を織り込んでいない。
現在、各国・地域に対する一律10%にとどまっている相互関税が24%に引き上げられ、自動車・同部品への25%、鉄鋼・アルミニウムへの50%の追加関税が続いた場合、実質GDPへの大幅な押し下げ圧力となる。好調だった法人税などの下振れも避けられないとみられ、財務省幹部は「トランプ関税でどうなるか分からない。給付財源に確実に見込んでいるわけではない」と話す。
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