( 304673 )  2025/07/04 06:11:32  
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ローソンは北海道稚内市で新たに3店舗をオープンし、これで同市内の店舗数は7店となった。

人口減少を考慮し、地域に必要な商品を揃えたコンビニの展開が進められている。

新しい店舗は、特に生鮮品やホットスナックの人気が高く、売上は予想を大きく上回る結果を得ている。

ローソンは全国的に過疎地をターゲットにした「地域共生コンビニ」を推進しており、今後もニーズに合わせた店舗展開を行う考えだ。

(要約)

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 コンビニ大手・ローソンが6月、北海道稚内市で3店を同時オープンさせた。市内では約2年前に「第1号店」を出してから、これで7店となった。人口減に伴うスーパー撤退など地域の買い物事情に配慮したハイペースの店舗展開は、全国の過疎地へ出店を進める戦略の先行モデルになっている。(宮下悠樹、阪本高志) 

 

オープン直後から買い物客でにぎわうローソンの声問店(6月5日、北海道稚内市で) 

 

 市中心部から郊外の稚内空港へ向かう国道沿いに立つ「声問店」の営業初日となった6月5日、午前8時の開店と同時に近所の主婦ら数人が店に入った。76歳の女性は「家の近くに色々な商品が売っているコンビニ店ができて、ありがたい」と喜んだ。 

 

 声問店がある場所は地場のスーパー跡地で、小売店の再開が期待されていた。3年前に名古屋市からUターンしてきた同店オーナーの是川裕也さん(39)は「地元の人が買い物に困っていたのでほっとしている。野菜や子どものおもちゃ、仏壇に供える花など求められる品をそろえていきたい」と意気込む。 

 

 市内ではこの日、国道沿いに「萩見五丁目店」と住宅街に「宝来五丁目店」も開店した。 

 

 ローソンを訪れる客1人あたりの商品購入額は全国平均799円だが、2023年8月から11月にかけて開店した市内4店はいずれも1000円以上と「客単価」が高い。生鮮品や「からあげクン」などのホットスナック、デザートが人気で、想定の売り上げを5割上回る店もある。現金自動預け払い機(ATM)やイベントチケットなどを扱う情報端末「Loppi(ロッピー)」も好評だ。 

 

 通常の店舗より弁当や冷凍食品、生鮮食品が充実しており、スーパーの代わりに利用する客が多いという。 

 

 ローソンは通常、店の半径350メートルを商圏としているが、車移動が基本の市内では、約20キロ離れた地域からの来店も見込む。大雪などで物流が途絶える事態に備え、「栄五丁目店」では通常の3倍の在庫スペースを設けた。市内で18店を展開するセイコーマートには及ばないが、特定地域に店舗を集中させる「ドミナント戦略」で存在感を高めている。 

 

 

 ローソンは稚内市での成功を生かし、長野県や和歌山県などの過疎地を中心に生鮮品や冷凍食品などを充実させた「地域共生コンビニ」を増やしている。昨年4月、スーパー跡地に開いた厚真町の「上厚真店」もその一つで、想定を3割上回る売り上げを維持している。 

 

 道内では4日に枝幸町で、8月5日には浜頓別町でもそれぞれ町内1号店が営業を始める予定。旭川市の物流拠点から宗谷方面へ商品を運ぶ効率を高めるという。 

 

 ローソン広報部の担当者は「コンビニはスーパーより少ない人数の商圏で運営できる。今後も人口減が進むエリアで、住民のニーズに応えていきたい」と話している。 

 

 

 
 

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