( 305223 )  2025/07/06 05:56:35  
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2025年上半期のラーメン店の倒産件数は25件で、前年同期比で24.2%減少したものの、依然として過去2番目の高水準である。

負債総額は16億5,700万円に上り、3年連続で増加している。

倒産の主な原因は販売不振で、特に原材料や人件費の高騰が影響している。

地域別では関東が最も多く、倒産形態としては破産が大半を占める。

新規参入が多い業界だが、競争が激しく、今後は淘汰が進む可能性が高い。

(要約)

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ラーメン店の倒産 上半期推移 

 

 2025年上半期(1‐6月)の「ラーメン店」倒産は25件(前年同期比24.2%減)で、集計を開始以降、最多だった2024年の33件から減少に転じた。前年比では3年ぶりに減少に転じたが、件数は過去2番目の高水準だった。負債総額は16億5,700万円(前年同期比23.8%増)で、3年連続で増加した。これは2024年同期と比較して、負債1億円以上の倒産が5件(前年同期3件)発生し、小・零細規模からやや大口化の兆しが強まった。 

 販売不振が22件(構成比88.0%)を占め、原材料の高騰や人件費、光熱費の上昇などのコストアップが押し寄せるなか、安易な価格転嫁は客離れを引き起こしかねず、ラーメン店の生き残りは難しさを増している。 

 

 コロナ禍はラーメン店の倒産は、ゼロゼロ融資や時短営業、休業支援に支えられ、2021年上半期は14件、2022年同期は5件と低水準に推移した。だが、コロナ関連支援の終了・縮小と同時に、円安に伴う原材料の高騰や人件費、光熱費上昇が押し寄せ、2024年同期は33件と過去最多を記録した。2025年同期は25件と3年ぶりに減少したが、過去2番目の高水準を持続している。 

 2025年上半期の原因別は、販売不振が22件(構成比88.0%)を占めた。負債額別では、1億円未満が20件(同80.0%)、資本金別では1千万円未満が22件(同88.0%)を占め、中小・零細規模のラーメン店の倒産が大半を占める。 

 

 地区別では、関東が11件(前年同期14件)で最多だった。次いで、中部(同1件)、近畿(同8件)が各5件、北海道が2件(同1件)で続く。北陸(同2件)、四国(同1件)、九州(同3件)は倒産が発生しなかった。 

 形態別は、破産が24件(構成比96.0%)と大半を占め、民事再生は1件(同4.0%)だった。 

 4月に破産開始決定を受けた(株)F管理(TSRコード:710135041、岡山県倉敷市)は、(株)風来坊の商号で設立し、ラーメン店やとんかつ屋、食堂など多角経営に乗り出していた。地元では人気を博したが、コロナ禍の影響で業績不振に陥り、事業継続を断念した。負債総額は約4億3,400万円で、2025年上半期のラーメン店倒産では最大となった。 

 

 ラーメン店は小資本でも開業が可能で、新規参入が多い。だが、その分、競合と顧客の嗜好が移ろいやすく生存競争が厳しい業界でもある。さらに、昨今の物価高や人件費の高騰が容赦なく襲いかかっており、今後はオペレーションの効率化や差別化、適正な価格転嫁などに着手できない店舗を中心に、淘汰が相次ぐ可能性が高い。 

※ 本調査は、日本産業分類(細分類)の「ラーメン店」を抽出し、2009年から2024年までの倒産を集計、分析した。 

 

 

 
 

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