( 305788 )  2025/07/08 06:25:54  
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近年、パチンコ・パチスロの遊技機で多く使用されているのはアニメ作品であり、実写作品よりも高い親和性を持っているとされる。

実写の遊技機化は新規映像制作が難しく、CG化に伴うユーザーからの反発がある一方、アニメ作品は映像演出が明瞭で、ユーザーが直感的に楽しめるため支持を得やすい。

近年、アニメを題材にした機種が増え、実写作品の数は減少している。

さらに、アニメ制作の段階から遊技機メーカーが関与するケースも増え、両者の関係はますます深まっている。

今後はパチンコ業界がアニメファンへのアプローチを強化する可能性が高い。

(要約)

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パチンコ・パチスロと二次元コンテンツは切っても切り離せない関係に(イメージ) 

 

 近年のパチンコ・パチスロの遊技機において、圧倒的に多いのがアニメ作品を題材にしたものだ。なかには、「アニメを見たことはなくても、パチンコ・パチスロの遊技機で知っている」というユーザーも多いのではないだろうか。パチンコ・パチスロにおいて、実写作品の活用ではなくアニメ化作品のほうが親和性が高い事情を、パチンコ・パチスロに詳しいジャーナリストの藤井夏樹氏が解説する。 

 

 実写ドラマ・映画や実在するタレントを題材にした遊技機の場合、実写版の新規映像の制作が難しいため、人物やキャラクターをCG化して、そのCGキャラを動かして新規映像を作るパターンが多い。『CRぱちんこAKB48』や『牙狼』シリーズでも、CG映像が多数使われている。しかし、実写のCG化はユーザーからの支持を得にくい部分もあるという。 

 

「CGによる映像と実写映像がかけ離れているケースも多く、そうなるとオリジナルコンテンツのファンから反感を買ってしまうことが珍しくないんです。AKB48や牙狼はCG化に無理がなかったパターンだと思いますが、失敗例もたくさんあります。 

 

 そもそも、オリジナルコンテンツのファンを呼び込もうとして遊技機の題材にしているのに、遊技機のCGキャラが反発の材料になってしまうというのは、本末転倒でしかありません。実写コンテンツの遊技機化には、そういうリスクが避けられません」(藤井氏、以下「」内同) 

 

 藤井氏によれば、液晶画面上での映像との親和性の高さという事情もあり、二次元コンテンツを題材とした遊技機が優勢になってくると、ユーザーの支持も二次元コンテンツに寄っていったという。 

 

「パチンコ・パチスロで人気機種になる条件にはスペックや演出の楽しさなど、いくつかの要素があります。“演出がわかりやすいかどうか”も重要です。 

 

 二次元コンテンツの機種が増え、ユーザーも二次元コンテンツによる映像演出に慣れてくると、新機種であっても二次元コンテンツなら直感的に楽しめるようになってくる。つまり“二次元コンテンツであれば、こういったパターンの演出が多い”というトレンドが生まれてきて、ユーザーもそういった機種なら安心して楽しめる。そうした流れのなか、自然と二次元コンテンツの遊技機のほうが支持されやすくなっているのだと思います。 

 

 実際、ここ数年は二次元コンテンツの機種に人気が集まり、実写コンテンツは遊技機化される数そのものがかなり減っています」 

 

 さまざまなアニメ作品が遊技機の題材になっているが、中には最初から遊技機になることを前提としてアニメ化のプロジェクトが動くケースもあるようだ。アニメ作品が制作される際には、原作の出版社や映像制作会社、広告代理店などによる“製作委員会”が結成されることが多いが、そこに遊技機メーカーが入っていることも少なくないという。 

 

「アニメ作品の製作委員会に遊技機メーカーが入っていたとしても、実際には遊技機にならないこともあります。ただ、二次元コンテンツのメディアミックス展開において、遊技機が重要な存在となっていることは間違いないでしょう」 

 

 切っても切り離せないほどに、親和性が高い現在のパチンコ・パチスロと二次元コンテンツ。今後はパチスロ・パチンコ業界側から、アニメファンにアピールする機会も増えていきそうだ。 

 

 パチンコ関連記事《パチンコ・パチスロ業界が狙う「アニメファンの取り込み」 実写コンテンツより2次元コンテンツのほうが人気が高まる背景にある“演出映像”の事情》では、アニメファンの取り込みを狙う業界の現状について、藤井氏が“演出映像”制作現場の事情を踏まえて詳しく解説している。 

 

 

 
 

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