( 306378 )  2025/07/10 06:25:44  
00

函館市電が車内の空調設備に家庭用のルームエアコンを設置したことが話題になった。

2025年7月1日にNHKキャスターの堀若菜さんがその様子をSNSで紹介し、多くの注意を集めた。

市企業局交通部によれば、車両改良時に既存の車両への空調装置搭載が困難であったため、ルームエアコンの導入が決定されたが、冷房能力は外気温が高い日には不十分であることもある。

ただし、運転士がリモコンで操作する一般市販製品を使用しており、最適な温度を保つために常時最低温度設定で運転されている。

その他、同様の取り組みは他の交通機関でも行われている。

 

 

(要約)

( 306380 )  2025/07/10 06:25:44  
00

函館市電 

 

 函館市内を走る路面電車・函館市電で、車内の空調設備として家庭用のルームエアコンを設置していることが話題となった。2025年7月1日、NHK函館放送局のキャスターで、フリーアナウンサーの堀若菜さんがXで紹介し、注目を集めたことがきっかけだ。 

 

 なぜルームエアコンを車両に取り付けたのか。また、冷房の効きめのほどは。函館市企業局交通部に聞いた。 

 

■電車用の空調装置を「既存車両へ搭載することは非常に困難」 

 

 鉄道が趣味の堀さんはXで「函館市電の暑さ対策、それは」「車内にルームエアコン」として、函館市電の車内に設置されたエアコンの写真を公開した。さらに「皆さん気になる室外機ですが、なんと屋根上に取り付けられています」とも紹介すると、「斬新すぎますね」「室外機は上かいw」「絵面がおもろいな」といった反響が寄せられ注目を集めた。 

 

 なぜ、車両にルームエアコンを設置したのだろうか。8日にJ-CASTニュースの取材に応じた市企業局交通部安全管理課は、「車内に室内機2台、屋根上に室外機2台を設置し、空調専用補助電源装置1台も屋根上に搭載しています」とし、21年に車体改良工事を行った際に搭載したと説明した。 

 

 安全管理課によると、改良前、車両30両のうち空調装置を搭載していた車両は8台のみで、利用客から「冷房の効いた車両」の要望が多数寄せられていたという。しかし、電車用の空調装置は「車体形式ごとの専用設計となるため、非常に高額となることや、重量があるため車体の剛性を強化する必要もあり、既存車両へ搭載することは非常に困難であった」と説明した。 

 

 こうしたなか、とさでん交通(高知市)で車両へのルームエアコンの搭載実績があることがわかった。そこで、「搭載について課題を整理したところ、技術的および費用的に現実的であると判断できたため」、「8101号車」と呼ばれる車両へ搭載することとしたという。 

 

 

 では、冷房の効き具合はどのようなものなのだろうか。市企業局交通部安全管理課は、 

 

「空調専用電源の電源容量に対応できる冷房能力の最も大きい機種を搭載しているものの、必要な冷房能力を満たしていないため、外気温が極端に高い日は適温にならないこともあります」 

 

と回答した。 

 

 なお、一般市販製品のため、操作は運転士がリモコンで行っているという。設定温度については、停車場ごとに扉を開閉するほか、利用客の乗降もあるため「その都度、車内温度が一気に上昇するため、常時最低温度設定で運転しています」とした。 

 

 ちなみに車両にルームエアコンが搭載されている例は、函館市電やとさでん交通のほか、鉄道総合技術研究所が開発したバッテリーハイブリッドLRV(低床式車両)などがある。 

 

 

 
 

IMAGE