( 306878 )  2025/07/12 06:05:49  
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総務省の「令和6年版情報通信白書」によると、2023年時点でスマートフォンの世帯保有率は90.6%となり、電車内で多くの人がスマホを操作する光景が一般的になっている。

しかし、この状況に違和感を感じる人もおり、お笑いコンビの伊達みきおがその異様さを指摘した。

さまざまな年代の人々が電車内でスマホをどのように活用しているかの実例が示され、長時間の通学時間を有効に使う方法や、動画視聴、情報収集などが語られた。

また、この行動は時代の変化によるものであり、スマホが普及する前も同様の行為が行われていたという指摘もあった。

ただし、スマホ使用による周囲への配慮も大切だ。

(要約)

( 306880 )  2025/07/12 06:05:50  
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電車の中で、何してる?(イメージ) 

 

 総務省「令和6年版 情報通信白書」によれば、スマートフォンの世帯保有率は2023年時点で90.6%。今やスマホが多くの人の生活に欠かせないアイテムであることは言うまでもなく、電車内では、立っている人も座っている人も、乗客の多くが手に持ったスマホの画面を見ている光景が“当たり前”になった。 

 

 しかしそういった習慣に違和感をおぼえるという声も根強い。お笑いコンビ・サンドイッチマンの伊達みきおは、先日出演したラジオ番組内で、久しぶりに通勤ラッシュの山手線に乗ったら全員スマホを見ていたというエピソードを、「びっくり。異様な光景だね」と驚きとともに明かした。伊達は「全員取り憑かれてるかのようにスマホ見てる」と表現し、Xには〈これわたしも思ってた〉〈何見てるんだろう?〉など、共感が相次いだ。 

 

 さて、電車内で乗客全員がスマホを見ているのは“異様な光景”なのか、“当たり前”なのか。また、電車内でスマホを見ている人たちは、一体何をしているのか──。 

 

 神奈川県の自宅から片道2時間弱ほどかけて都内の大学に通うAさん(20代女性)は、「電車の中でスマホを見ない日はない」という。 

 

「3本の路線を乗り継ぐのですが、電車に乗っている時間だけで最寄り駅からだと60分+30分+10分という感じなんです。長時間になる電車内での時間は有効活用したいので、私にとって電車は勉強や課題をする場所。電子書籍を読んだり、調べ物をしたりできるし、簡単なレポートならスマホを使って終わらせるようにしています」 

 

 長い通学時間が苦痛でないかといえば、Aさんは「むしろ作業に集中できる」とポジティブに捉えている。 

 

「家だと誘惑が多いけど、電車は作業に集中できます。逆に言えば本や雑誌を読むのは電車に乗る時だけなので、出かけない日が続くと一気に何も読まなくなります」(Aさん) 

 

 一人暮らしをしながら都内の専門学校に通うBさん(20代男性)にとって、電車の中は「スマホで動画を見る時間」だという。 

 

「アイドルや芸人のYouTubeか、アニメを見ていることが多いですね。何もしないよりは、動画を見ていたほうが落ち着くというか。僕の親は、家でずっとテレビをつけている人なんですけど、そういうノリかもしれません」 

 

 また、埼玉県の自宅から都内の企業に通勤するCさん(30代男性)も、「電車に乗ったらすぐスマホを取り出す」タイプ。「基本的に情報収集をしている」という。 

 

「ネットニュースを読んだり、飲み会の店をどこにするか調べたり。スマホを出さないことはないですね」 

 

 

 こうした“電車内でスマホを見る”行為について、「時代とともにデバイスがかわっただけ」という指摘もある。メーカー勤務のDさん(40代男性)は、「紙の本や新聞がスマホになっただけでは」と語る。 

 

「昔はスマホがなかっただけで、電車内で何かできることがあればやったもの。私も予備校時代は電車内で覚える用に単語カードを作っていましたし、マンガも読んでいました。そういえば、私が子供の頃は、男性サラリーマンが電車内で少年漫画雑誌を読みふけっていたものです。なんならそれを揶揄するような風潮もありました。いつの時代も、自分がやらないことを大勢の人がしていると違和感をおぼえるものだということは変わらないのでは」 

 

 Dさんより一回り年上であるEさん(50代男性)は、「イヤホンで音楽を聴いていることも“異様”だと言われていることもあった」と述懐する。 

 

 電車の中が個人の時間に没頭できる空間という意味では、今も昔も同じだということなのだろうか。ただしスマホの場合、歩きながら見たり、通路を塞いで周囲の迷惑になっていたりしかねないのは気をつけたい。 

 

 

 
 

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