( 307364 )  2025/07/14 05:40:44  
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令和時代のコメ騒動が続く中、各政党がコメの増産を掲げている。

自民党は生産者が安心して取り組める政策を提案し、立憲民主党は農地の維持を重視している。

農業現場では、増産や大規模化に対する戸惑いや不安の声が上がっており、特にコストや資金繰りの問題が指摘されている。

農家の収入安定と消費者が手に取りやすい価格を両立させるためには、政治の支援が求められている。

(要約)

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食卓を揺るがせる“令和のコメ騒動”は今も続いています。そうした中、各党はコメの増産を掲げていますが、現場からは戸惑いの声が上がっています。 

 

■減反から増産へ…参院選控え“コメ公約”続々 

 

米どころ・新潟選挙区に応援に⼊ったのは、 “コメ担当⼤⾂”こと⼩泉農⽔⼤⾂。 

 

“令和のコメ騒動”が続く中での選挙戦で、コメの価格をどこに落ち着かせるのかは、消費者と⽣産者、双⽅の⼤きな関⼼事です。 

 

⼩泉農⽔⼤⾂ 

「こいつ、(コメの値段を)下げることしか考えてないんじゃないかと。こういう⾵に思っているコメ農家さん、いらっしゃると思う」 

 

コメ5キロの⼩売価格は、銘柄⽶ではいまだ平均4300円ほどに⾼⽌まりしていますが、⼩泉⼤⾂が⼤量放出を決めた備蓄⽶を含めれば、3600円台にまで下がってきました。 

 

ただ、備蓄⽶の放出はあくまでも緊急の措置。今回の選挙で⾃⺠党が掲げるのは「増産」です。 

 

⼩泉農⽔⼤⾂ 

「⽣産者の皆さんが安⼼して増産にも取り組める。安⼼しておコメを買える、そういった⽅向に必ず両⽴させていく」 

 

対する⽴憲⺠主党も、減反によってコメの⽣産を抑えてきた“⾃⺠党農政”からの転換を訴えます。 

 

⽴憲民主党  野⽥佳彦 代表 

「農地が減り続けて、⾷料安全保障なんて⾔えるわけない。農地を守っていかなければいけない。農政の転換を図るための参議院選挙」 

 

増産の必要性をうたうのはどちらも同じ。では、どうやってそれを実現するのか。 

 

コメ作りの現場からは、⼾惑いや不安の声が上がります。 

 

農業法⼈「中森農産」中森剛志社⻑ 

「増産といっても生産能力を高める、となると、時間がかかることなので…」 

 

■現場から噴出する“戸惑い” コメ農家の実情 

 

“令和のコメ騒動”を受けて、参院選で問われる政策。コメの増産を掲げる⾃⺠党は… 

 

⾃⺠党  ⽯破茂 総裁 

「どんどん規模拡⼤ができるわけではないが、⽥んぼがバラバラにあると、どうしても⽣産効率が上がらない。(⼤規模化など)基盤整備をきちんとやる」 

 

 

⽣産効率を上げるため、農地の⼤規模化を進めるといいますが、コメ作りの現場から求められているのは、そのための具体策。 

 

農業法⼈「中森農産」中森社⻑ 

「⼤規模化はコストがかかる。⼤規模化したら、コメが翌年穫れるまでの間の資⾦繰りが悪化する。資⾦繰りに対するサポート含め(国が)⽀援しないと、農家は⼤規模化しようとは思わない」 

 

埼⽟県で東京ドーム70個分もの⼟地を使って、コメなどを栽培する農業法人「中森農産」。 

 

⾼齢で後継ぎのいない農家に⼟地を借りながら⼤規模化に取り組んでいますが、現状では、⼟地の集約にも⼿間がかかりすぎるといいます。 

 

農業法⼈「中森農産」中森社⻑ 

「⼤規模農家がより農業をやりやすい環境を作らないと農業の担い⼿が育たない。(例えば)電気 、ガソリンに対して、政府は10兆円規模の⽀出で価格を抑えてる。コメに関しても、そういうセーフティネットを作るべき」 

 

■求められるのは官民一体…通気一貫の農業支援を 

 

今回、自民党はAIなどの活⽤や農地の⼤規模化に向け、「思い切った規模」の予算確保を⾏うと公約。一方で、増産を実現できたとしても、それによってコメ価格が下落しすぎた場合の対応も問われます。 

 

千葉県で半世紀以上コメ作りを続けてきた兼業農家は… 

 

兼業農家 伊藤秀雄さん(74) 

「増産増産でやっていると、また増えすぎてコメは下落するから、生産者がまた大変になる」 

 

ここ数年、肥料や農機具、燃料などの経費が倍増。コメの買い取り価格が上がらなければ、農業を続けていけないといいます。 

 

兼業農家 伊藤さん 

「我々が作ったコメを安定価格にしてほしい。(⽣産コストを)下回った場合の所得補償を誰がするんだという話。市場(価格)任せでは農家が持たない」 

 

農家への所得補償を掲げるのは⽴憲⺠主党。 

 

農地の維持に対する補助⾦を出すほか、新たな農業の担い⼿を増やす予算を10倍にするとしています。 

 

⽴憲民主党  野⽥代表 

「かつて農業者の⼾別所得補償制度を、我々が政権を預かってるときに実現をした。私どもは今回、それを単に復活するんではなくて、むしろバージョンアップして、⾷料確保と農地維持のための直接⽀払制度を導⼊することを決断した」 

 

ただ、⼤規模化による本格的な増産を⽬指すなら所得補償だけでなく、さらなる国の関与も必要だといいます。 

 

兼業農家 伊藤さん 

「稲作というのは経営コストが⾼い。春のもの(⽥植え)から秋のもの(収穫)まで、(農機具を)全部揃えないといけない。⽣産基盤としての整備の責任は、国がやらないとできない」 

 

コメ農家の安定的な収⼊と、消費者が⼿に取りやすい価格。両者のニーズを満たすために、政治に何ができるかが問われています。 

 

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