( 308511 ) 2025/07/18 06:56:59 0 00 2025年7月15日、石破茂自民党総裁が参院選投票日まであと5日に迫った四国中央市での街頭演説で、野党が主張する「ガソリン暫定税率廃止(通称:ガソリン減税)」について厳しい見方を示しました。
かねてから議論されているガソリン減税ですが、どのような見解を示しているのでしょうか。
演説する石破茂首相(自民党総裁)(画像:時事通信)
まもなく迎える「第27回参議院議員通常選挙 参院選2025」。
その投票日は7月20日となり、このところ連日のように各政党による熾烈な選挙合戦が繰り広げられています。
各党はそれぞれの主張を掲げていますが、クルマ好きが気になるのは「ガソリン減税」です。
ガソリン暫定税率とは、1974年に当時の田中角栄政権が道路の建設・整備の財源不足を補うために導入したもの。
その後2度のオイルショックなどを経て1979年以降25.1円となりました。
暫定税率は2008年3月末に一旦失効しましたが、当時の福田康夫内閣が存続を図ったことで復活。
2009年4月には税金の使い道が限定されない一般財源化されたという経緯があり、2010年度の税制改正において、1リットルあたり53.8円のガソリン税率が「当分の間」維持されることが決定し、現在に至っています。
ガソリン税53.8円の内訳は、1949年に定められた本来の税率分が28.7円、1974年から上乗せされた税率分が25.1円となり、この上乗せ分(25.1円)を一般的に暫定税率と呼びます。
こうしたことから、現在のガソリン1リットルあたりの小売価格は(ガソリン自体の価格+石油石炭税2.8円+ガソリン税53.8円)×1.1(消費税10%)という計算式で算出されています。
実は、このガソリン暫定税率をめぐっては政治の駆け引きが進行中です。
遡れること2024年12月に自民・公明両党と国民民主党の幹事長が会談し、時期は未定であるもののガソリン税のうち「暫定税率」と呼ばれる部分を廃止する方針で合意しました。
その数日後の12月20日に自民・公明両党は「令和7年度与党税制改正大綱」を決定。
大綱の記載内容は「いわゆる『ガンリンの雪定税率』は、廃止する。上記の各項目の具体的な実施方法等については、引きき関係者間で散に協議を進める」となっています。
これにより、高騰を続けているガソリン価格が抑えられることにつながると期待されていました。
その後7月4日には、自民党の森山裕・幹事長は「今年度で終了するためには、12月に税制改正で方向性を決めることが重要」と発言しています。
これに対し、国民民主党の玉木雄一郎・代表はSNSで「ガソリン暫定税率の廃止は、昨年12月に自公国の幹事長間で決定済みの話。むしろ、来年4月まで絶対に廃止しない宣言だ。今年12月に、代わりに増税を決めるつもりだろう」と指摘していました。
そうした中で、今回石破総裁は応援演説の中で「ガソリン暫定税率廃止。それはいいことだ。ガソリンが安くなるいいことだ。だけど地方分だけでガソリン暫定税率愛媛県で57億円です」と指摘。
さらには「ガソリン暫定税率を廃止すると、愛媛県の道路、愛媛県の橋、愛媛県のトンネル、最近道路が陥没するようなことが起こる」と警告しました。
また「それただでは直せんのですよ。その金は吹っ飛ぶのですよ。暫定税率廃止。じゃあそれで吹っ飛ぶ愛媛県分で57億円。どうすんですかって言って、それは政府が考えろ。そんな話ありですか?」と野党の主張に対して反論していました。
今後どうなるガソリン減税…気になる人は多い!
この石破総裁の発言に対して様々な反響が出ています。
ユーザーからは「暫定税率の廃止は決まってるんやし、そもそも暫定なんやろ。さっさと廃止しろ」、「ガソリン減税って決まった話なのに、なぜ否定しているの?」、「いらないことに金を使って必要な政策には金を使わない。どうにかして」などの声。
また「森山幹事長は廃止を決定したと発言しているのに、石破総理は困るのは地方、とか意味がわからない」という声もありました。
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以前までであれば「ガソリン暫定税率から得られる税収は道路整備など地方のインフラ維持に使われている」という石破総裁の話は一理ありましたが、現在は一般財源化されています。
今後、ガソリン減税の議論は12月の税制改正に向けて本格的な議論が始まる見込みです。
本山かおる
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