( 309139 ) 2025/07/20 07:43:12 1 00 参議院選挙が迫る中、外国人をめぐる政策が重要な議題となり、経済同友会が研修会でその共生について意見交換を行いました。 |
( 309141 ) 2025/07/20 07:43:12 0 00 参議院選挙で外国人をめぐる政策が争点の1つになる中、経済同友会が研修会で外国人との共生などについて議論しました。
ことしの経済同友会の夏季セミナーでは、経営者らが一堂に集まり、参院選を前に様々な政策について議論を重ねました。参院選で受け入れ規制などを含め、外国人をめぐる政策が争点になる中、外国人労働者の受け入れも議論の主要テーマに。共生に向けた提言が相次ぐ中、外国人労働者をめぐる課題について、3人の経営者に話を聞きました。
――参院選で外国人をめぐる政策が1つの争点に急浮上している現状をどう受け止めているか?
外国人の方が少しずつ増えていき、国民全体にどうなっていくのだろうという不安がある中で、焦点が当たってしまったという印象。ファクトが大事で、一部には治安の問題があるのかもしれないけれども、それが非常に拡散されてしまっているというのがいま起きている現象ではないかなと思う。日本の未来を考えた時に、人口減少を前提にしていくと、日本社会やインフラを維持していくためにはデジタル化を進めるだけでは不足していて、そこに外国人の方も一緒になって活躍していく社会を作っていくことが必要なのではないかなと思う。
――外国人を受け入れるにあたってのルール作りの必要性についてはどう考えているか?
日本の人口の3パーセントくらいが外国人と言われていて、このままいくと2040年には1割を超えるのではないかと言われている。いまは自治体任せになってしまっているので、国が大きな方針を立てて、国だけじゃなく地方自治体そして企業が、それぞれ役割を果たすということを決めることが必要だと思います。我々も自治体に任せるだけでなく、企業としての役割を果たしていくことが共生社会の大前提ではないかと思う。
――外食産業では外国人材が不可欠の状況になっている中で、業界として外国人人材をどのように活用していくべきと考えているか?
我々の会社でも外国の方が増えてきていて、日本人とはまた違ったサポートが必要だと思う。銀行口座を開設するとか、家を借りるとか、日本人が普通にできることも外国人は苦労すると思うので、それに対するしっかりとしたサポートが必要だと思う。我々も人事の中にグローバルサポートチームというのを作っている。外国人の日常の生活、日本語教育を支援する体制を作って、今後もっと外国人が増えてきた時に、外国人の方々も周りも不安なく仕事できる環境を作っていくことが重要だと思う。
――この問題に関して国に求めることは何か?
静岡県知事は規律ある対応をされているが、地方によっては苦労されているところもあると思う。大前提として国が司令塔機能を果たすべきことだと思う。外国人といっても入管で法務省の問題、厚労省の問題、様々な省庁に分かれている議論なので、内閣府などで担っていただく必要があると思う。
――参院選で外国人をめぐる政策が1つの争点に急浮上している現状をどう受け止めているか?
突然ホットイシューになったと思っていて、多少驚いた面はあるが、特定技能の制度ができて、2号になって領域も広がっていて、外国人の方がコロナの後に徐々に増えていっているという状況において、日本社会が考えていかないといけない、真正面から捉えて議論していかなければいけないテーマだ。これをきっかけにあるべき姿を話し合えるという意味ではよかったのではないかなと思う。
――外国人を受け入れるにあたってのルール作りの必要性についてはどう考えているか?
ルールなく秩序ない外国人のニーズの拡大というのは社会にとってまた日本にとってよくないことだと思うので、それ自体は必要だと思う。ただ、今出てきているのはネガティブチェックで、それをどう規制するのかという議論が中心になっているので、日本社会が人口減少して労働力が減って、外国人の力を借りていかなければならない、そういうことをもっと受け止めながら、その良さも考えないといけないし、グローバルな発想でみれば、どのように外国人を受け入れて、より働きやすい過ごしやすい環境を作るかという視点も必要だと思う。外国人と共生するために必要なポジティブな面と、問題が起きないように秩序あるルールをどうするかというのを話し合うべきだと思う。
――リゾート産業でも外国人材が多くなってきている中で、業界として外国人人材をどのように活用していくべきと考えているか?
特定技能で3万人の枠をいただいているが、数百人の採用にしか至っていないのが現状。ホテルやリゾート業も人材が不足しているので外国人への対応を期待しているが、まだまだ受け入れ体制はできていないのが現状だ。業界としては、ある程度の日本語能力が必要だということで対応力がある方が限られている。あとは地方の旅館業は中小企業の方も多いので、事業者としての受け入れをその事業規模でやり切れるかというとなかなかできないという面がある。自治体の受け入れ体制の濃淡があり、その格差で受け入れられる事業者とそうではない事業者が出てきている。それをどう解決するかは重要。本来行政プログラムは8割くらい同じことをするはずだが、自治体任せではなく国としての方針ややり方、仕組みを作っていくことが重要で、その上で、各自治体に落としながら可及的速やかに対応することが大事だと思う。企業にとっても差が大きいので、日本語教育とか日本文化に馴染むためにはこういうことをしないといけない、という面があり、それに対応する時間が必要だが、各事業者で用意するのは難しいので、そういったプログラムは行政に用意していただきながら、そこに通える時間を事業者が用意していくというのも必要なのかなと思う。
――この問題に関して国に求めることは何か?
2030年までは人口は持つと思ってるんですが、ただ2030年以降は減っていく、足りなくなっていくというのがどの領域でも感じていて、さらにそういう状況になっていくと思う。それは都心よりも地方の方がさらに深刻だ。そうなってくると地方で労働力不足になる、そうなるとさらに人が流出すると思う。働きやすく都心に、働ける場所に移動するとなると、地方がもっと縮小するということを考えないといけないので、外国人問題はまさに地方が積極的にどのように受け入れ体制を持つべきか意思表示をするべきではないか。その上で、国が各自治体に業務を投げるのではなくて、国自身が司令塔になってあるべき姿を描いていくことが大事だ。
――参院選で外国人をめぐる政策が1つの争点に急浮上している現状をどう受け止めているか?
日本人は慣れてないなという印象。セミナーで議論されたが、外国で起きてるようなネガティブな部分は日本では起きてなくていいなという感覚を持っていたんだろうと思う。一方で、実際には外国人労働者に頼らないといけない現実もすでにあるし、隣に住んでいたりと、認識されてきた。もう一つはインバウンドの旅行者が多くて、外国人を隣で見聞きしたり、電車や新幹線に乗っても隣でしゃべってたり、ホテルでも見たりと、非常に身近になってきたということから、感情的な反応が強く出て来てるなという背景はあるのかなと思う。
――外国人を受け入れるにあたってのルール作りの必要性についてはどう考えているか?
静岡県知事による事例を学んだ。そういう自治体に住んでない人は何も知らないので、野放しになるんじゃないかという感覚が強い。そこはリテラシーというか勉強しないといけないし、もっと成功例をマスコミも含めて報道していただいて勉強しないといけないという感覚はある。定住を前提とした国の政策になっていないというのはあるので、そろそろ国もはっきり腹を固めて明確にする必要があるんじゃないかと思う。摩擦はあると思うが、国益ということを考えたらそこは明確にしていかないといけないと思う。
――ブルーカラーでも外国人材が多くなってきている中で、業界として外国人人材をどのように活用していくべきと考えているか?
元々海運を経験していて、船の乗組員は9割くらい外国人だ。1980年くらいからそういう歴史がある。船の場合は船に乗ってる時だけ日本人と外国人が一緒にやってるだけでそのあとは生まれ故郷に帰るので、トラックや倉庫とは違うが、日本はそういう経験を積んできた期間が短いんだと思う。トラック運転手はまだ外国人が多くはないが、外国人にやっていただかないといけないところが増えていると思う。一方、外国人が免許を勝手にとって事故を起こしてるんじゃないかなどと批判されてるので、しっかりしたスクリーニングをして皆に理解してもらう必要性はあると思う。
――この問題に関して国に求めることは何か?
外国人労働者は必要なんだという一方で、移民はいないんだということが、今までは定住しないで帰る人が多かったと思うので、この2つの原則は両立できたんだろうと思う。でも今はそれがだんだん両立できなくなっている。定住したい、永住したいという人が増えている。企業も永住ベースにしないと優秀な人をずっとキープできないというのが現実問題として起きているから、ここははっきりと永住してもらう人が必要になってきたので、そのためには何すればいいのか、というのを国は明確に国民にちゅうちょなく言うべきだと思う。どうしても選挙で日本ファースト的なことを言うのがウケて、外国人に融和的なことを言うと選挙に勝てないという恐れを持っているようだが、日本の政治家なのだからその点は語るべきだと思う。
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