( 310259 )  2025/07/24 06:27:40  
00

山梨県の石和温泉が特集され、中国系企業が経営する旅館がインバウンド需要を取り込むことで客足が増えている状況が報告されました。

かつての団体旅行の賑わいから、現在は中国などの外国資本に買収された旅館が増えており、全体の約4分の1を占めるとされています。

しかし、宿泊客が多くても温泉街には人が少なく、地元商店は困っています。

地元自治体は、日本のルールや文化を共有し地域を盛り上げるよう提案しています。

(要約)

( 310261 )  2025/07/24 06:27:40  
00

FNNプライムオンライン 

 

「イット!」がシリーズでお伝えする、特集「買われるすみか」第2弾。 

今回向かったのは、とある温泉街です。 

 

東京都心から特急電車で1時間半。 

山梨県の石和温泉は、かつては社員旅行の団体客などでにぎわうなど、“首都圏の奥座敷”と呼ばれていました。 

 

そんな石和温泉にある1軒の旅館を訪ねてみると、何台もの大型バスから大勢の旅行客が下りてきました。 

 

耳を澄ませてみると、聞こえてきたのは中国語。 

中国からの団体客でした。 

 

この旅館、中庭ではニシキゴイも泳ぎ、和のしつらえがふんだんに施されていますが、現在のオーナーは中国系企業だといいます。 

 

楽気ハウス甲斐路・宮健太支配人: 

(Q.中国人オーナーが買収した経緯は?)海外の方から見た日本の良さが新たにあると感じていたそう。経営が完全に変わったのが2023年。 

 

バブル崩壊後、長く続いた不況。 

そこにコロナ禍も重なり、町全体が苦境にあえいでいた石和温泉。 

 

しかし、この旅館は2年前に中国系資本に変わったことで、コロナ禍後のインバウンド需要を取り込み、客足が増えているのだといいます。 

 

楽気ハウス甲斐路・宮健太支配人: 

(インバウンド客は)多いときは5台のバスで来たりする。 

 

実は今、石和温泉ではここ以外にも複数の旅館が、中国をはじめとする外国資本に買収されているといいます。 

 

笛吹市観光商工課・角田一満課長: 

市の方で把握してるのは、大体10軒くらいあるんじゃないか。 

 

市の職員は、外国企業がオーナーの旅館の数は石和温泉全体の約4分の1程度ではないかと推測しますが、地元の組合に加盟していない旅館も多く、はっきりとは把握できていないといいます。 

 

外国資本の旅館は今後、さらに増える可能性も。 

 

中国のSNSには今、石和温泉に関する「富士山の麓にある旅館を譲渡します。投資のチャンス」といった投稿が。 

 

旅館業界に詳しい専門家は、石和温泉の旅館が売りに出された場合、その9割は外国資本に購入されていると指摘します。 

 

ホテル旅館経営研究所・辻勇自所長: 

(購入価格は)日本人の2倍は出しますよね。富士山が近い(というのが)1番人気がありますので。(さらに東京から)京都に行くちょうど中間、寄り道の地域になるんです。それで購入しても十分利回りが出る。売る側は本当は日本人がいいと思ってる方も多いが、(売れずに)廃墟になるよりはいいので。 

 

ただ、外国資本の旅館が増えた故の影響も取材で浮き彫りに。 

 

中国人宿泊客は多くいるものの、旅館を1歩出ると、温泉街にはほとんど誰も歩いていません。 

 

この状況に、地元の商店の人は「海外の人は全然来ない。(来るのは)近所の人や日本の観光客ばかりです」と嘆きます。 

 

旅館に人は戻ってきても、温泉街への恩恵はほとんどない現状。 

地元自治体、笛吹市観光商工課の角田課長は「日本のルールであったり、共有してお互いにこの地域を盛り上げていってもらえば」と話します。 

 

 

 
 

IMAGE