( 310334 )  2025/07/24 07:45:39  
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米国で国産のサトウキビ糖を使用したコーラ製品が今秋に発売される予定で、これにより需要が急増するリスクがある。

コカ・コーラはこの新製品を発表したが、高果糖コーンシロップからの全面的な切り替えには至らない見込みだ。

米国におけるサトウキビ生産は限られており、価格上昇のリスクが高く、国際市場価格の2倍以上に達している。

サトウキビ糖使用のコーラが成功すれば、国内供給に影響を与える恐れもある。

米国の砂糖価格は世界市場より高く、関税政策や気候要因が影響している。

コカ・コーラは供給業者と協力し、消費者の需要に応じた供給が可能だと考えている。

(要約)

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TBS CROSS DIG with Bloomberg 

 

(ブルームバーグ):米国で国産のサトウキビ糖を使用したコーラ製品が発売される予定だが、これにより米国内の需要が急増するリスクが高まっている。サトウキビ糖は米国内での生産が十分ではないほか、トランプ政権の関税政策の影響も大きく受ける。 

 

コカ・コーラは22日、米国産のサトウキビ糖を使用した新しい製品を今秋に発売すると発表。この計画は、先週トランプ大統領が示唆した高果糖コーンシロップ(トウモロコシから作られる異性化糖)からの全面的な切り替えには至らない一方、特に他社が追随した場合、米国はメキシコやブラジルからコストのより高い甘味料の輸入を増やす必要が生じる可能性がある。 

 

この動きは既に逼迫(ひっぱく)している供給網をさらに悪化させる恐れがあり、米国の企業と消費者にとってはトランプ政権の関税による市場混乱と相まって、価格上昇のリスクが高まっている。米国の粗糖先物価格は既に国際価格の2倍余りとなっており、その価格差は22日に過去最大に広がった。 

 

高果糖コーンシロップではなくサトウキビ糖を使用したコーラ製品は、とっぴなアイデアというわけではない。実際、メキシコなどでは以前から甘味料にサトウキビ糖が使用されている。米国内でサトウキビ糖を使用したコーラ製品が販売されれば、需要が低迷する現状においてルイジアナ州やフロリダ州の生産者を支援することにもつながる。 

 

しかし、問題は米国のサトウキビ生産量があまり多くないことだ。米農務省によれば、サトウキビ糖は米国の砂糖供給全体の約30%にとどまる。残りは輸入(2025-26年シーズンで約220万トン)、および米国内で栽培されるビート由来の砂糖となっている。 

 

サトウキビ糖使用のコーラ製品が成功した場合、米国内の供給に大きな影響を与える可能性が高い。需要増加により米国への最大の砂糖供給国であるメキシコや、世界最大の砂糖生産国であるブラジルからの輸入を増やす必要が生じ得る。 

 

 

米政府の長年の政策により安価に輸入できる甘味料の量には制限があり、国外からの調達はコストがかさむ。そうした背景から、米国内の砂糖価格は世界市場よりも高い状態が続いてきた。 

 

近年では、優遇措置が適用されるメキシコからの供給が干ばつにより減少し、米国は高関税の輸入品にこれまで以上に依存するようになっている。さらにトランプ大統領はブラジルに対する50%関税を警告しており、価格上昇リスクが高まっている。サトウキビ糖使用のコーラ製品がヒットすれば、需給はさらに逼迫する恐れがある。 

 

米農務省によれば、精製されたサトウキビ糖の価格は6月にポンド当たり52セント超と、高果糖コーンシロップを約12%、ビート糖を50%近く、それぞれ上回っている。 

 

コカ・コーラはサトウキビ糖の供給業者と協力しており、消費者の需要があれば市場への十分な供給は可能だと考えていると、ジェームズ・クインシー最高経営責任者(CEO)はFOXビジネスで語った。 

 

原題:Coke’s New Cane-Sweetened Soda Risks Upending US Sugar Supplies(抜粋) 

 

(c)2025 Bloomberg L.P. 

 

TBSテレビ 

 

 

 
 

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