( 311214 )  2025/07/28 04:20:43  
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参政党の神谷宗幣代表は、TBS系の報道番組「報道特集」が参政党の印象を貶める内容を放送したとして再抗議を行った。

同番組では、同党の政策や取材拒否に関する事実を報じたが、神谷氏は質問に対する回答期限が不当であると指摘し、編集が一方的であると批判した。

また、神奈川新聞との間での取材拒否についても説明し、記者の取材行動に問題があったと反論した。

この一連の騒動は、メディアの報道倫理や権力とメディアの関係についての問いを引き起こしている。

(要約)

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参政党の神谷代表(2025年7月22日撮影) 

 

 参政党の神谷宗幣代表(47)は26日、自身のX(旧ツイッター)を更新し、同日放送のTBS系報道番組「報道特集」(土曜午後5時半)の内容が「参政党の印象を貶める内容」だったとして再抗議した。同党は、今月12日放送の同番組に対しても抗議し、BPO人権委員会への申し立てを表明している。 

 

 神谷代表は今回の投稿で「先日、BPOに申し立てをしたTBSの「報道特集」がまた参政党の印象を貶める内容の番組を配信していたので抗議します」と表明。まず「番組の最後に『参政党に対する取材を申し込みましたが期限内に回答がなかった』旨の発言がありました」と紹介しながら、番組側からの質問状も公開。質問状では、参院選神奈川選挙区で当選した同党の初鹿野裕樹氏が、選挙中の街頭演説で、プラカードで抗議する市民を「非国民」と呼んだことに対する神谷代表の対応への質問や、同党の22日の定例会見で神奈川新聞記者の取材を拒否したことを問う質問が記載され、24日付の書面で、25日午後6時を期限としている。神谷代表は「取材依頼は7月24日に参政党担当者宛てに送られてきており、私がそれを確認したのは24日の夜でした。翌日に与野党党首懇談会を控え、忙しくしており、また25日も会談やテレビの収録が続き、25日の18時までという回答期限は無理な要求でした」と、事情を記した。 

 

 神谷代表はさらに「一方的に期限を区切り質問を送りつけるだけで、こちら側の言い分をしっかり取材することもなく、候補者の一部の発言を切り取り、記者の取材を受けなかったことと繋げるような編集をして、一方的に党の印象を貶める内容の番組が放送されたことを大変遺憾に感じています」と続け「まるで前回の我々の偏向報道との抗議に対して、仕返しをするかのような報道を目の当たりにし、改めてメディアの『報道倫理』とはなにか、を考えました」と私見を記した。 

 

 また「我々は特定の記者の乱暴な取材のあり方に強い問題性を感じ、防衛措置をとっただけであり、特定のメディアの取材を拒否したわけではありません。それを捻じ曲げて今回のような報道をするメディアの『報道倫理』を今一度報道業界の方々に問いたいと考えています」とした。 

 

 

 

 「報道特集」の26日の放送では「参政党の”メディア排除”を問う」と題して、参院選で躍進した同党が22日の定例会見で、神奈川新聞記者の取材を拒否したことを報道。まず神奈川新聞が参院選公示前の紙面で「政党や候補者に有利または不利になる可能性がある内容でも、有権者の政治的選択に資すると判断した場合は報道する」と告知した上で、選挙期間中に「参政党が外国人差別をあおる主張をしている」とのキャンペーン報道を展開したことを伝えた。 

 

 さらに、神奈川選挙区で当選した同党の初鹿野裕樹氏が、選挙戦終盤の川崎駅での演説で、参政党に抗議するプラカードを掲げる人たちを「ああいうのは非国民」と断じ、聴衆から拍手が起きた様子も動画で紹介した。これに対し、現場取材した神奈川新聞の記者が実名登場して批判した。同記者に発言の真意を直撃された初鹿野氏が「辞書で調べればわかる」と回答した動画も放送。神谷代表が後日の会見で「非国民という言葉は良くない。初鹿野さんにしっかり注意したい」と述べたことも伝えた。 

 

 番組は、参政党が神奈川新聞記者の会見取材を拒否したのは、その一連の出来事の後だったと説明。会見場で、記者と党スタッフが押し問答したやりとりも報じた。会見取材を拒否された同紙の石橋学記者も、実名で番組の取材に対応。初鹿野氏の「非国民」発言を追及する予定だったことを念頭に「都合の悪い記者を排除する、明らかに意図があった」と推察し、「権力の側が『いていい記者』と『いてはいけない記者』を分断して、排除していく。権力の暴走というものがすでに始まっている」と指摘した。 

 

 これに対し、TBS日下部正樹キャスターは「非国民という言葉は、権力側が気に入らない人物を排除する際に使う最強の言葉ですよね。戦前、警察や軍が『非国民だ』と言っては、権力に異を唱える人を次々、拘束、弾圧しました。人々は非国民呼ばわりをされるのを恐れて、口をつぐむか、他人を密告する。そんな社会になってしまった。参政党の初鹿野議員は元警察官ですよね。その彼が、公然と非国民と言い放ち、支持者が歓声をあげた。無視できないことだと思う。参政党の取材拒否ですけれども、公の政党が恣意(しい)的に記者を選別することの意味、これをまず記者の皆さんに考えて頂きたい。記者は権力者の広報ではありません」と批判。その上で「記者会見の出席拒否について、番組では参政党に取材を申し込みましたけれども、期限までに回答はありませんでした」と補足していた。 

 

 

 

 参政党は、神奈川新聞の取材を拒否したことについては、24日に公式サイトで経緯を説明。「同記者は、7月20日に投開票された第27回参議院選挙の選挙期間中、『しばき隊』と呼ばれる団体と行動を共にし、本党の街頭演説で大声による誹謗中傷などの妨害行為に関与していたことが確認されています」とし「記者会見は、本党の考えや立場を広く伝えるための大切な場であり、妨害や混乱があっては本来の目的を果たせません」と理由を訴えていた。神奈川新聞も「異論を封じようとするメディアの選別に強く抗議する」などと反論していた。 

 

 参政党はこれまでに、今月12日の「報道特集」の内容に対しても抗議。外国人政策についての報道をめぐり「選挙報道として著しく公平性・中立性を欠く内容が放送された」とし「報道特集」側も「報道には、有権者に判断材料を示すという高い公共性、公益性があると考えております」と反論している。参政党側はこの対応を不服としてBPO放送人権委員会に申し立てを行うことを表明している。 

 

 

 
 

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