( 311229 )  2025/07/28 04:38:23  
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20日投開票の参院選では、参政党の躍進が注目される一方、革新系古党である社民党と共産党の落ち込みが明らかになった。

両党の苦境は支持者の高齢化に加え、イデオロギー政党が時代遅れとされることが影響している。

共産党は参院選で目標の8議席に対して3議席に留まり、特に比例票が大幅に減少した。

社民党も厳しい状況が続き、政党要件を辛うじて維持したものの、党を巡る情勢は依然として厳しいものと見られている。

(要約)

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20日投開票の参院選では参政党の躍進が注目された一方、社民党、共産党という老舗の革新系政党の落日が鮮明となった。両党の苦境は支持者の高齢化に加え、特定の政治思想の実現を目指すイデオロギー政党が「時代遅れ」になったことが原因とも指摘される。 

 

共産の小池晃書記局長は27日のNHK番組で、党勢回復に向け「党の地力を大きくしていくことが一番の課題だ」と語った。共産は参院選で獲得8議席以上の目標を掲げたが、結果は3議席。牙城だった京都選挙区(改選数2)を落とした。特に比例得票数は、目標の650万票はおろか令和4年参院選に比べ75万票少ない286万票にまで落ち込み、れいわ新選組や日本保守党の後塵(こうじん)を拝した。 

 

田村智子委員長は21日の記者会見で「大変悔しく残念な結果だ」と述べる一方、衆参両院での与党過半数割れは「日本の政治にとって大きな前向きな変化」と自賛した。 

 

かつて共産は国政選挙で全選挙区に候補者を擁立するほどの力があった。力の源泉は党員を軸とした組織力と財政力だったが、党員数はピークの平成2年の約50万人から昨年は約25万人に半減。10年参院選では比例で819万票を得票したが、今は見る影もない。 

 

対策は講じてきた。無党派層も取り込もうと、16年に綱領を改定し、「天皇の制度」と自衛隊を当面存続させる方針を打ち出した。27年に成立した安全保障関連法をきっかけに当時の民進党などとの「野党共闘」路線を選んだ。昨年の衆院選では一転、比例票を積み増す狙いから選挙協力を限定したが、振るわなかった。党職員は「党員は高齢者ばかり。若者は共産党を知らない」と嘆く。 

 

社民党はさらに深刻だ。自民と「55年体制」の一角を担った社会党を源流とし、6年の自民、社会党、新党さきがけによる「自社さ政権」では、社会党の村山富市委員長が首相に就いた。村山氏は日米安保体制の堅持や自衛隊合憲、日の丸・君が代を容認し、従来の方針を大転換した。 

 

8年1月に社民党に党名を変更した後、一部の議員は民主党の結成に加わり分裂。社会党を支えてきた労働組合も離れていった。 

 

今回の参院選では「がんこに平和! ミサイルよりコメを!」を掲げ、公示直前にタレントのラサール石井氏を擁立。比例得票で2%超を確保し、政党要件を辛うじて維持した。福島瑞穂党首は21日、「有権者が『社民党、残ってくれ』と思ってくれた」と話したが、党を巡る厳しい情勢は変わらない。(千田恒弥) 

 

 

 
 

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