( 311316 )  2025/07/28 06:19:48  
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lielos_photograph/shutterstock.com 

 

夏休みがはじまりました。お子さんが家にいる時間が増え、エアコン代やお昼ご飯・お弁当、おやつ、また塾費用やおもちゃ、旅行、レジャー代などと普段よりお金がかかるご家庭が多いでしょう。 

 

ただでさえ物価高による、家計への影響は大きいもの。 

 

7月25日に公表された総務省「2020年基準 消費者物価指数 東京都区部 2025年(令和7年)7月分(中旬速報値)」によれば、生鮮食品を除く総合指数は前年同月比で2.9%の上昇。 

 

前年同月比でうるち米(コシヒカリを除く)81.2%、トマト 9.9%、宿泊料 6.0%などと物価も上がっており、出費は増えています。今回は子育て世帯のお金や生活事情についてみていきましょう。 

 

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厚生労働省の最新のデータ「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」によれば、子どもがいる世帯の総所得は820万5000円。 

 

そのうち、世帯員が勤務先から受け取った給料・賃金・賞与合計金額である雇用者所得(税金や社会保険料含む)は721万3000円です。 

 

そのため、子どもがいる世帯の平均年収は720万円前後が一つの目安となるでしょう。 

 

同調査より生活意識をみると、子育て世帯は以下の通り。 

 

●子育て世帯の生活意識 

 ・大変苦しい:33.9% 

 ・やや苦しい:30.4% 

 ・普通:30.6% 

 ・ややゆとりがある:4.6% 

 ・大変ゆとりがある:0.6% 

最も多いのは「大変苦しい」で3割を超えています。次に「やや苦しい」と「普通」が同程度でそれぞれ約30%でした。 

 

「大変苦しい」と「やや苦しい」の合計は64.3%。およそ3世帯に2世帯が生活を苦しく感じています。 

 

母の仕事状況をみると、18歳未満の子がいる家庭で仕事ありと答えた女性は80.9%と、2004年以降初めて8割を超えました。 

 

2004年の調査では56.7%だったため、当時よりも女性が働くことが一般的になっているとわかります。 

 

 

ここで、子育て世帯の貯蓄額を推測していきます。先ほど子どもがいる世帯の平均年収の目安が720万円とわかりました。 

 

ここでは総務省統計局の「家計調査 貯蓄・負債編 第8-2表<貯蓄・負債>年間収入階級別貯蓄及び負債の1世帯当たり現在高(二人以上の世帯のうち勤労者世帯)」を参考に、平均年収が720万円程度の世帯の貯蓄額を確認してみましょう。なお、こちらには子育て世帯以外も含みます。 

 

●年収700万〜750万円世帯の家族 

 ・世帯主の年齢:49.3歳 

 ・世帯人員:3.33人(うち18歳未満:0.96人) 

 ・世帯主の配偶者のうち女の有業率:63.1% 

 ・持ち家率:82.2% 

 ・平均年収:721万円 

●年収700万〜750万円世帯の貯蓄額 

 ・平均貯蓄額1224万円うち通貨性預貯金:443万円うち定期性預貯金:290万円うち生命保険など:263万円うち有価証券:201万円うち金融機関外:28万円 

貯蓄額は1000万円を超えましたが、世帯主の年齢が平均で49.3歳となっています。 

 

お子さんが小さい間は働き方をセーブする必要が出てくる場合もあり、貯蓄額が心もとないご家庭もあるでしょう。 

 

子育て世帯の多くが生活を苦しいと感じており、物価高が家計に響いて厳しい状況が変わらない中で、対策をとっていく必要があります。 

 

支出を抑える面では、負担なく行えるのが支出額の大きい固定費を見直すことでしょう。電気代やスマホ代などのプランの見直しを行ったり、不要なサブクスはなくしたりすることで、一度契約を変えれば継続して効率よくコストカットできます。 

 

収入を増やす方法としては、人が働くほか、お金に働いてもらう方法もあります。最近では家でもできる仕事も増えているので、まずは情報収集をおこなうとよいでしょう。 

 

また、余裕資金があれば、リスクはありますが資産運用を検討するのも一つです。 

 

たとえば現在40歳で毎月3万円の積み立てを65歳まで続けたとすると、「毎月3万円×12ヶ月×25年間=900万円」もの貯蓄となります。 

 

こちらで年利3%がつく資産運用を行えた場合には、金融庁「つみたてシミュレーター」で試算すると1338万円となります。 

 

ただし、資産運用にはリスクが伴いますし、運用成果は後にならなければわかりません。情報収集を入念に行い、家庭のリスク許容度を考え、納得のいく運用をすることが大切でしょう。 

 

いずれにしてもまずは情報収集をおこない、自身に合ったできることからはじめることを考えてみましょう。 

 

 ・厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」 

 ・総務省統計局「家計調査 貯蓄・負債編 第8-2表<貯蓄・負債>年間収入階級別貯蓄及び負債の1世帯当たり現在高(二人以上の世帯のうち勤労者世帯)」 

 ・総務省「2020年基準 消費者物価指数 東京都区部 2025年(令和7年)7月分(中旬速報値)」 

 ・金融庁「つみたてシミュレーター」 

 

宮野 茉莉子 

 

 

 
 

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