( 311614 )  2025/07/29 06:49:17  
00

ウインカーの使用は運転の安全を確保するための重要な装備であり、正しい使い方が法律で定められています。

しかし、JAF会員向けメディア「JAF Mate」の調査によると、98.5%のドライバーがウインカーを正しく使用できていないという結果が出ました。

中特に車線変更の際、3秒前に点灯させることができているドライバーはわずか1.5%しかおらず、ほとんどの運転手が交通法規を無視していることが分かりました。

これは、自他の安全を脅かす行為であり、運転手自身も自分の運転スタイルを見直す必要があります。

私たち全員がウインカーの適切な使用を再考し、運転の基本を守ることが求められています。

(要約)

( 311616 )  2025/07/29 06:49:17  
00

 クルマを運転中、進路変更をする際に、周囲に合図するために点灯させる「ウインカー」。安全に運転するためには正しく使用しなければならない重要な装備ですが、JAF会員向けメディア「JAF Mate」が行った調査によると、ウインカーを正しく使えていないドライバーが、なんと98.5%にも及ぶとのこと。 

 

 98%ということは、読者諸氏のみなさんも、そして筆者も、正しく使えていない可能性が高いということになります。いま一度、私たちは運転の「基本のき」を見直すべきかもしれません。 

 

 文:yuko/アイキャッチ画像:Adobe Stock_Kazuyuki-a19/写真:Adobe Stock、写真AC 

 

 進路を変更する際に合図として点灯させるウインカー(方向指示器)は、自車の動きを周囲の乗用車や二輪車、歩行者などへ知らせることで、事故を未然に防ぎ、円滑な交通を守るための装備です。この合図は、ドライバーの義務として道路交通法によって定められているもの。道路交通法第53条では「車両の運転者は、左折し、右折し、転回し、徐行し、停止し、後退し、又は同一方向に進行しながら進路を変えるときは、手、方向指示器又は灯火により合図をし、かつ、これらの行為が終わるまで当該合図を継続しなければならない」とされています。 

 

 合図を行う時期や方法については、道路交通法施行令第21条において、左折や右折、転回の際は「その行為をしようとする地点(交差点においてその行為をする場合にあっては、当該交差点の手前の側端)から30メートル手前の地点に達したとき」、同一方向に進行しながら進路を左方もしくは右方に変えるときは「その行為をしようとする時の3秒前のとき」と定められています。これに違反する行為は「合図不履行違反」として、違反点数が1点、反則金6000円(普通車)が科されます。 

 

 つまり、右左折や転回の際には「交差点の手前30メートル地点でウインカーを点灯させ、曲がり終えるまで点灯を継続する」ことが、正しいウインカーの使い方です。30メートルという距離は、乗用車で換算するとおよそクルマ6台ぶん。車間距離を考慮すれば、交差点に3〜4台先の車が差しかかっているような位置で、ウインカーを出す必要があるということになります。 

 

 特に左折時などは、直前まで点灯させないドライバーもいますが、右左折および転回の際に関しては、適切なタイミング(クルマ3〜4台ぶん手前)でウインカーを点灯させているドライバーも多く、守られていない面も少なくはないものの、(交通の状況にもよりますが)大半のドライバーの意識としては、道路交通法の規定からそれほどずれていないように感じます。 

 

 

 ただ、冒頭で触れたように、車線変更の際の「開始する3秒前に点灯をさせ、車線変更が終わるまで点灯をさせる」については、正しくできているドライバーはほんのわずかなのかもしれません。 

 

 冒頭のJAF Mateが行った調査は、東名高速の東京料金所付近で、上下線それぞれ100台ずつを2回の計400台を対象に行われたもの。この400台のうち、車線変更の3秒以上前からウインカーを点灯させていたのは1.5%しかなく、車線変更と同時に点灯させたのが42.8%ともっとも多い結果に。次いで多かったのが点灯から3秒未満で車線変更をしたのが37.1%、車線変更をしながら点灯させたのが18.6%だったそうです。 

 

 点灯を解除するタイミングについても調査が行われており、車線変更が完了するまで(この調査では4輪すべてが移動先の車線に移るまでとされた)ウインカー点灯を継続していたのは、わずか4%だったそう。点灯開始のタイミングと点灯解除のタイミング両方がパーフェクトだった車線変更はたった1%にとどまったそうです。 

 

  

 

 1%のドライバーしかできていなかった、ということは、ほぼすべてのドライバーが、道路交通法で定められた規定どおりのタイミングでウインカーを点灯させていないということ。 

 

 クルマを運転していると、ルールやマナーを無視して颯爽と駆け抜けていくドライバーをみかけることもありますし、周囲が譲ってくれることを前提にして割り込んでくるような自分勝手なドライバーをみかけることもあります。また周囲が全く見えていない、マイペースすぎるドライバーもみかけますよね。ただこのJAF Mateの調査結果からは、そうしたドライバーを「迷惑」とか「悪質」と考えている(筆者含む)私たちも、車線変更に関しては正しくできていない可能性が高いということになります。 

 

 教習所教わった進路変更は、(教習所によって多少違うようですが)まずウインカーを点灯させて意思表示を行い、3秒間ウインカーを点灯させている間に、ルームミラーとサイドミラー、そして死角となる位置を目視で確認して安全を確かめ、問題がなければ車線変更を行う、というものでした。ただ、おそらく多くのドライバーが、この一連の安全確認を、ウインカーを点灯させる前に行っているのではないでしょうか。 

 

 もちろん事前に周囲の状況を把握することも必要なのですが、車線変更を始める前にウインカーを3秒間点灯させることで、周囲に自車のこれからの行動を認知してもらう時間が長くなり、点灯させている間に一連の安全確認をもう一度行うことで、安全をより確かなものにすることができるという、運転の安全レベルを1段階、2段階と底上げすることができることになります。 

 

 ルームミラー→サイドミラー→死角の確認をしていれば、おおよそ3秒かかります。車線変更に関しては、「事前に通知すると、前を詰めて入れないようにするなど、意地悪される可能性がある」と考える節もあるようですが、確かにそういうケースに遭遇することもありますが、だからといって事前の合図もなく車線変更をすることは、そうした(意地悪をするような)マナー違反を超えた、ルール違反となる行為です。ルールに則った運転操作をせずに事故となってしまった場合は、過失割合に影響してしまう可能性もあります。 

 

 筆者自身も、自分の運転が本当に正しいか、あらためて見直してみようと思います。ぜひ皆さんも日々のウインカー操作を振り返ってみてください。 

 

 

 
 

IMAGE