( 312221 ) 2025/08/01 03:05:28 0 00 文部科学省
学校が楽しければ、子どもが良い成績をとることにはこだわらない――。そう考える保護者が増えていることが、文部科学省の調査で明らかになった。こだわらない保護者の子どもほど、勉強時間が短い傾向も出た。
文科省が31日に結果を公表した。調査は、約3年ごとに子どもの学力の変化を見る「経年変化分析調査」(2024年度)と共に行われ、全国から抽出された小学6年と中学3年の保護者計約10万人が対象だ。
「学校生活が楽しければ、良い成績をとることにこだわらないと考えているか」の問いに、「当てはまる」「どちらかといえば、当てはまる」と答えた保護者は、小6で59.7%、中3で52.4%。2013年度の初回調査より、小6で4.8ポイント、中3で6.0ポイント多い。
文科省の担当者は「不登校の子が増え、『楽しく登校してくれればいい』と思う親が増えた可能性がある」とみる。
別の担当者はコロナ禍の影響を挙げる。経済的に苦しい世帯が増え、「子どもの勉強や教育にまで手が回らず、成績を気にする余裕を失っているのでは」と話す。
子どもの学力について長年研究する耳塚寛明・お茶の水女子大名誉教授(教育社会学)は、少子化による競争の緩和を挙げつつ、「中学受験など熾烈(しれつ)な競争が上位層に残っているが、頑張っても割って入れないと思えてきたのかもしれない」とも。大学入試で学力だけではない総合型選抜が増えたことも背景にありうるとした。
調査結果では、保護者の意識が子どもの勉強時間に影響している可能性も見えた。
「良い成績にこだわらないか」の問いに「当てはまる」とした保護者の場合、学校外で子どもが平日1時間以上勉強している割合は小6で46.1%、中3で51.7%だった。一方、「当てはまらない」とした保護者の子どもは、小6で71.2%、中3で78.4%だった。(植松佳香)
朝日新聞社
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