( 312700 )  2025/08/02 06:27:53  
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国税庁の『令和5年分 民間給与実態統計調査』によると、日本の給与所得者の平均年収は458万円だが、手取りが増えない現実が多くの人に共通している。

男性の年収分布では400万〜600万円が集中している一方、女性は低年収の層が多く、特に非正規労働の影響が見受けられる。

年齢が上がると男性は収入が増えるが、女性は変動が少ない。

また、高所得者に課税が集中しており、800万円以上の年収の人は全体の11.1%で、税収の大部分を担っている。

国会議員の年収は民間の平均給与の約3.5倍であり、こうした実態に対する批判も高まっている。

(要約)

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(※写真はイメージです/PIXTA) 

 

国税庁『令和5年分 民間給与実態統計調査』などをもとに日本人のお金事情について見ていきます。 

 

所得税、住民税、社会保険料――日本は累進課税を採用しており、年収が上がればそのぶん課税額や保険料の負担も増えていきます。そのため、「給与は増えたはずなのに手取りが全然変わらない」という声は、いまや多くの働く人たちにとって共通の実感といえるかもしれません。 

 

実際、国税庁『令和5年分 民間給与実態統計調査』によれば、民間企業に勤める給与所得者の平均年収は458万円。一見するとそれなりの水準に見えるかもしれませんが、給与の分布を見ると、また違った景色が見えてきます。 

 

まず男性の給与分布を見てみると、最も多いのは「400万円超〜500万円以下」で17.5%(504万人)。次いで「300万円超〜400万円以下」が14.9%(430万人)、「500万円超〜600万円以下」が14.0%(404万人)と続きます。つまり、男性の3人に1人以上が年収400万円〜600万円の範囲に集中しているのです。 

 

一方、女性は「100万円超〜200万円以下」が最も多く20.5%(449万人)。次いで「200万円超〜300万円以下」が19.6%(430万人)、「300万円超〜400万円以下」が18.1%(395万人)となっており、多くの女性が非正規や短時間労働の影響で低年収にとどまっている実態も見えてきます。 

 

勤続年数別に平均給与を見ると、男性は長く勤めるほど給与も上がり、30〜34年の層が最も高く808万円。女性も同じく30〜34年の層が最も高く480万円ですが、男女間の格差は依然として大きく開いたままです。 

 

年齢別では、男性は60歳までは年齢とともに給与が上がり、55〜59歳の層で最も高い平均712万円を記録します。女性の場合、年齢による大きな変動は見られません。 

 

「真面目に働けば収入も増えていく」と考えたいところですが、見落としてはならないのが課税の構造です。 

 

たとえば、1年を通じて勤務した給与所得者のうち、年間給与800万円超の人は562万人(全体の11.1%)にすぎません。ところが、彼らが負担している税額は合計7兆8,135億円で、全体の所得税の65.7%を占めているのです。つまり、日本の所得税収の多くは、ごく一部の高所得者に依存している構造になっています。 

 

2025年2月時点での日本の人口は約1億2,344万人。そのうち労働世代(15歳〜64歳)はおよそ7,354万人ですが、800万円以上の年収を得ているのは全体のほんの一握り。しかも、その少数に多くの税負担がのしかかっているのです。 

 

 

では、国会議員の給与はどれくらいなのでしょうか。 

 

『国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律』では、下記のように定められています。 

 

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第一条各議院の議長は二百十七万円を、副議長は百五十八万四千円を、議員は百二十九万四千円を、それぞれ歳費月額として受ける。 

 

第二条議長及び副議長は、その選挙された日から歳費を受ける。議長又は副議長に選挙された議員は、その選挙された日の前日までの歳費を受ける。 

 

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この「歳費」は、いわゆる月給を意味します。議員1人あたり月129.4万円の歳費を受け取っており、民間平均給与(458万円)は約3.5ヵ月分に相当します。 

 

さらに、議員には月100万円の「調査研究広報滞在費」などの非課税手当も支給されています。こうした制度は、かねてから「一般的な働き方とかけ離れている」と指摘されてきました。 

 

物価上昇や実質賃金のマイナスが続くなか、働いても手元に残らないという感覚が広がる今、こうした政治家の待遇に対して、より厳しい目が向けられるのは自然な流れといえるでしょう。 

 

THE GOLD ONLINE編集部 

 

 

 
 

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