( 313548 )  2025/08/05 06:24:01  
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(※写真はイメージです/PIXTA) 

 

「働きたくても働けない」。年齢別の給与額を見れば、中高年男性の厳しい実態が明らかになっています。総務省『労働力調査(詳細集計)』(2025年1〜3月期平均結果)などとともに見ていきましょう。 

 

国税庁『民間給与実態統計調査』(令和5年)では、年齢別の平均給与が明らかになっています。その結果は下記のとおり。 

 

【年齢別平均給与・男女計/全体平均460万円】 

 

20〜24歳・・・267万円 

 

25〜29歳・・・394万円 

 

30〜34歳・・・431万円 

 

35〜39歳・・・466万円 

 

40〜44歳・・・501万円 

 

45〜49歳・・・521万円 

 

50〜54歳・・・540万円 

 

55〜59歳・・・545万円 

 

60〜64歳・・・445万円 

 

65〜69歳・・・354万円 

 

給与額のピークは50代後半。働き盛りの若い世代は、「これから頑張って働き続ければお金も順当に増えるのかな」と、少し明るい気分になるデータでしょうか。 

 

他方、中高年の間では「世代内格差」が問題視されている現実があります。就職氷河期に直面した団塊ジュニアの方々は特に、正規・非正規の深刻な格差を痛感していることでしょう。 

 

「就職氷河期」。今でこそ誰しもが知っている言葉ですが、政府が本格的な就職氷河期世代の支援を始めたのは2019年のこと。翌年、新型コロナが爆発的に感染拡大したことを踏まえると、やはり「不遇の時代」が今なお続いていることは想像に難くないでしょう。 

 

そして就職氷河期の先陣を切った世代、団塊ジュニア。第二次ベビーブーム世代を指します。おおよそ1971年〜74年生まれであり、現在50歳〜54歳の方々です。 

 

度重なる不況に苦しめられてきた団塊ジュニア。ひとつ前の世代はバブル期であり、売り手市場のなかで勤め先を決めたものですが、彼らは厳しい生活を余儀なくされました。 

 

総務省『労働力調査(詳細集計)』(2025年1〜3月期平均結果)によると、非正規の職員・従業員数は2,163万人。 

 

非正規となった理由については「自分の都合のよい時間に働きたいから」763万人、「家計の補助・学費等を得たいから」375万人、「家事育児・介護等と両立しやすいから」225万人、「正規の職員・従業員の仕事がないから」178万人、「専門的な技能等を活かせるから」162万人、「通勤時間が短いから」113万人、となっています。 

 

ただ、上記は男女合計のアンケート。働き方の多様化が進んではいますが、女性の場合、家事をしながらパートで働くという選択肢を取るのも一般的といえます。 

 

そこで男性に限ったアンケート結果を見ていくと、「自分の都合のよい時間に働きたいから」238万人に続き、「正規の職員・従業員の仕事がないから」の88万人が多くなっています。 

 

 

厚生労働省『賃金構造基本統計調査』(令和5年)では雇用形態の賃金格差を年齢別に公開しています。45〜49歳男性、正社員・正職員の賃金は「40万6,400円」、正社員・正職員以外の賃金は「24万5,700円」。50〜54歳男性、正社員・正職員の賃金は「42万8,300円」。正社員・正職員以外の賃金は「26万2,500円」となっています。16万円超の給与差額。日々の生活が案じられることは間違いありません。 

 

40代〜50代の方々の両親は、現在70代〜80代が中心です。人生100年時代とはいえ、親の介護や生活費の支援など、時間的・経済的な負担がのしかかる世帯も少なくありません。何より、自分自身の老後にも備えなければなりません。 

 

「働きたくても働けない」。中高年男性の辛い悲鳴は、データとなって確実に表れています。 

 

THE GOLD ONLINE編集部 

 

 

 
 

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