( 314753 ) 2025/08/09 07:24:03 0 00 竹内英明 元県議
兵庫県の斎藤元彦知事の疑惑を調査する百条委員会の委員を務めていた竹内英明元県議の名誉を棄損したとして、竹内元県議の妻がNHK党の立花孝志党首を名誉棄損の疑いで刑事告訴し、兵庫県警が受理したことがわかりました。
告訴に踏み切った妻は8日、「表に出ることで再び批判にさらされる、攻撃されることを恐れる気持ちが今も私の頭を支配しているが、私は夫の尊厳を守りたい。夫は『黒幕』ではありませんし、誰かを貶めるようなことはしていません。夫の代わりに声をあげられるのは私しかいない」と語りました。
立花孝志氏
竹内元県議は昨年11月の知事選投開票日の翌日に「一身上の都合」を理由に辞職し、今年1月に死亡しました。発見時の状況から自殺とみられています。
告訴状によりますと、立花氏は去年12月、自身が立候補していた泉大津市長選挙の街頭演説で、竹内元県議について「警察の取り調べを受けているのは間違いない」などとウソの発言をし、名誉を棄損したとしています。
また、竹内元県議が亡くなったことが判明した直後にも、立花氏は動画投稿サイトでのライブ配信中に「竹内元県会議員、どうも明日逮捕される予定だったそうです」「本人は逮捕される前にも自ら命を絶ったのではないかと。お亡くなりになったといっても自業自得であったとしか言いようがない」などと発言し、名誉を棄損したとしています。
兵庫県警の村井本部長(当時)
立花氏が発言した「逮捕される予定だった」という情報が拡散されたことを受けて、当時の兵庫県警の村井紀之本部長は今年1月に行われた県議会の警察常任委員会で「全くの事実無根」と否定。「(竹内元県議を)被疑者として任意の調べをしたこともないし、逮捕するといったような話は全くない。明白な虚偽がSNSで拡散されているのは極めて遺憾だ」と述べる異例の措置がとられました。
その後、立花党首は動画投稿サイトで「警察の逮捕が近づいていて、それを苦に(竹内氏が)自ら命を絶ったというのは間違いだった。訂正させていただく」と述べ、謝罪しました。
妻の代理人によりますと、告訴状は6月に受理されたということです。
8日に会見した竹内元県議の妻(右)
竹内元県議の妻は8日に記者会見を行い、「夫は立花氏から『黒幕』と名指しされ、そこから夫の運命が変わりました。 生涯をかけて打ち込んできた議員の仕事、その職責から逃げた自らを責め自己を否定し、もがき苦しんでいた姿が、今も脳裏に焼き付いて離れません。間違いなく、この兵庫県政の混乱の中で追い詰められ、孤立し、社会に絶望してこの世を去りました」と辛い胸の内を明かしました。
妻は、誹謗中傷が今も続いている現状を明かし、「声を上げることは、誰にでもできるたやすいことではなく、表に出ることで再び批判にさらされる、攻撃されることを恐れる気持ちが、今も私の頭を支配しています」と話す一方、「何を言われようと耳をふさぎ、目をそらして生きていけばいいのかもしれない。しかし、それは夫が懸命に生きたことから目をそらし、蓋をすることです。夫の死を悼み、悲しむこともできず、ともに歩んできた日々を懐かしく思い返すこともできず、すべてに蓋をして生きていくことを強いられる。遺族にとってそんなむごい話があるでしょうか」と訴えました。
その上で、「私は夫の尊厳を守りたい。夫は死んでも、遺族の心の中に生き続けています。そう思い、声を上げることを決めました。デマで人を貶め、死者にむち打つ行為が平然と、公然と行われる。民主主義の根幹をなす選挙が、死者の冒涜に利用されることの異常さ、悪質さを私たちはもっと深刻に受け止めなければならない」と思いを語りました。
一方、刑事告訴された立花氏は、「名誉毀損罪は、名誉を毀損した段階で受理されるものであって、名誉毀損容疑について、警察が受理したことは妥当であると考えている。今後、警察には『なぜ私が竹内さんの名誉を毀損したのか』についての真実、あるいは真実相当性を説明して、不起訴になるように努力していきます」とコメントしています。
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