( 315173 ) 2025/08/11 04:33:28 0 00 【坡州(韓国北西部)=竹之内秀介】小泉進次郎農林水産相が石破茂首相(自民党総裁)への退陣圧力が強まる中、ジレンマに直面している。高市早苗前経済安全保障担当相や茂木敏充前幹事長ら他の「ポスト石破」候補が水面下で動き出す一方で、閣内にいる小泉氏は静観せざるを得ない立場だ。ただ、自民の一部には小泉氏待望論があり、去就次第で政局が大きく動きそうだ。
■「難しい判断」の局面も
小泉氏は10日、アジア太平洋経済協力会議(APEC)の食料安全保障担当相会合に出席するため訪問した韓国で、記者団の取材に応じた。次期自民総裁選への出馬の意向を問われると、「今はコメ政策について大変な転換点を迎えている重要な時期なので政策遂行に専念したい」と政権を支える姿勢を改めて示した。
小泉氏は周囲にも「今はコメで頭が一杯」と話し、政局とは距離を置く。だが、8日の党両院議員総会では首相の退陣を求める声が相次ぎ、総裁選前倒しを検討することになった。臨時総裁選の実施が決まれば、首相退陣論が勢いづくのは必至だ。首相が続投を模索した場合、小泉氏は首相を支援するかどうか難しい判断を迫られる。
自民内では次の首相は①「選挙の顔」になる②連立拡大を実現できる―ことを必要条件と見なす向きが多い。日本維新の会や国民民主党の幹部とパイプのある小泉氏は「どちらも満たせる数少ない一人」(自民ベテラン)との声がある。
■前回総裁選では〝失速〟
小泉氏は前回の総裁選で決選投票にも残れず涙をのんだ。失速の原因として経験不足が指摘されたが、石破政権では党選対委員長や農水相と要職に抜擢(ばってき)された。現在担当するコメ政策では随意契約による備蓄米放出を主導し、高騰していたコメ価格の下落につなげた。
総裁選への意欲がにじみ出る場面もあった。7月中旬に配信した自身のポッドキャスト番組ではリスナーからの「いつかは首相になりたいと思うか」という質問に対し、「政策の速度と強度を圧倒的に上げなければ次の時代に間に合わないという危機感は去年の総裁選以上に強い」と語った。
その思いを実現するには首相を目指す以外の道はない。臨時総裁選の実施が現実味を帯びる中、小泉氏はそう遠くない将来、決断の時を迎える。
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