( 315321 )  2025/08/11 07:19:57  
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広陵高校は、暴力事案に関連する問題がSNSで拡散された影響を受け、第107回全国高校野球選手権大会の2回戦出場を辞退すると発表した。

この決定は、校長の堀正和が、選手や教職員の安全を考慮した結果であると説明。

過去の暴力事案については調査が進んでおり、広陵は大会前に勝利を収めたが、その後も問題が続いた。

選手たちは騒動についてあまり理解していない様子で、今後保護者会も開催される予定。

これまでの不祥事による辞退は初めてのケースである。

(要約)

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 会見する広陵・堀校長=撮影・中田匡峻 

 

 広陵(広島)は10日、堀正和校長が甲子園球場の大会本部を訪問し、第107回全国高校野球選手権大会の第9日・津田学園(三重)との2回戦の出場を辞退すると発表した。 

 

 広陵は大会直前、1月に発生した暴力事案がSNSで話題に。メディアでも報じられ、出場を巡り批判的な声も起こる中、7日の1回戦で旭川志峯(北北海道)に3-1で勝利していた。 

 

 堀校長は謝罪の言葉を繰り返した上で、辞退決定に至った理由についても説明。SNSなどの大きな反響を受け、「大会運営にも大きな支障が出ている。高校野球の名誉、信頼を大きく失うことになる」とした。 

 

 学校がSNS上で爆破予告を受けたり、生徒が登下校で追いかけられる事態も発生。堀校長は大会運営への影響に加え、「自校の生徒や教職員、これらの人命に関わるようなことが起きてしまうんではないかと。そういったことが最終的な決断です。そこが全てです」と語った。 

 

 現時点で新しい事実は出ていないとしながら、「苦渋の決断」、「ここまでになるまでに、なぜ一つ一つ確認しなかったのか」と後悔の言葉も口にした。 

 

 辞退決定は前日9日。部長を通じて選手に伝えられた。選手は午前中に宿舎を出発した。堀校長は選手の様子について、「失意のどん底だったと思うが、日頃から連係を取れていると思う。心を立て直すことが厳しい状況ですが、落ち着いて今朝を迎え、宿舎を出発して広島にバスで向かっている」とした。 

 

 今後、保護者会も開くという。選手は今大会、携帯を持っておらず騒動については「何も分かっていない」とも語った。 

 

 過去の甲子園大会では2005年夏の第87回大会で、明徳義塾(高知)が部員の不祥事で出場を辞退した例がある。開幕後では21年大会で東北学院(宮城)、宮崎商が選手の新型コロナウイルス陽性が判明して辞退した例があるが、不祥事では初めて。 

 

▽広陵を巡る騒動の流れは以下。 

 

1月22日…暴力事案が発生。 

 

8月5日…SNSの情報をもとにメディアが報じたことで、学校側は当時の状況を当時1年生だった部員が部内で複数の上級生から暴行を受けたことを認めた上で、当時聞き取り調査を行い学校側の規則に則った指導を実施したと説明。高野連に報告し、今年3月に高野連から厳重注意を受けていたと公表した。当該部員は転校し、その後、全国高校野球選手権広島大会が行われていた7月に被害届が提出されたことも明らかとなった。 

 

8月6日…広陵が調査結果を含めた詳細な経過を公表。高野連も出場判断に変更なしと発表。 

 

8月7日…旭川志峯戦に3-1で勝利。 

 

8月7日…旭川志峯戦の試合後、高野連と大会本部は別件で被害を訴えている元部員から情報提供があったと発表。広島県高野連を通じて広陵に確認が行われ、訴えのあった内容について「確認できなかった」と回答があったと説明。「第三者委員会を設置し、現在調査中」との報告もあった。 

 

8月8日…広陵が新たに話題となった事案について説明。2023年に野球部の元部員が監督とコーチ、一部の部員から暴力や暴言を受けたとする情報などについて、調査の結果「指摘された事項は確認できませんでした」とした。その上で第三者委員会を設置し、調査中とも説明。 

 

 

 
 

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