( 316063 ) 2025/08/14 06:16:16 0 00 センター街ではパトロール隊も人数を増やし活動を続けているが…
連日多くの外国人で賑わう日本屈指の人気スポットである東京・渋谷。以前からセンター街近辺のコンビニエンスストア前では、出入り口を塞ぐほどの外国人がお酒を片手にたむろする様子がSNSで話題になることもあり、渋谷区も路上飲酒対策に力を入れている。
渋谷区は区全域で「迷惑路上飲酒ゼロ宣言」を掲げており、路上飲酒禁止エリアを制定。昨年10月1日には改正条例を施行し、18時から翌5時まで、公共の場所での路上飲酒を禁止したうえ、防犯のためにパトロールを巡回させているが、その効果はどれほどのものか。外国人による路上飲酒のリアルな実情を探った。
渋谷駅にほど近い美容室に勤務する美容師・Aさん(30代男性)は、最近の渋谷について「昼と夜とで、街の雰囲気が全然違う」と話す。「昼は若者や観光客の街という感じですが、夜になると騒ぎたい人たちが集まってくる」という。
「昼も外国人は多いですが、観光客グループがほとんど。でも、20時頃から様子が変わります。ガードレールに腰掛けて缶チューハイを飲む人たちや、地面に座って飲み会をしているグループなど、路上飲酒禁止のルールが疑わしくなるほどです」
ポイ捨ても横行しているという。
「飲み終わった缶や瓶を放置する人は多い。歩きながら飲酒をしていて、飲み終わればそのまま路上に空き缶や瓶を投げ捨てている光景も何度も目撃しています。酷いときはゲームセンターで手に入れたフィギュアの箱なんかも道路に捨てていますね。ゴミを持ち帰るという文化がないのかなとは思います」
Aさんは、インバウンドを狙った商売も、街が荒れる要因ではないかと分析する。
「明らかに外国人向けの店が増えましたし、外国人が多いような場所を日本人が避けるようになっているせいか、特定の店に外国人が集まりがちです。特にセンター街付近ではそれが顕著で、ゲームセンターやドン・キホーテ、ドラッグストアなど、外国人に人気の高い店が同じエリアに固まっているため、必然的に外国人だらけになる」(Aさん)
渋谷区在住の会社員・Bさん(30代女性)は、渋谷駅から歩いて20分ほどのところに住んでいる。最寄りの駅は渋谷駅ではないが、家が「電車に乗るよりも歩いたほうが早い」場所にあり、センター街は家までのショートカットコースでもあった。しかし、最近は「遠回りをする」という。
「日本人でも一人で缶チューハイを飲みながら歩いている人とかはたまに見ますが、道端に立ったままで騒ぐような人はあまり見かけない。でも、センター街でお酒を飲んでいる外国人には陽気な人が多くて、道端で輪をつくって大きな声で会話したり、踊ってたりしていて……。一度、酔っ払った外国人男性が“I love JAPAN!”だとか言いながら抱きつこうとしてきたので、走って逃げました。日本人の酔っ払いも嫌なのに、外国人は体格が大きい人も多いので、本当に怖い」(Bさん)
こうした渋谷の状況を、渋谷区も把握し対策を重ねてはいる。区の安全対策課は安全な生活への取り組みの一環として、警備員に巡回させるほか、更には青色防犯灯付きのパトロール車を派遣していると説明する。
「渋谷駅周辺では年末のカウントダウンイベントやハロウィンでの迷惑行為が目立つようになったことから条例が改正され、路上飲酒は禁止になりました。またセンター街を中心に、人が多く集まるところでは、毎日18時から翌5時の間で警備員を巡回させています。警備員の数も、昨年の10月1日から13人から18人に増員しています」
警備員は路上飲酒をしている人に注意、アルコールはその場で処分する。たとえ飲みかけであっても、飲み残しを回収する容器も用意している。当然、日本人だけでなく、外国人への声がけも行われている。
「ポイ捨てや路上飲酒を見つけたら区のルールに従うように案内をしています。外国人への注意は会話が難しい場合もあり、稀に口論に発展することもありますが、基本的には私たちの指導に従ってくれます。パトロールをすることで、路上飲酒が減っていることは確かだと思います」(安全対策課)
とはいえ、地元の人たちの声を聞く限り、まだまだ路上飲酒はなくなっていない様子。前出のBさんは、「特に夜のセンター街は、もはや日本人より外国人のほうが多いのでは」と話す。そうした場所で外国人に日本のルールやマナーを浸透させるのは、一筋縄ではいかないところもある。根気強い対策が必要になっていきそうだ。
|
![]() |