( 316496 )  2025/08/16 04:37:30  
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終戦の日の15日、高市早苗前経済安全保障担当相や小林鷹之元経済安全保障担当相らが靖国神社を参拝した。

この参拝は、自民党が参院選での敗北後に保守層へアピールする狙いがある。

小林氏は、安倍晋三元首相の70年談話を引き合いに出し、新たな謝罪外交への懸念を表明した。

高市氏は参拝後、慰霊は各国国民が行うべきだとし、外交への影響を避けるべきだと強調。

自民党内では保守票の奪還が必要とされ、臨時総裁選に向けた保守派の一本化が求められているが、高市氏と小林氏の連携はまだ進んでいない。

(要約)

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靖国神社を参拝した高市早苗前経済安保相=15日午前、東京都千代田区(成田隼撮影) 

 

終戦の日の15日、靖国神社に「ポスト石破」と目される自民党の高市早苗前経済安全保障担当相、小林鷹之元経済安保担当相、閣僚の小泉進次郎農林水産相らがそれぞれ参拝した。靖国参拝を支持する保守層は本来、自民の支持層だが、7月の参院選では一部が参政党などへ流れた。この日の参拝は、参院選大敗で実施の可能性が出てきた臨時総裁選に向け、保守層へのアピールになりそうだ。 

 

■「70年談話が全て」 

 

「これ以上、次の世代に対して謝罪し続ける宿命を負わせるべきではない、との思いが込められた70年談話が全てだ」 

 

小林氏は参拝後、記者団に、安倍晋三首相(当時)の戦後70年談話を挙げ、石破茂首相が発出を検討している戦後80年「見解」を牽制した。首相が新たな見解を出せば謝罪外交に逆戻りしかねないとの警戒感が保守層には根強い。 

 

首相や閣僚、国会議員の靖国参拝には中国や韓国が反発し、外交問題に発展してきた経緯がある。高市氏は参拝後、「本来、それぞれの国のために殉じられた方の慰霊はそれぞれの国の国民が自らの心に従って行うものだ。外交関係への影響があってはならない」と強調した。 

 

■「一本化が必要」 

 

リベラル色が強いとみられている小泉氏も毎年終戦の日に参拝しており、15日の記者会見で「不戦の誓いと、どの国でも国家のために命をささげた方に対する礼を忘れないことは重要だ」と述べた。石破茂内閣の閣僚では、前回の総裁選に出馬した加藤勝信財務相も参拝した。 

 

先の参院選では「日本人ファースト」を掲げ、保守色が強い参政党が躍進し、自公は衆院に続き参院でも少数与党に転落した。自民は8日の両院議員総会で、総裁選を前倒して実施するか否かを総裁選管理委員会で検討すると決めた。 

 

保守票奪還のため、自民内には保守的な政治信条を掲げる高市、小林両氏に期待する勢力が一定数いる。ただ、高市、小林両氏はそれぞれが水面下で準備を進めており、連携に向けた動きはまだない。臨時総裁選になれば保守派の議員票が分裂する公算が大きく、「保守派候補の一本化が必要だ」との声がある。(長橋和之) 

 

 

 
 

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