( 317103 ) 2025/08/18 05:40:32 0 00 写真:ダイヤモンド・オンライン
NISAで人気の投資先といえば、S&P500型などの米国株インデックス投資信託、そして「オルカン」。しかし、米国経済の先行き不透明感や徐々に進む円高ドル安で、“米国偏重”のリスクが意識され始めている。そこで注目したいのが、米国以外の国・地域にカンタンに投資できる「除く米国」型のインデックス投信だ。その具体的な活用法を見ていこう。(河野拓郎、ダイヤモンド・ザイ編集部)
● さらに低コストの投資信託も新登場! 「除く米国」インデックス投信4本を比較
NISAの投資先として圧倒的人気なのが米国。持っているのはS&P500連動型の米国株型インデックス投資信託1本、という人も多いだろう。「オルカン」に代表される全世界株型も大人気だが、これも中身の6〜7割を米国が占める。
その米国の先行きに、不安が生じている。株価はトランプ大統領の発言や政策で乱高下。長期的な経済成長力の低下を懸念する声も多い。
さらに、円高ドル安の進行が足を引っ張る。2025年の年初来、円換算で見た上昇率は日本株や欧州株、新興国株など他の地域のほうが高い。2025年4月のトランプショックでの暴落後、米国株自体は上がっているのだが、円高で帳消しになっているのだ。
米国に投資先が偏っている人は、他の地域への分散を検討しよう。具体的には、「米国」への投資の比重を下げよう、ということ。手軽に分散投資できる手段として注目なのが、「除く米国」タイプのインデックス投資信託だ。これはその名のとおり、投資先に米国を含まないタイプの投資信託を指す。
現在、「除く米国」のインデックス投資信託は4本ある。信託報酬や運用成績、販売会社を比較したのが次の表だ。
では、内容を順に見ていこう。なお、4本ともNISAの成長投資枠で購入可能だ。(1)「楽天・VXUS」はさらに、つみたて投資枠でも買える。
まず(1)「楽天・VXUS」と(2)「SBI・V・全世界株式(除く米国)」の運用内容はほぼ同じ。“米国以外”の全世界、つまり先進国から新興国まで幅広く投資したいなら、この2本から選ぶといいだろう。米国以外の先進国に投資、という人は(3)「SBI・V・先進国株式(除く米国)」が候補に挙がる。もう少しリスクをとってもよければ、(4)「SBI・V・世界小型株式(除く米国)」も選択肢に。投信名のとおり世界の小型株が投資対象で、値動きが大きく高リスクとなる。
このうち(2)「SBI・V・全世界株式(除く米国)」は2025年7月31日に設定されたばかり。他も2022年12月、2023年6月と比較的最近の設定だ。運用実績が短いため、参考として3年・5年の成績は連動する指数の上昇率を掲載している。ちなみに、いずれもETFを通じて投資し、FTSEの指数に連動する。
信託報酬は(2)「SBI・V・全世界株式(除く米国)」が(1)「楽天・VXUS」より若干安いが、誤差の範囲。一方、取り扱う販売会社は(1)「楽天・VXUS」のほうが幅広く、主要ネット証券はじめ多くの証券会社で購入できる。(2)「SBI・V・全世界株式(除く米国)」が買えるのは現状、SBI証券のみ、(3)(4)もSBI証券と松井証券の2社だけだ。
● 業種もS&P500やオルカンとかぶらない 追加で持つ1本として最適!
(1)(2)と(3)の投資信託の違いについて、もう少し詳しくみていこう。
(3)「SBI・V・先進国株式(除く米国)」は、新興国株を含まないのが(1)(2)の全世界株型との違い。“リスクが高い新興国株は外したい”という人や、インド株型など新興国株の投資信託をすでに持っている人は、こちらが候補になるだろう。全世界株型(除く米国)と先進国株(除く米国)の、投資先の内訳は下の図のとおりだ。
分散投資では、投資先の“業種”も意識したい。米国株は、半導体やIT関連などテック株の影響が非常に大きい。この点、「除く米国」タイプの投資信託は、4本ともハイテク関連の比率が12〜15%程度にとどまっており、米国株との分散効果が大きい。S&P500のインデックス投信や「オルカン」と、併せて持つのにピッタリだ。
ダイヤモンド・ザイ NISA投信グランプリとは ダイヤモンド・ザイでは1年に1回、「NISAで買える本当にイイ投資信託」を部門別にランキングし、上位のファンドを表彰している。人気や知名度ではなく、データを最重視した完全実力主義のアワードだ。「1.どれだけ上がったか(上昇率)、2.どんな時も下がらない(下がりにくさ)、3.ずっと優等生(成績の安定度)」の3つの独自基準で評価を行う。また、非常に人気があり多くのお金を集めているにもかかわらず成績が振るわない投資信託も、「もっとがんばりま賞」として発表している。
<ダイヤモンド・ザイNISA投信グランプリ2025> [2025年]受賞投資信託30本一覧 ▼日本株総合部門 ▼日本中小型株部門 ▼米国株部門 ▼世界株部門 ▼新興国株部門 ▼リート部門 ▼フレッシャー賞 ▼もっとがんばりま賞 ▼(番外編)インデックス型「最安ランキング」 ▼当グランプリの「選定基準」はこちら⇒https://diamond.jp/articles/-/363017
河野拓郎/ダイヤモンド・ザイ編集部
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