( 317126 ) 2025/08/18 06:09:40 1 00 大手私鉄の中で百貨店事業を営んでいない5社は、西武鉄道、東京メトロ、相模鉄道、南海電気鉄道、西日本鉄道です。
興味深いのは、西武鉄道が「西武」ブランドの百貨店を持ってはいますが、運営は別会社のそごう・西武に移行している点です。 |
( 317128 ) 2025/08/18 06:09:40 0 00 グループ内で百貨店を営んでいない大手私鉄5社
阪急や東急など、多くの大手私鉄グループでは、鉄道事業のほか、グループ内で百貨店事業も営んでいます。
大手私鉄の百貨店経営は、阪急が発祥とされています。同社の生みの親とされる小林一三は、鉄道利用者に利用してもらおうと、梅田駅の駅ビルに百貨店をテナントとして入居させました。このように、鉄道事業者自身で百貨店の経営を手掛けるビジネスモデルは、東急ほか、多くの私鉄が追従しています。
ただし、16社ある大手私鉄のすべてが、グループ内で百貨店を営んでいるわけではありません。2025年現在、大手私鉄では、西武鉄道、東京メトロ、相模鉄道、南海電気鉄道、西日本鉄道の5社が率いるグループが、百貨店を運営しないものとなっています。
相鉄グループ、南海グループは、自社グループでは百貨店を経営していません。ただし、相鉄の横浜駅、南海の難波駅には、駅ビルのテナントとして高島屋が入居しています。西鉄グループも、ターミナル駅の西鉄福岡(天神)駅に三越が入居しているほか、九州の百貨店事業者である井筒屋と関係が深く、かつて同社は西鉄グループだった時期もありました。
帝都高速度交通営団(営団地下鉄)からの改組によって2004年に誕生した東京メトロは、これまで百貨店事業を営んだことはありません。ただし、前身組織の一つである東京地下鉄道時代には、「上野地下鉄ストア」という上野駅直結の商業ビルを運営していました。他社グループのような高級百貨店とは異なる存在だったようですが、開業は1931年とかなり早い時期。阪急が日本の鉄道事業者として初めて直営の百貨店事業を開始した、わずか2年後のことでした。ちなみに、百貨店ではありませんが、東京地下鉄道が1930年に開業した上野駅の地下商業街「地下鉄ストア」は、日本初の地下街だといわれています。
現在百貨店事業を運営していない大手私鉄グループとしては意外な存在が、西武鉄道ではないでしょうか。事実、今も「西武」ブランドで展開している百貨店(かつての西武百貨店)は各地に存在します。ただし、百貨店の西武を運営しているそごう・西武は、現在は西武グループではありません。もともとは同じグループだった西武鉄道と西武百貨店ですが、1960年代に分離し、別々のグループとなりました。ただし、西武池袋本店は今も西武線池袋駅の駅ビルに入居しているなど、鉄道と百貨店の関係が完全に断たれたわけではありません。
このほかに特徴的なのが、京成グループの京成百貨店。かつては京成線沿線にも店舗を構えていたのですが、2025年現在は、水戸京成百貨店が運営する水戸市内の店舗のみ(サテライトショップを除く)の存在となっています。現在の京成線には、相鉄や南海、西鉄のように他社ブランドの百貨店が入居する駅もなく、大手私鉄では唯一、百貨店と一体になった駅ビルが存在しない事業者となっています。
西中悠基
|
![]() |