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ミュゼプラチナムを運営するMPH株式会社が破産を申立てられ、東京地裁により破産開始が決定された。

負債総額は約260億円で、債権者は未施術の顧客を含む約20万人。

ミュゼプラチナムは、かつては急成長を遂げた脱毛サロンだが、予約の取りにくさや解約の急増が影響し、経営が悪化。

過去数回の親会社変更を経て、2024年には事業承継が行われたが、その後も業績が改善せず、給与未払い問題が発生していた。

最終的に、MPHは株主総会で解散を決議し、今回の破産に至った。

(要約)

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ミュゼプラチナムの本社(2024年12月5日撮影) 

 

 5月16日、債権者より破産を申し立てられていたMPH(株)(大田区)は8月18日、東京地裁より破産開始決定を受けた。破産管財人には島田敏雄弁護士(LM虎ノ門法律事務所、港区虎ノ門1-15-12)が選任された。破産管財人ホームページ (https://www.mph-kanzai.jp/)が開設され、FAQなどを掲載する予定。 

  

 未施術の顧客を含めた債権者約20万人に対して、負債総額は約260億円が見込まれる。 

 

 MPHは、国内最大級の脱毛サロン「ミュゼプラチナム」の運営会社。元々は、(株)ジンコーポレーション(現:(株)M&Fアセットパートナーズ、福島県)が「ミュゼプラチナム」を運営し、安価なサービスや通い放題などで注目された。積極的な広告展開で知名度の上昇とともに事業が急拡大し、全国に約170店舗を有し、2014年8月期には売上高386億7127万円をあげた。 

 

 しかし、顧客が支払った前払金について、預り金として施術ごとに売上計上する処理ではなく、一括で売上計上していたことが表面化。急成長のあおりで会員の予約の取りにくさも増し、解約が急増した。こうしたなか、2015年12月、(株)ミュゼプラチナム(現:(株)MIT、大田区)に「ミュゼプラチナム」事業を移管し、東証二部上場(当時)の(株)RVH(東京都港区)の子会社となった。 

 さらに、2020年4月には「たかの友梨ビューティクリニック」運営会社を傘下に持つ(株)G.Pホールディング(新宿区)の子会社となった。 

  

 親会社の変更が続くなか2023年4月、船井電機(株)(大阪府)の親会社の船井電機・ホールディングス(株)(現:FUNAI GROUP(株)、大阪府)が、別途設立したミュゼプラチナシステムズ合同会社(横浜市神奈川区)を通じて、ミュゼプラチナムの株式を承継していた。 

  

 こうしたなか、2024年5月には(株)ミュゼプラチナム(東京都港区)が、MITから全事業を承継。2024年9月、ミュゼプラチナムから新設分割で当社が設立された。以降は当社がミュゼプラチナム事業を引き継いでいたが、業況悪化に歯止めがかからず、従業員への給与未払いなども発生。2025年2月には経営権を巡り対立が発生し、3月には全店の一時休業を発表していた。 

 その後、ミュゼプラチナム事業は、MPHのほか、新生ミュゼプラチナム(株)(千代田区)、どこでもミュゼプラチナム(株)(千代田区)の3社でフランチャイズ(FC)展開などを進めていた。 

 5月16日にはMPHが債権者から破産を申立てられていたが、6月2日、MPHは株主総会の決議により解散し、通常清算や特別清算の選択を検討していた。債権者側と対立が深まるなか、今回の措置となった。 

 

※MPH(株)(TSRコード:036547190、法人番号:3010401184925、大田区蒲田5-28-4、設立2024(令和6)年9月2日、資本金1000万円) 

 

 

 
 

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