( 318371 )  2025/08/23 04:49:52  
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静岡県伊東市の田久保真紀市長は、辞職を求める声に対抗し、今後も市長職を続ける意向を明らかにしている。

議会は彼女の辞職を求める動きを強めており、特に学歴詐称問題が問題視されている。

田久保氏は入札停止した新図書館建設の復活を意図していると主張し、辞職はできないとし、地域社会は混乱を続ける可能性があると懸念されている。

議会は不信任案を提出する意向で、今後の選挙ではさらに混乱を招く恐れがある。

伊東市民はこの事態に心を痛めている。

 

 

(要約)

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田久保眞紀市長 

 

 一向に辞める気配のない静岡県伊東市の田久保真紀市長(55)に対し、ついに議会が“実力行使”に出る構えだ。ところが、辞職を迫る波状攻撃の先に待つのは、さらなる混沌だという。 

 

 *** 

 

「一連の騒動は、私が就任後に入札を停止した新図書館建設を復活させるために起きていた疑いが濃くなりました。いま私が退くと、いろんなことが元に戻ってしまうかもしれない。ここが踏ん張り時だと思っています」 

 

 力強い口調でこう話すのは田久保氏その人である。 

 

 8月16日、自身のXで〈騒動の全容がやっと見えてきました〉と投稿した彼女は、その真意についてこう明かしただけでなく、 

 

「(騒動の長期化に)お腹いっぱいという部分もあるかもしれませんが、(伊東市民からは)“しっかりやれ”という声も多い。そのお約束は果たしていきたいと考えています」(同) 

 

 と、身を退く意思のないことを改めて表明した。 

 

 その言葉に反し、地元では辞職を求める圧力が日々強まっていると話すのは地元紙記者だ。 

 

「田久保氏が百条委員会に出頭した今月13日の前日には、市民らが辞職を求めてデモと街頭での署名活動を展開しました。これまでの取材では、多くの市民が“不毛な騒動にはもうウンザリ”といった感想を漏らしています」 

 

 東洋大学除籍にもかかわらず、「卒業」と偽った学歴詐称問題が発覚したのは今年6月。翌月に公選法違反(虚偽事項公表)の疑いで彼女を刑事告発した、地元建設会社社長の山口喜廣氏が言う。 

 

「告発状は7月28日に受理され、8月7日には私と市幹部職員二人が別々に事情聴取を受けました。お盆明けに捜査は加速するとみています」 

 

 田久保氏が除籍の事実を知ったのは、5月の市長当選後だったと一貫して述べている。彼女の在籍時に同大教務課に勤めていた人物によると、 

 

「私は当時、彼女が卒業したと話していた法学部と社会学部の学籍に関する事務を担当していました。除籍の場合、必ず本人だけでなく、保護者(親)にも電話などで事前に連絡します。だから卒業と勘違いする余地はないに等しい。ちなみに除籍理由の大半を占めていたのは授業料の未納でした」 

 

 

 同じく田久保氏を「確信犯」だと考える、市議会議長の中島弘道氏(64)はこう言う。 

 

「彼女に対しては近く、百条委が求めた卒業証書提出を拒否した地方自治法違反容疑で刑事告発を行う予定です。また9月1日に議会が始まれば、不信任案も併せて提出する方針です」 

 

 副議長の青木敬博氏(54)が続ける。 

 

「不信任案は出席議員の4分の3以上の賛成が必要で、可決されると市長は10日以内に、辞職か、市議会の解散かを選ばなければなりません。実は“彼女なら解散を選ぶ”と今から覚悟している市議は少なくありません」 

 

 新たに市議選を行っても、反田久保派が多数を占める現状の勢力図は変わらないと予想されるが、その間、彼女は市長職にとどまり続けることになる。 

 

「市議選を経て議会が再び不信任案を提出する際は、出席議員の2分の1以上の賛成で自動失職させることができます。ただし彼女が市長選に再出馬する可能性は消えず、そうなると混乱はさらに続くことになります。市議選と市長選で計数千万円の公費支出も見込まれ、市民の反発が予想されます」(同) 

 

 伊東市民は、ホントお気の毒である。 

 

「週刊新潮」2025年8月28日号 掲載 

 

新潮社 

 

 

 
 

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