( 319161 )  2025/08/26 05:14:45  
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石川県で新米「ゆめみづほ」が販売を開始したが、価格は昨年に比べて約1700円高く、5キロあたり4622円となっている。

これは、米価高騰の影響や少雨による流通量の減少が関係している。

地元のスーパーでは新米が並ぶものの、購入をためらう客も多く、販売会社の担当者は他の品種も似たような価格になると予想している。

米価の上昇は、農家への前払いである概算金が引き上げられたことが影響しており、全国的な水不足も要因とされている。

今後の米価は収穫量や消費動向によって変動する可能性があるという。

(要約)

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 石川県産米の早生(わせ)品種「ゆめみづほ」の新米が店頭に並び始めた。価格は「令和の米騒動」と呼ばれる米価の高騰が始まった昨年と比べ、5キロあたりで1700円ほど高くなっている。コメの流通価格の指標になるJAの「概算金」が大幅に引き上げられたほか、少雨による流通量の減少も懸念されており、新米の流通が本格化した後も米価は高止まりする見通しだ。(古渡彩乃) 

 

石川県産の新米が並ぶスーパーのコメ売り場(23日、金沢市の「どんたく西南部店」で) 

 

 金沢市のスーパーマーケット「どんたく西南部店」のコメ売り場には23日、ゆめみづほの新米5キロが50袋ほど積まれ、買い物客が足を止めていた。ただ、昨年の売り始めの約1・6倍となる「4622円」の値段を見て二の足を踏む人もおり、主婦(75)は「新米を食べたいなと思ったけど、値段はあまり下がらない。せめて3500円くらいだったらいいのに……」と購入を見送った。 

 

 同店を含めて県内12店舗のスーパーを運営するどんたく(七尾市)は、20日から新米の販売を始めた。JAを介さない卸業者からコメを仕入れているが、昨年産の銘柄米とほぼ同じ価格水準だといい、担当者は「少雨の影響などで店で売れる分は少ないという話も聞く。コシヒカリなどの新米も9月以降出てくるが、価格はゆめみづほと同じくらいか、100円ほど上がるのではないか」と話す。 

 

 米価の高止まりを予想する声が販売現場から上がる背景には、JAがコメを集荷する際に農家に前払いする概算金を大幅に引き上げた事情がある。 

 

 県内のJA関係者によると、JA全農県本部が各JAに示した概算金は、いずれも1等米60キロあたりで、コシヒカリ2万5200円、ゆめみづほ2万4300円、ひゃくまん穀2万7000円と、昨年比約5~6割高となった。算出根拠となる肥料代や燃料費といった生産コストの上昇に加え、JAを通さない業者との集荷競争が概算金の上乗せにつながったとみられる。 

 

 概算金が増えれば、JAを介さずにコメを確保する卸業者も買い取り価格を引き上げざるを得ないため、店頭での販売価格も高くなる。 

 

 

 農業経営や農業ビジネスに詳しい新潟食料農業大の青山浩子教授は、米価の押し上げ要因となる概算金の上昇は県内に限った状況ではないとした上で、「全国的な水不足などで収穫量に不安がある中、集荷したいJAは概算金を高くして交渉するしかない」と分析する。今後の米価は、収穫量や消費動向次第で変動する可能性があるという。 

 

 昨年来の「米騒動」を巡っては、「これまで安い値段に甘んじるしかなかった生産者と、厳しい値段だと感じる消費者間のギャップが埋まらない状況が続いている」と指摘した。 

 

 

 
 

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