( 319476 )  2025/08/27 06:09:08  
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42歳のAさんは、実家にて快適な生活を送りながらも、貯蓄4,500万円を達成した年収570万円の会社員です。

物価上昇と賃金据え置きの中、実家暮らしのメリットを活かして生活費を抑え、家族との関係も良好に保っています。

しかし、甥っ子に「おじさんって、ずっとこの家にいるの?」と言われたことがきっかけで、自分の生活の独立性に疑問を抱くようになりました。

実家暮らしを続けたい気持ちと、自立を求める気持ちとの間で揺れ動いているAさんは、今後の生活を考えつつ、じわじわとその心境に変化が訪れています。

(要約)

( 319478 )  2025/08/27 06:09:08  
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おじさん、いつまでこの家にいるの?…甥っ子の一言に撃沈。実家に居座り続け〈貯蓄4,500万円達成〉悦に浸る年収570万円・42歳会社員が「夏休みなんてこなきゃいいのに」と呟くワケ 

 

物価が上がる一方で、据え置きの賃金。「とても暮らしていけない」と実家暮らしを選択する人も少なくないでしょう。一人暮らしよりも固定費を削減できたり、生活環境を家族に整えてもらえたりと、メリットは少なくありません。「ずっと実家暮らし」を選択する人もめずらしくありませんが、とあることがきっかけで、そろそろ出るべきかと悩むケースもあるようです。見ていきましょう。 

 

夏休みは子どもにとっては待ち遠しい季節ですが、42歳のAさんにとっては憂鬱な時期。なぜなら、親戚が集まる帰省シーズンだからです。 

 

Aさんは地方都市の中小企業に勤める会社員。毎日9時から18時まで働き、残業はほとんどなし。年収570万円で「十分満足」と語ります。 

 

自称「普通のサラリーマン」のAさんですが、42歳にして資産4,500万円を達成。コツコツ貯金し、一部を積立投資で運用。何より大きかったのは、社会人になってからずっと実家暮らしをしてきたことによる固定費の削減でした。 

 

Aさんが住むのは地方とはいえ、いわゆる大都市です。そこそこ綺麗なワンルームを借りようと思えば、1K・25㎡でも月6〜7万円はかかります。主それに加えて2年に一度の更新料、水道光熱費、インターネット代……積み上げれば、生活費は一気に膨らみます。 

 

その点、実家暮らしは実に快適です。平日の朝、Aさんは7時に起きて出勤します。ですが、仕事を終えて帰宅すれば、待っているのは整えられた夕食。冷蔵庫には母が買い置きしたビール。洗濯済みの畳まれた洋服も部屋に置かれています。 

 

休日も快適です。朝は昼近くまで寝て、午後はゲーム機の前に陣取り、オンラインで仲間と戦います。お昼と夜には、母から「食事ができたよ」と声がかかり、食べ終えれば片付けもしてくれるのです。 

 

しかも、Aさんは収入がどれだけ上がろうとも、家に入れるお金は「一律3万円」を守り抜き、父と母の誕生日にだけ気持ち程度のプレゼントを渡すだけ。こうして4,500万円という資産をつくり上げてきたのです。 

 

結婚の予定もないため、「お金はあるけど、出ていく理由がない」これがAさんの口癖でした。 

 

 

一方、両親の心中は複雑なようです。「いつまでいるの?」「そろそろ出ていきなさい」と言われることはあっても、強く突き放されることはなかったといいます。 

 

親も年齢を重ね70代に。息子が同居していることで安心できる場面もあったのでしょう。特にネットや家電の困りごとは、Aさんに聞けばすぐに解決。Aさん自身、自分がいて親が助かることを、事あるごとに強調していました。 

 

しかし、そんなAさんも「実家暮らしをやめたくなる」ときが。それは、お盆休みとお正月休み。毎年、姉と弟一家が帰省してくるのです。 

 

毎年、夏休みとお正月休みの年2回、家には姉と弟一家が泊りがけで集まり、数日間賑やかになります。Aさんは毎年、自分の部屋にいたりリビングの隅でスマホをいじりながら、できるだけ存在感を消すのが通例でした。 

 

ですが、おととしのお正月にこんなことがありました。小学生の甥っ子が笑顔で発した一言に、場の空気が一瞬止まったのです。 

 

「おじさんって、ずっとこの家にいるの? もう子どもじゃないのに?」 

 

これまで、姉や弟から同様のことを言われても「その分貯金をしている」「同居していることで親を助けられる」と豪語し、気にすることはなかったというAさん。ですが、甥っ子から言われたその言葉は胸に突き刺さったと言います。 

 

その言葉の裏に、自分の姿の客観的な評価があったからでしょう。実際、経済的にはまったく困っていないけれど、生活面での自立は果たせていない自分。それを、子どもの視点で突きつけられたような気持ちになったのです。 

 

LIFULL HOME'Sが20〜40代を対象に実施した実家暮らしに関する調査によると、居住形態の質問に対して、「実家暮らし」と答えたのは20代では37.7%、30代・40代ではともに26.4%と、一人暮らし(20代:27.7%、30代:20.5%、40代:19.7%)よりもその割合は多くなっています。 

 

また、実家暮らしの人に向けた「今後、実家を出る予定や意志があるか」という質問に対して、「ない」と答えた割合が20代で44.3%。30代では52.5%、40代では70.3%。年齢が上がるほど実家暮らしを続けたいと考える人が増え、40代では7割に達しています。 

 

当然ながら、実家暮らし=悪いことではありません。実家暮らしを選ぶ人は増加し、むしろ当たり前になってきているのです。その背景には、物価上昇や賃金の少なさもあるでしょう。 

 

Aさんの場合も、実家暮らしを継続したことが潤沢な資産形成につながり、老後不安が減っていることは間違いありません。しかし、Aさんには迷いが出てきているといいます。 

 

「このまま実家にいれば、資産はあと数年で6,000万円、7,000万円と増えていくはず。早期退職も夢じゃないかもしれません。ですが、あれ以来、みんなが集まる場にいるのがいたたまれない。予定があると言って、外出するようにしています。映画を観に行ったり、ネカフェで時間をつぶしたり。でも本当は自分の部屋にいたいんですよ。そもそも、そこまでして実家にいたいのか?っていう感じですよね(苦笑)。そろそろ家を出るべきかなと考えているところです」 

 

【参考】 

LIFULL HOME'S「『実家暮らし』に関する調査」 (2025年5月22日) 

 

THE GOLD ONLINE編集部 

 

 

 
 

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